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Repeat  作者: 嵐 けだもの
シタクウカン編
23/26

22.みーんな家族

俺たちは驚いた。トレイピューは俺らと会うことを禁止されていた?一体なぜ?


「彼は幼い時からすでに能力が発現していたらしい」


「それは本当か?そんなことありえるのかよ」


ファーユーがびっくりして声を上げる。確かに信じられない。昔から大きくなったら能力が発現すると教えられてきたから疑いもしなかった。

でも待て


「それと俺らが会うことを禁止される因果関係はどこにあるんだ」


「彼は幼かったため、能力を制御できなかったらしい。だからトレイピューがいた部屋はいつも信じられないくらい寒かった」


なるほど。そういうことか。ようやく理解できた。通りで一度も見たことがないわけだ。


「会うのを禁止されているのになんでコボはトレイピュー君のことを知っていたのよ」


パーシーが鋭い質問をする。


「初めてトレイピューと会った日、

あの日はたまたま街を散歩していた。

 すると、冷たい風が吹いている空き家を見つけてね。

 僕はそこが気になって、凍っている南京錠をナイフを持ってきてこじ開けたのさ。

 そこには1人、凍った毛布を羽織る、僕と同じくらいの子がいてね。

最初は怯えていたんだけど、僕が話をしていくうちにだんだん仲良くなって、その日から毎日、自分の体が凍り出すと、持っているナイフでそれを落としながらトレイピューと遊んだりしたんだ。

けど、みんなにはトレイピューの存在を教えてはいけないと口酸っぱく言われていたから今まで隠してた。ごめん」


全然知らなかった。こんなことがあったなんて。目覚めたら僕も友達になりに行こう。こんな退屈な世界をほとんどひとりぼっちで過ごしていたなんて、僕には想像がつかないくらい辛い日々を過ごしていたに違いない。


「そんな日々を過ごしてきたから、イマリ王を恨んでいるところが少なからずあると思う。だからさっきみたいな態度をとってしまったんだと思うんだ。けど本当は僕らと変わらない一人の天使なんだ。信じてあげて」


コボの目には少しだけ涙が浮かんでいた。コボも友達の辛い姿を見てきたから思うことはたくさんあるのだろう。


「もちろんよ!少ない同級生どうしみんな家族よ!きっとこれを聞いたらラーミックも許してくれるわ!」


アスナが満面の笑みで親指を立てながらいう。


「ありがとう。アスナ」


それに対してコボが親指を立てて返す。そうだ少ない同級生仲が悪くてどうする。みんな家族のようなものさ。

そんなことを話していたらドアがノックされた。


「この城の召使です。トライ様。王のお呼び出しです。直ちに向かってください」


「ええ。俺だけ?!分かった。すぐ向かう。

みんなちょっと行ってくる」


イマリが俺だけを呼び出した。一体何の用だろう。パーダス家の話だろうか。


「来ました。イマリさん」


「誰か聞いてるかもしれないのよ。今はイマリ王と呼んで。トライ」


こうやってイマリと話すのは久々だ。さっきの堅苦しい話し方ではなくて、昔から慣れ親しんだイマリだ。


「あんた戦闘系に目覚めたのね。おめでとう。もう能力に目覚める年頃なのね。なんかちょっと寂しいな」


「あー、そのことなんだけど、実はそんなこともないんだ」


俺は真実を言うのが恥ずかしかった。というかパーダス家の顔に泥を塗ることになると思い、ためらっていた。が、今のイマリなら話せそうだ。そして俺は光の粒を出す"だけ"のしょーもない能力をイマリに話した。きっと失望される。俺は自分が情けなくなった。だが、イマリの反応は違った。


「っぷ、わっはっはっはっはーーーー

 何その能力!可愛い!!やっぱりトライはまだお子ちゃまなのね!ププ」


うん。すごい馬鹿にされた。なんか思ってたのと違う!


「笑うなよ!俺だって悩んでるんだぞ!なんで同じパーダス家なのに、イマリは光のムチを出せて、俺は光の粒なんだよ!」


「いいじゃない。可愛らしい能力で!」


俺は気づいていた。これはイマリの優しさだと。きっと能力を言う時の俺の顔は強張っていたはず。それを読み取り、俺を和ませようとしたに違いない。きっと強く、優しいからイマリは王なのだ。


「あ!そうだ。今日は話さないといけないことがあったからトライを呼び出したんだった」


「何の要件?久々に会って雑談に呼んだんだと思ってた」


「そんなわけないでしょ。実は私そろそろ王の座を降りようと思っててね。他にパーダス家で王になれる天使なんていないから。トライ、貴方、王座を継承しなさい」


は?待て待て待て待て急すぎる。そんなことできるわけないだろう。どうしたんだ?急にとち狂ったのか?


「え?やれるわけないだろ?何を言ってるんだよ。そもそもパーダス家じゃないとダメなのか?俺は間違いなく適任じゃない」


「いーや、適任よ。だって私と同じ家系なのよ?大丈夫。私も手伝うから!この国には私じゃなくてトライ。あなたが必要なのよ」


「無理だよ。僕じゃ。弱いし、人としてもイマリみたいに強くない」


イマリが言っていることをいまいち咀嚼できずに、頭を整理している時にそれは突然起きた。間違いなく俺の人生を狂わせた出来事であった。


イマリ王!!!結界が破られました!!!

数体の悪魔がこちらに侵入してきます!!


俺たちはいわゆる"平和ボケ"をしていた。

そしてこの世界の厳しさに打ちのめされることになる。



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