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Repeat  作者: 嵐 けだもの
伝承編
13/26

13.不撓不屈の花火

こんなこと言うのはおかしいけど、僕より強くてありがとう。


優しい顔でマルコが泥帝にいう。


何を言ってるんだマルコ。お前より強いはずはない!絶対倒してくれ!


ディアトロが叫ぶ。その瞬間体の力が抜けたようにその場に座り込む。


…お前が勝てなかったら一体誰がこいつを止めるんだよ


ディアトロは悔しかった。自分がずっと足手纏いなところ、そして天使が悪魔に勝てないという事実がディアトロを苦しめた。

マルコはそんなディアトロを気にも止めずに話を続けた。


だが僕は孤高の天使。誰よりも強くなければいけない。君を超えてね。分かるかな?あんま分かんないよね


マルコが泥帝の様子を伺う。


ワカラン。ハヤクオマエヲクワセロ。


泥帝が怖い顔で言う。


ふふ。君面白いね。はあ、あの龍使いの悪魔に言った絶対の約束は守れそうにないなあ。参った参った。


マルコが笑いながら言う。


ディアトロ。僕から離れて。死ぬよ。君は死なないでくれ。



気づけばマルコの顔はまた怖くなっていた。

急いでディアトロが離れる。

少し遠くからディアトロは2人を見ていた。

そして驚愕した。マルコの周りの植物がとてつもない勢いで枯れ始めた。


ダメだ!マルコ!エネルギーを吐け!


生物はどれだけ弱い個体でも魂には信じられないほどのエネルギーを含んでいる。マルコは周りの植物の膨大な魂のエネルギーを吸い取り、重度のエネルギー過多になっていた。普通の天使ならとっくに死んでいるレベルだ。


マルコ!マルコ!聞こえないのか!


ディアトロが叫び続ける。しかし、マルコには聞こえていなかった。それはなぜかすぐにわかった。マルコの耳から大量のエネルギーが噴き上がる。鼓膜が引きちぎれていたのだ。ディアトロはそれを見て理解した。マルコはこの戦いで死ぬつもりだ。


ダメだ!マルコ!置いていかないでくれ!


ディアトロはさっきより大きい声で叫ぶ。

マルコの目からもエネルギーが噴き上がる。

最早、天使ではなくエネルギーの塊とマルコは化していた。エネルギーの塊として泥帝を襲う。

この世のものとは思えないスピードで泥帝の腹をめがけて蹴る。しかし泥帝も異次元の反射神経を魅せる。とてつもない速さでかわすが、右手に当たる。途端右手が飛んでいく。

泥帝は悲鳴をあげる。この時初めて泥帝を恐怖が襲う。自分より強いものに理不尽に苦しみを与えられる恐怖に。

すぐさま体勢を直す泥帝にマルコは容赦なかった。凄まじいスピードで泥帝の右足を蹴り飛ばし、泥帝の右足ももげる。

泥帝は痛みで動けなくなった。泣き叫ぶことしかできなくなった。


もう相手は致命傷だ!!頼む!!マルコ!!

戻ってきてくれえええ!!!


ディアトロは大粒の涙を流した。

しかしマルコは止まらない。マルコの限界も近かった。ほとんど動く屍であったため、いつふらっと倒れてもおかしくなった。

マルコが泥帝の心臓目掛けて手刀を構えた瞬間であった。

遠くから巨大な龍が現れマルコを咥え天高く舞っていく。

天空50m地点で巨大なエネルギーの塊の屍と化したマルコは限界を迎え、莫大なエネルギーの塊はマルコの体を内部から木っ端微塵に弾け飛ばし、花火のように綺麗に空を色付けた。


…え?


突然の出来事だったため、ディアトロは理解が追い付かず放心状態であった。


(マルコが死んだ。あの悪魔まだ生きてる。なんだあの龍。死にたくない)


様々な感情がディアトロの胸に突き刺さる。


なんとか間に合ったか!よくやったモロトモ!

泥帝様を急いで安全な所へ!急げ!


言葉を完璧に話す赤色の悪魔を含めたくさんの悪魔が来た。

クザロとモロトモの軍であった。モロトモは巨龍を出したため疲れ切っている。


(あいつレベルではないが、とてつもない強さの悪魔が数十体。俺がやっとの思いで倒せるのは1体か0体)


ディアトロはこの世界に絶望した。この世界は不平等だ。強いものが正義であり、そいつが全て正しい。そう体の芯から実感した。

涙を流しながら下を向いた瞬間、首元に剣を添えられた。とてつもない速さだ。リーダーずらしていた赤色の悪魔。クザロであった。


貴様。そこで何をしている。


クザロが聞く。


‥何も


ディアトロが答える。


貴様は我らの敵か?味方か?どちらだ。


ディアトロは口を開かなかった。

すると今度はクザロが視線を下げて言う。


あまり舐めた口を聞くな。自身の身を弁えろ


依然下を向いたディアトロは口を開く


俺は…


その瞬間ディアトロの頭には色々な思いが走馬灯のように流れた。


マルコと初めて会っていきなり喧嘩した日

マルコが色を与えられ羨ましく思った日

やっとの思いで色を与えられ、マルコやほかの色に褒められた日

どれも大切なマルコとの思い出であった。


俺は‥俺は!!!


声が大きく荒くなる。そして顔をあげクザロの顔を見る。

赤いのに酷く冷たい顔。この世の憎悪の根源のような邪悪さ。理不尽極まりない泥帝に引きを取らない強さ。


ディアトロは唾を飲み答える。


悪魔の仲間です


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