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Repeat  作者: 嵐 けだもの
シタクウカン編
26/26

25.アラノーク襲撃③

「フリーーーーズ!!」


トレイピューはレンガ片を介して悪魔ごと氷漬けにした。


あ、危なかった。あんなレンガ喰らってたら失神してた。何だこの化物、俺たちをボコボコにしようとしてるのか?


「はみむるゆーー!ぽれらぽれらぽれら!!」


なんて言ってるか分かんねーけどめっちゃ怒ってる。


「おい。ヒリヒリして痛いだろ。何なんだよ貴様。何しに来た」


「……」


「無視かよ。あっそ。なら門番に言いつけて痛い事してもらうぞ?」


悪魔の鼻がピクッと動く。


ん?なんだこいつ。なんか様子がおかしいぞ。


「じゅわわわあらああーー!!!!!」


悪魔は氷を破る。


な、なんてパワーなんだよ。

俺の攻撃喰らってそれを破る奴なんて初めてだ。きっとあのイマリ王だって不可能!


「ぐわららら」


悪魔はすごい勢いでトレイピューに迫り腹パン

を喰らわせた。


「っうぐ」


い、痛い。こいつ心とかないんか?

また気が飛びそうだ。くそ動けない。


悪魔はトレイピューをボコボコに何度も何度も蹴りつけた。

この時、トレイピューは初めて理不尽な暴力というものの本当の恐怖に脅かされた。

痛みというものは歯止めがきかないと大変な恐怖になることを知った。


一通り殴り終えた悪魔は失神しているラーミックに迫る。


「っぶりーー……ず」


また悪魔は氷漬けにされた。トレイピューが起き、再度氷漬けにしたからだ。


トレイピューは数多の蹴りを入れられ、血まみれであった。しかし、痛みの恐怖を知ったトレイピューはラーミックにこんな思いをして欲しくないという気持ちが強制的に体を動かし、悪魔を氷漬けにした。

今まで彼の中で友達はコボしかいなかった。

二人目の友達になってくれる可能性があるラーミックを守らない理由などなかった。

それは本能でもあった。


氷漬けにした後、ラーミックに小さいつららを落とし、トレイピューは瀕死のまま失神した。


「……痛たたた。何だよ。なんか頭に当たったぞ」


ラーミックは目を開くと凄まじい情報量が頭の中に流れ込む。


な、何なんだ。この化物。こっち睨みながら凍っている。

ん?あの子って。ああそうだ思い出した。

うわ。すごい血の量。何で寝てるんだろ。

いや失神しているのか?死んでるみたいに動かない。

この化物の足血がベッタリとついてる。


この瞬間ラーミックは状況を完全に理解した。

彼はとても頭が良かったためであった。

それと同時に氷が割れる。


「ぐわはあはあはあはー」


「状況は理解したよ。ダメじゃないか。こんな平和な国にテロなんて。体がボロボロになったら死んでしまうんだよ?どういう事か教えてやろう」


悪魔とラーミックは互いに睨み合っていた。

先に仕掛けたのはラーミックであった。


「降来 セアカ」


ラーミックは自分の2倍ほどある蜘蛛を出す。


「めぽとろすかりお」


相変わらず訳のわからないことを叫びながら悪魔は蜘蛛に襲いかかる。

その間にラーミックはトレイピューに駆け寄り、手から糸を出し、トレイピューを囲む。


悪魔は蜘蛛と接戦を繰り返したのち、頭を引っこ抜き、蜘蛛を殺した。そしてラーミックを見て警戒する。


「めぱるを!めぱるを!!」


「早いな。倒すの。まあこいつは戦闘用じゃないからな。驚け」


次の瞬間悪魔の呼吸は荒くなり、筋肉が痙攣しだす。

蜘蛛の毒の効果であった。


「急いで治療を。本当に死んでしまうかも。誰か!」


声を荒げるが誰も来ない。毒で動けないと思い、完全に油断していたラーミックであったが悪魔は一筋縄でいける相手ではなかった。


「にゅららららー!!!」


雄叫びとともにブルブル震える手でラーミックに石を投げつけた。


その石はラーミックの肩を貫通し、通り抜ける。


な、なんて痛みだ。悪夢を見ているようだ。嫌だこれ以上こんな思いしたくない。


ラーミックは戦意喪失した。初めて肩を貫通するほどの痛みを喰らったため無理はない。それと同時にこの出血でも自分をかばい戦ってくれたトレイピューを不思議に思った。なぜ知り合いでもなく、ましてや喧嘩していた嫌いな相手にここまで出来たのかと。


悪魔はブルブル震えた足でこっちに近づいてくる。


「嫌だ!来るんじゃない!やめてくれ。頼む。もう痛みを与えないでくれ!」


そう言いながら手から糸を出し、悪魔の体を包み動きを止めようとするが、糸を引きちぎられてしまった。


「えくそてのへろ。えくそてのへろ」


訳のわからないことを言いながら悪魔は着々と一歩ずつ歩いてくる。


「もうダメだ。血が流れすぎると死ぬのかな。怖い!怖い!怖い!」


セアカより強い蜘蛛をラーミックは出せたが、もうそれどころではなかった。


死への恐怖。身近でないものは自身に大きな脅威となる。


「うわあああああああ!!!!!」


ラーミックは恐怖で何も見えなくなっていた。

そんなラーミックの肩をトントンと叩く者がいた。


「………トライ?」


よく見てみると悪魔はシャボン玉の中でもがき苦しんでいた。


「ラーミック君。もう大丈夫だ。やつはシャボン玉の中で死ぬ。よく2人でこんな強さの悪魔と戦った。もう立派な戦士さ」


どこかで聞いたことがある声。門番!


「ラーミック凄いなあ!いつでも俺にできないことをやってのける」


「ト、トッ、トッッ…」


ラーミックは急激に恐怖から解放されたため、目には大量の涙が溢れていた。



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