地へ
そして地下への入り口へ到着した
時は少し遡る
ファーストは説明を始めた
「マップのここと、ここと、ここ。私の知る限り、この三箇所に地下への入り口がある。上の入り口を北と名付け、ここからは私が。左の入り口を西と名付け、そこからはセカンド、イチドク、レイトが。残りの三人は右の入り口……東から向かってくれ」
「それをすることのメリットは?」
レイトは聞いた
「一方から全員で向かった場合、相手の総戦力が来てしまう。流石に量で負けてしまう。つまり、敵戦力の分散……あとは混乱を招くことが目的」
「なるほどな……」
「うちは異論ないで」
ハクリエはそう言った
そして今に至る
全員連絡先を交換し、互いに通話で繋がってる
「さて、何か変わった所とかない?」
ファーストは聞いた
三視点共、地下への階段を下っているだけ
真っ暗な地下階段をランプが照らし明るくなっている
「あるとすれば仮面のやつに付けられとることや」
ハクリエは横目に後ろを見つつそう返した
「ちなみにだが、敵は全員倒す方針で行くのか?」
アカツキが聞いたが、返答は無かった
ハクリエはスマホを確認した
「通話が終わっとる……ってここ圏外や」
「通話できないんですか?」
トルテの質問に「せや」と答えたハクリエ
そして全員圏外ということに気づいた
圏外であろうと一同は進む
アカツキ、ハクリエ、トルテはついに地下一階へと到着した
そこには洞窟があった
分かれ道などもあり、複雑だ
ハクリエたちが歩いていると
「止まれ……止まるんだ、愚か者共」
「なんやこの声」
ハクリエは首を傾げた
ハクリエたちの前に現れたのは浮遊した男だ
「俺様は最強の男 ストー様だ」
「モブみたいなセリフを淡々と」
アカツキがそう言うと男は固まった
「モブ……この俺が? ノーノーノー 俺様は最強の男ストー様だぜ?」
ハクリエは銃を構えた
「えっ……?!」
そして銃を撃った
「ぐはっ……」
ストーは頭から血を出し倒れた
「それは……?」アカツキは聞いた
「これは爪楊枝の銃や。うちは爪楊枝好きやしな」
「そ、そうか」
一方セカンド、イチドク、トルテも洞窟へと到着していた
進んでいると女が現れた
「我が名は第一幹部のクラスだ」
「ちょ、いきなり幹部って」
イチドクは少し動揺した
「世間ではサカツキ? とか言うガキが私が最強だとほざいてるが、あれは嘘だ。真の最強は我が能力」
「シャドーシャドー」
セカンドは陰の中へと消えた
洞窟は全て陰故に、セカンドが有利なのは明白
セカンドはクラスの後ろから出、殴ろうとした
しかし首を少し動かし躱される
その後も殴る蹴るを繰り返したが、全て躱された
セカンドはイチドクたちの元に戻る
「まるで動きが読まれてるみたいだ」
「くくく……はっはっはっはっは」
クラスは大きく笑った
「我は一分前まで記憶を保持したまま戻れる。つまり、我が力はサカツキだろうがラスイングだろうが負けない」
─イチドク─
えっ……私と同じ能力!?
しかも完全に上位互換だし
「ブラックショット」
レイトは炎の銃を撃った
弾は洞窟を燃やした
「ほう、まあいいさ。っ……熱いな」
─レイト─
やはりな
打撃斬撃は過去に戻れば躱せる
しかし、炎の地からは逃れられない
「ったく、巻き戻し!!」
レイトは銃を取り出した
クラスは全力で逃げた
「逃げただと!? ブラックショットで逃げ場を失うと分かってたからか」
─イチドク─
待てよ……
レイトがブラックショットを撃ったとしても、銃を取り出したすぐ……
そう考えるなら三十秒くらいしか戻れてない?
