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第2話

今日は、少し暑かった。

カタカタカタカタ......

外で何かが、動いている。

生臭い、鼻が曲がる様な悪臭が近づいてくる。

またか、

彼女は立ち上がりドアを開けた。

薄暗い中に、大きな毛むくじゃらの大蜘蛛がいた。

2メートルはある、大蜘蛛はあちこちから体液が滲み出ていた。

スフゥー スフゥー

と呼吸をする音が響いている。

彼女はなんのためらいも見せず、手を伸ばした。

「おいで、誰にやられた?」

彼女は大蜘蛛に近づき、傷に触れた。

悪臭が強くなる。

大蜘蛛の息使いが荒くなった。

その時、

少し彼女のまわりが光り出した。

優しく包み込むような光。

それは、夜空に浮かぶ月のようだった。

彼女が触れた傷はもう跡形も無くなくなっていた。


大蜘蛛におっかかって、彼女は空を見ていた。

「今日は、月が出ていない。そろそろ、痛みも取れた?」

『あぁ、助かった。悪かったな。』

大蜘蛛は、低く綺麗な声をしていた。

「別に、今度元気なときにまた。。」

大蜘蛛は何か考えたようにして黙って立ち上がった。

辺りはもう、暗く空気は澄んでいた。

大きな体と人間より多い足を器用に使い、

静かにその場を離れていく。

なんの音も出さず、その場から見えなくなった。


彼女も静かに立ち上がった。

空を見上げた。

「今日は帰って」

彼女は、上を見上げたまま言った。

優しく、少し強い声だった。

彼女の後ろに黒髪の少年が立っていた。 

「今日は来客がある」

彼女は後ろをふり返った。

朔夜さくやか。。。。」

黒髪の少年は静かに言った。

「それに、琉樹りゅうきだって、今日は呼ばれてるはずだよ」

彼女は、静かに少年は見た。

「俺はいいんだよ。ここにいる」

少年は、空を見上げた。

「琉樹がよくても、朔夜が嫌なんだよ」

少年はしばらく何も言わなかった。


今日は、空に月が出ていない。

なんの音もしない静かな夜。

黒髪の少年と、少女はそれから数分そこにいた。

しばらくすると、少年は立ち去っていったという。


残された少女は、静かにそこに座った。


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