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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

魔王城のクソ係 〜R18要素抜き AI仮組み

作者: 鳥坂そば
掲載日:2026/02/28

まだ足りない


魔王城の共用便所は、いつも湿っている。


掃除係の男は、膝をつき、黙々と床を擦っていた。

名はない。呼ばれることもない。

糞尿の匂いの中で生きるだけの存在だった。


その日、汚物の中に金属の光があった。


指輪。


見覚えがある。

魔王が常に身につけている、知恵の指輪。


なぜここにある。


男は笑った。


狂ったように笑いながら、

糞のついたそれを洗いもせずにはめた。


――流れ込む。


呪文式。魔力回路。城郭構造。

地脈の配置図。魔物進化系統。


世界が立体で見えた。


「ああ……」


笑いが止まらない。


同時に理解する。

これは力ではない。設計図だ。


男は便所を出た。


その日から、彼はダンジョンを作り始めた。



敵はすぐに来た。


魔王の追手。討伐隊。密偵。


彼は迎え撃つ。


ときに自ら外へ出て、殺しに行く。


感情は激しく燃える。

だが盤面は常に冷えている。


怒鳴り、笑い、処刑を命じる。

すべて計算の上。


恐怖は広がり、城は拡張する。



夜。


寝室。


指輪は机の上に置かれている。


静かだ。


酒を注ぐ。

女にも杯を渡す。


暴君の顔はない。


ただ呼吸を整える男がいる。


触れるのは欲望ではない。

明日また暴れるための休息。


彼は理解している。


指輪を使うたび、

時間が削れていることを。


残りが減っていく。


それでも止めない。



敵は尽きない。

支配は広がる。

血は増える。


星を見上げる。


「あの向こうにも、いるのか」


知恵は示す。

世界は一つではない。


だが寿命は有限。


だから彼は求める。


不死を。


方法はまだない。

答えもない。


ただ、足りない。


城も。

恐怖も。

時間も。


すべてが足りない。


彼は今日も殺しに行く。

帰れば酒を飲む。

指輪は光る。


そして呟く。


まだ足りない。

知恵の指輪か、狂気の指輪か。どちらでしょうか?

クソ係に名前を作るならフシです

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