15.非・生半可革命
ジャルンピークは大きい声で笑った。
はっはっはー兄貴がオメーみたいな雑魚に殺されるわけがないだろ!!!
ジャルンピークが泥帝に飛びかかろうとする。
ディアトロは止めなかった。裏切り者の自分がやめろと言ったところで意味がないと考えたからだ。
静まれい。ジャルン!
後ろから声がする。
ピリオドであった。
ピリオド様!ここは危険なのですよ!
ジャルンピークが叫ぶ。
お前ではこやつに敵わない。
朕の力を使わなければ。
ピリオドが言う。その瞬間ピリオドは目を閉じ、その場に座り込み、禅を組む。そしてゴニョゴニョと何かをぶつぶつと話し出す。
なんだ‥これ。
ジャルンピークは驚いた。自分の力やエネルギーなどが大幅に増幅していく。その増幅は増幅前の約5倍。
それを感じた泥帝の顔がだんだんと青ざめていく。彼は無意識にマルコとジャルンピークを重ね合わせていた。普通、こうなると恐怖で足がすくんでしまうだろう。しかし、泥帝は違った。彼は恐怖どころか怒りを覚えてた。このメンタルこそが泥帝の強さの秘訣であった。
イマリ!こっちに来い!
ジャルンピークが叫ぶ。そしてとてつもない量のエネルギーをイマリに送る。
これでピリオド様を守れ。俺らが勝つか負けるかはピリオド様の能力にかかっている。急げ!
イマリは頷き、王の隣に寄る。
騒ぎを聞きつけた色を持たない戦闘系の兵士がたくさん戦場に現れる。
足手纏いになるかもしれないが、いないよりいた方がマシだろ!王のバフがあれば知能がない悪魔くらいなら俺らだって倒せる!
兵士たちが雄叫びを上げながら言う。
ここさよならの渓谷は大戦場と化した。悪魔と天使。天魔戦争である。
クザロ!どうする?
強くなったジャルンピークたちを見て、モロトモが慌ててクザロに聞く。
お前では太刀打ちできない。俺が王の隣にいる女型の天使をやる。お前は周りの兵を一人で多く削れ。これは王様ゲームだ。相手の王がやられたら俺らの勝ち。やっとここまで来たんだ。最後までやり切るぞモロトモ。
クザロが言う。
悪魔たちよ!進軍せよ!!
クザロの叫びにより、戦争が開戦した。
泥帝がジャルンピークを殴る。それを手で止め、もう片方の手で脇辺りを掴み、泥帝の右腕に大量のエネルギーを送り破裂させる。
脇を掴むことにより、そこでエネルギーをせき止め、体まで行くのを阻止したため、右腕は大量のエネルギーに耐えれず弾け飛んだという原理である。
泥帝が叫ぶ。しかし泥帝はマルコとの戦いで進化していた。体を一回り小さくする代わりに腕を作り出す。
腕を作り出していることを目視するためジャルンピークが気を許した一瞬の隙に泥帝が右足で
ジャルンピークの顔を蹴る。
しかし、ジャルンピークはびくともせず冷静に右足を掴み、エネルギーを送り弾け飛ばす。
悶絶しつつ、少し下がり、泥帝は右足を作り直し、また一回り小さくなっていた。
このまま続けたらアリさんくらい小さくなっちゃうよ?まあそれまで僕は付き合ってあげるけどね。
ジャルンピークが言う。
今でも確信している。お前じゃ兄貴は倒せない。仲間の助けを使ったのか知らないが、貴様みたいな私利私欲で動く泥団子なんかにうちの兄貴は殺されない!
もし0.01%の可能性に便乗でき、本当にうちの兄貴を殺したならば、俺が言うことを耳の穴かっぽじってきけ!
この世の全ての絶望を合わせても足りないほど、この世の憎しみを見せてやる。貴様に永遠に終わることのない苦しみを!!
そう吐き捨てるとすぐさま泥帝の顔を蹴り飛ばす。泥帝は再生することしかできなかった。
二人の実力差は顕著に離れていた。
一方、騒がしい戦場で冷静にクザロとイマリが話をしていた。
あなた?悪魔のボス?
イマリが尋ねる。
この軍隊のボスさ。誰が戦場にボスを連れ込むんだい?
イマリの質問に対し、クザロは丁寧に答えた。
君んとこのボス相当やばいね。人数制限なしかつ範囲内の味方の能力を数倍上げる。こりゃ補助系最強だね。数倍強くなられちゃきっと君と戦っても僕負けるね。
クザロがピリオドを褒め称える。
ならやめる?私だって仲間が何人も死んで殺し合いなんてしたくないもの。
イマリが言う。
うーん。その提案にはのらない。僕たちだって変化を求めてここに革命を起こしに来たんだ。決して生半可な革命ではないのだよ。
そういうと、クザロが腰にかけている剣をもち、左足を後ろにし、構える。
そう。残念。
イマリもそういうとムチを構えクザロの様子を伺う。
クザロは目を閉じて精神を落ち着かせる。
等活:足疾突
そうぼそっと言うとクザロは、目にも止まらぬ速さでイマリを突く。それをなんとかムチで払いのける。
(なんていうスピード。ピリオド様のご加護があってなお危なかった。私が奇跡的にこいつの技をかわせたのはピリオド様のおかげ)
イマリは固唾を飲む。
お見事。やはりこの程度ではかわされてしまうか。これは本格的にマズイですね。
クザロが言う。しかしイマリは気づいていた。本当にマズイのは自分自身。八人の色の中でも1番弱いイマリは5倍のバフを受けても、クザロに押されている自分が情けなく感じた。




