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Hrwad  作者: シフェアル
プロローグ
2/25

No.2

二〇一七年 十二月三日 岐阜


この日、日本では新作ゲーム『Crayuky(シラユキ)』が発売された

Crayukyではチーム順位があり、最強チームである"AAK(アーク)"は常に一位を取っていた

AAKのメンバーはライス、トルテ、ハクリエ、シフェアル、イチドクの五人。いずれも高校一年の女子だ

AAKでは今日もVC(ボイスチャット)で会話をしていた

「敵 塔上 トルテフォーカス」

イチドクはそう報告した

意味は敵が塔の上におり、トルテが狙われているというもの

このゲームは銃を使用して戦う五対五のFPSゲームだ

「分かりました。物陰から裏取りします」

トルテは返した

裏取りとは敵の背後に回り込むという意味

トルテは物陰に隠れつつ敵の裏を取りに行く

「中心でヘイトを集めておくな」

シフェアルはそう言うと中心に向かい、敵の恰好の的となった

シフェアルは全ての敵から撃たれている

ヘイトとは相手の攻撃意識だ

裏取りは敵にバレてはいけない為、トルテが敵の後ろに向かうまでの間シフェアルが敵からのヘイトを取っている

「ハクリエ援護 トルテに合わせ ライスシフェアル交代 私塔上」

イチドクは難しい指示を出す

だが、ゲーマーにはこの意味が分かる

裏取りしたトルテが銃を撃つタイミングでハクリエも撃って 狙う敵はトルテと同じ敵

シフェアルは体力が少なくなったからライスと場所交代

私は厄介な塔上の敵を倒しに行く

ゲームには短く正確な指示が求められる

これは司令塔にとって必要不可欠な能力だ

トルテは物陰に隠れている敵の背中を撃つ

敵は直様逃げるが、逃げた先にハクリエがおり撃破

体力の少ないシフェアルは一旦下がり回復、その間にライスは中心へと行き、一人の敵を撃ち撃破

中心のライスに気を取られている敵は、背後から忍び寄るイチドクに気づけず、先手を取られ撃破

ここで敵は三人の仲間を失い、人数的な不利

同じ数同士でのゲームにおける人数不利は、とても大きいものであり、敵はその後為す術なく全滅

「余裕だな!」

ライスはコントローラーを置いた

「おつかれ〜」

ハクリエもマウスから手を離す


そんなゲーマー達の日々は続き

月日は一年流れた

Crayuky(シラユキ)は人気低迷によりサ(しゅう)した

サ終とはサービス終了の略だ

ちなみにAAKメンバーは互いに顔も知らない、ネット上だけでの関係。珍しい話だが、互いにSNSすらやっておらず、Crayukyしかやっていない引きこもりゲーマーだ

しかし会う手段が一つあった

それはサ終前、全員に送られてきた手紙

差出人不明の手紙であり、内容はこうだ


───

拝啓トルテ様へ

二〇一九年 七月十二日より、無人島にてパーティーを開催致します

こちらは招待状となりまして、招待状一枚につき三名の参加が認められております


無人島に向かう船のある港はこちら


───


その下にはマップが載っており、拝啓の違いだけで五人全員に同じ手紙が届いていた

サ終前に全員で行くことを決めていたAAKは、二〇一九年のその時を待つ

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