考えられる線は二つ
一つは三十秒調整して戻した
この場合なら、戻す時間を決めれることになる
もう一つは三十秒までしか戻れない
なら一分というのはブラフになる
いずれにせよ厄介な能力だ……
「追うか?」
レイトは聞いた
「我が追う」
と言い後ろから歩いてきたのは仮面の人間
そして肩には猫を乗せていた
「お前はストーカー!!」
イチドクは驚いた
「それでは」
と言い仮面の人は瞬間移動のような早さでクラスを追った
「ぐああああ」
クラスの悲鳴が聞こえた
そして仮面の男は帰ってきた
声からして男と確信した一同
「んで、お前は何者だ?」
レイトは聞いた
「我が名はナゾマト。にして、主らが噂のAKKか」
「悪いがAKKは私だけだ」
イチドクはそう返す
「なるほど。んで、我はコネクトの第八幹部」
「ほう、んで、その幹部が何故に仲間を?」
レイトは聞いた
「理由は二つ。一つは利害が一致している、もう一つは……今は言えぬな」
「利害……コネクトか。まあ今の幹部殺しで信頼は得れた。仮に信じ込ませるのが作戦だとしても、過去に戻れる能力者を殺してまで信じ込ませたりはしないだろうしな」
「信じてもらえて助かる」
「にゃあ」と猫は鳴いた
「さて、我が能力は……タイムアップ」
「タイムアップ?」
イチドクは聞き返した
「そうだ。これは周りの速度を〇点五倍速にする。つまり、お前らの目から見たら我が二倍に動いているだけ」
「なるほどな……」
イチドクは頷き
「これじゃ私だけが卑怯者になるな」
イチドクは話し始めた
「私の能力は時を十秒だけ戻せる。さっきのクラス? ってやつの下位互換だ」
「能力使えたのか……」
レイトは驚いた
「黙っててご……ごめん」
「まあいいが」
ナゾマトは言った
「今は下位互換だな。しかし、能力は使えば強くなる。どこまで行けるかは知らないが、理論上は生まれた頃に戻ることも可能だ」
「マジかっ……って、それ以前には戻れないのか?」
「無理だ。一つ、保持できるのは記憶だけであり、体は退化していく。つまり、生まれた以前までは不可能だ」
ナゾマトは猫の顎を撫でた
ナゾマトは猫に思い切り手を噛まれた
─ナゾマト─
この猫ムカつくわ
後で覚えとけよ
「仲間が増えたなら好都合。早く先へ行くぞ」
アカツキはそう言い歩きはじめる
続いて全員歩きはじめ
そしてヒサナキツルギ本部では
黒服でガタイのいい男が来ていた
ここはサカツキの部屋
部屋にはルシファー、エスタ、エングランもいた
サカツキは聞いた
「んで、クローズんとこの上層部が何用や?」
「まあ変な雑談は不要ですので、早速本題を。ヒサナキツルギとクローズで同盟を組みたいなと思いまして」
サカツキの口は笑っていた
「それによるメリットが見当たらないな。既に私たちが能力社会の頂点にいる。お前らが挑んでこようと負けはしない」
上層部は答えた
「その通り、私たちは負けるでしょう。しかし、こちらは巨大兵器『デスラス』を数千台用意しています。そして瞬間移動に影移動 あなたの苦手とする能力も揃っています。つまり、争えば互いに死人が出る」
上層部は笑った
「そしてもう一つ。私たちの目的は能力社会を制することではありません」
サカツキは聞いた
「世界征服か?」
「左様」
サカツキは「どうする?」と聞いた
エスタは答えた
「気に入った子は先に保護させて下さいよ? それだけが私の条件です」
そしてルシファーも答えた
「じゃあツクヨミを僕にくれ。あの美貌ならば僕に相応しい」
エングランは悩んでいた
「降伏したやつだけは殺さない。降伏したら逆らえる術を全て奪った上で、命は取らない」
上層部は悩んだ
「巨大兵器は巨大ですよ? 人を選んで殺せるほど器用じゃありません」
エングランは再び悩む
サカツキは言った
「そうなると、せっかく増やした能力者たちが厄介だね。能力を消すことは不可能。とんだ皮肉だ」
エングランは条件を出した
「ならこうだ。日本以外を征服した後に、日本を狙う。つまり考える時間をくれってことだ」
「いいでしょう。では、私たちが征服をしてる間、エスタさんは先程の条件を、エングランさんは考え、ルシファーさんの件に関してはツクヨミ様に話しておきます」
サカツキは言った
「私はまだ条件を提示してないぞ」
「ではどうぞ」
サカツキは「んふふふ」と笑った
「クローズの戦力をヒサナキツルギによこせ」
上層部は悩んだ
「っ……分かりました。では、そちらも話しておきます」
「あーあと、」サカツキは目を細めた
「少しでも裏切ってみろ? その時は消すからな」




