終に
そしてヒサナキツルギの二人は去っていった
その後を追うようにハヅキも去っていく
「おいおい、待て待て待て」
三人を追うナゾマト
イチドクは言った
「んで……シフェアルはなぜ檻に!?」
イチドクは鉄格子に強く手を掛ける
「シフェアルー!!」
「イチドクさん? 私はなぜここに……」
「一度殺されたシフェアルは生き返ったんだよ! 色々あって」
シフェアルは目を見開いた
「そうでした。私はルシファーに殺されたはず……」
─イチドク─
この付属品の檻は嫌がらせか?
「今開けるからな!」
イチドクは鉄格子を何度も強く叩く
シフェアルは腰にナイフが掛けてあることに気づく
─シフェアル─
私のナイフが二本……
これなら
「イチドクさん、離れてて下さい」
「お、おう」イチドクは下がる
シフェアルは鉄格子を切った
イチドクは目を疑った
「まじか!! シフェアル天才」
「それよりここから逃げましょう。あれを」
シフェアルが指差す方を一同が見ると、下から水が更に上がってきていた
猫は泣いていた
イチドクは猫の方を向く
「猫……お前、まさか……」
猫は人へと変わった
「その通り、私はライスだ」
イチドクは驚いた
「えっ!? そうだったの?」
「逆に何だと思ったんだ?」
とライスも驚いた
「いや、てっきり"あの猫は妖怪"なのだと」
「お、おう。まあ、積もる話もあるが話は後。今はここから上に逃げるぞ」
─ライス─
となると、シフェアルの檻は時間稼ぎの為か?
地上へと迫りくる水から逃げる
そして地上へと到着した一同
「ったく、なんだったんだ? あの水」
イチドクは両手を膝に息を切らす
「サカツキが仕掛けたのか?」
レイトはそう言う
一方ナゾマトはサカツキ、ルシファー、ハヅキに追いつき
ここは車道だ
車が沢山通る中を遮る四人
車は全員止まっているが、クラクションは鳴らない
相手がサカツキとルシファーだからだ
「サカツキ……ルシファー……」
三人は振り向く
「私に何用や?」
サカツキは聞いた
ナゾマトは仮面を取った
仮面の向こうにいたのは
「レクイエム……」サカツキはそう呟く
「生きてたのか」
ルシファーはそう言った
「我が名はレクイエム! 長く要したが、帰ったぞ」
サカツキは言った
「しかしレクイエム……。お前にさ、私たちの上に立つ権利と力はもうないぜ? 少し遅かったなあ」
とサカツキは笑う
「そうか……。今はお前たちが世界の頂点なんだよな……。世代交代って恐ろしいな……」
「やろ? でもな、世代交代はこれで最後。私たちの世代からは交代なんて存在しない」
レクイエムは仮面を再び付ける
「えっと……エングランとエスタにも俺のことを宜しく伝えてくれ」
「エングランにも? あいつめんどいからなあ」
「頼むからな。サカツキ、ルシファー」
「考えとく」
ルシファーはそう返す
サカツキとルシファーは去っていく
ハヅキはなんの話か分からず終いだった
そして地面が揺れ始める
「なんだ?」
イチドクは呟く
下からアカツキがロケットで全てを突き破ってきた
「到着したぞ」
「ほんまアカツキちゃんの能力心臓に悪いわあ」
ハクリエはそう言う
「で、でも助かりました!」
トルテはそう安心していた
ハクリエはイチドクたちの方を見た……
「シフちゃん!?」
シフちゃんとはシフェアルのことだ
「ハクリエさん。久しぶりです」
ハクリエは腰を抜かす
「あなたは……あの時死んだ……」
トルテも驚いていた
トルテは気絶し背中から倒れる
「トルテ!?」心配するイチドク
それから話は変わり
アカツキは聞いた
「これからどうする?」
「俺は別行動だ」レイトはそう言う
「それは……なんか理由でもあるんか?」
ハクリエは聞いた
「ああ。姉ちゃんたちに合流したいってのが理由だ」
「なるほど、納得や」
「では俺も」セカンドはそう言うと影へ潜っていった
「ファーストを探しに行く。それと、俺はファーストに着いていくと決めてるからな」
「おー、ばいばい」ライスはそう手を振る
カゲヌマセカンドは探しに向かった
レイトは言った
「じゃあ俺もここで。長い旅だったが、AKKもアカツキもありがとな。楽しかった」
「おおきに」ハクリエはそう返した
「またどこかでな!」
ライスはそう別れを言う
その後レイトもヒカリノたちを探しに向かい
「うちらAAKだけになってしもうたな」
ハクリエは悲しそうに呟いた
「あれ? 私AAKじゃないからな?」
アカツキは少し動揺した
「ジョークやジョーク」
「さいですか」
「アカツキはどうするんや?」
「私はここまでです。今回は恩返しという意味で協力しましたが、本来戦闘とかも苦手ですし」
「で、ですがアカツキさんかっこよかったですよ! 勿論強かったですし」
「トルテ!」
止めようとするトルテにライスは強く言った
「えっ……」
「これは遊びじゃない。命掛けた殺し合いだ。無理に誘うのは違うと……私は思う」
「……で、ですよね……。すいませんでした」
そしてアカツキはライスの方を見て
「じゃあ私は行かせてもらう」
「おう」
アカツキはトルテの方を向いた
「次に会うときは記憶戻ってるといいな」
「は、はい」トルテは笑顔になった
「じゃあ……。発射」
アカツキは空へ飛んでいく
「みんな……いなくなってしまいましたね」
トルテはそう呟く
ライスも「そうだな」と頷く
「んで、ライスに聞くが、あの猫はなんだったんだ?」
ライスは思い出したように話し始める
「そうそう、私が別れたあと何をしてたか。山奥でナゾマトってやつに出会って、話してるうちに仲良くなって……えっと……脳改造の注射を貰えたってわけだ」
─イチドク─
ざっくりと話しやがって
「んで、なぜ正体を隠してた?」
「ほら……少し別行動するみたいに言って、すぐ戻ったら気まずいだろ? それに猫の能力気に入ってるし」
イチドクは溜息を付く
「ったく、思い返せばあの猫ライスそのものじゃねえか」
「だろっ? はっはっはっは」
ライスは声を荒げて笑う
イチドクも小さく笑った
微笑むハクリエとトルテ
シフェアルは相変わらず無表情だ




