第三話「封ぜよ、星の名を持つ者」
渋谷センター街の上空に浮かぶ巨大な陰陽陣。
それを支えているのは、三人の陰陽術士+一人の剣士の力だった。
「……これ、普通にニュースになるんじゃね?」
「気にしたら負け!」
破軍星は巨大な手で一帯を薙ぎ払おうとするが、式神たちが一斉に跳びかかり、動きを封じていく。
「今だ、さくら!」
「はっ!! ――《桜一刀流・終ノ型・天穿斬!》」
光の刃が星を貫く。
直後、晴雅が中心で唱える。
「封星式――最終段階、発動!
――ここにて“破軍星”を、ふたたび虚空へと還す……!」
光が世界を満たし、渋谷の夜空にふたたび“星”が戻っていった。
──そして、静寂。
「……終わった、のか」
「ええ、でもこれで全部じゃない」
薫子は空を見上げながら言った。
「転生者たちが集まってきている。あなただけじゃない。
これから、この東京は――再び、戦国になるわよ」
「はぁ……高校生活がしたいだけなんだけどなぁ」
と、晴雅は苦笑しながら言う。
そんな彼の袖を、桜がそっと引く。
「主君、あの……その、ひとつお願いが」
「ん?」
「明日、お昼……一緒に、お弁当、食べていただけませんかっ!!」
「……急に普通のラブコメきたな」
「なによ、だったら私も一緒に食べるわよ! 陰陽師の式弁当持ってくるから!」(紗夜)
「……私もスパイス研究弁当を持参する」(薫子)
──こうして、世界の命運を救った陰陽師たちは、再び平凡な(?)学園生活に戻っていく。
だがそれは、次なる戦いの“日常”の始まりに過ぎなかった――
**完**