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Hrwad  作者: シフェアル
2章
12/25

城へ

「……切れちゃった」

トルテは受話器を置き、ベッドへと座る

「私の名前は……」


─トルテ─

自分の名前すら忘れちゃった

今さっき覚えたばかりの名前……タルト……たったっけ?

後で夕食を買いに行った……あの人に聞いてみよ


レイトの名前すら思い出せないトルテ

そして時は経ち

レイトは帰ってきた

「夕食買ってきたぞ」

「あ、ありがとうございます」

そしてビニール袋の中には納豆巻が四つ入っていた

「好きなだけ食え」

「納豆巻……ですね」

「ああ。これめちゃくちゃ美味いんだが、分かるか?」

トルテは納豆巻の味すら覚えていない

「い、いえ……」

「そうか。まあ食べろ食べろ。美味いから」

「は、はい」

そしてトルテとレイトは納豆巻を食べ始める

「あの……名前は……」

「あ? ああ、名乗ってなかった。俺はレイトだ」

「よろしくお願いします レイトさん……。その、私の名前は」

「トルテだ」

「ありがとうございます! さっき電話が掛かってきましたよ」

レイトは目を細める

「出たのか?」

「はい……その、相手の方はたぶん男性で、えっと……めちゃくちゃ敬語でした」

レイトはシラユキに言われたことを思い出す


─レイト─

確かクローズの上層部ってやつら……

シラユキは敬語で話す、男九人 女一人の集団って……

まさかな


そんな時だった

インターホンが鳴った

「俺が出てくる」と言いレイトは階段を上がる

そして扉を開いた

「どちら様で?」

「宅急便だ。ここに印鑑を押してくれ」


─レイト─

シラユキの頼んだやつか?

受け取っといてやるか


「分かった。少し待っててくれ」

レイトはそう言い印鑑を探す

「おいおい、どこだよシラユキの印鑑……」

探すこと三十分


─レイト─

結局見つからなかった……

流石にもう帰っちゃったよな


レイトは入口に戻る

さすると宅急便の女はまだいた

「めちゃく待たせたが、無かった」

「そうか。ちなみに表札を見たが、シラユキというのはあの伝説の?」

「知ってるのか? ……まあ本人は不在だがな」

「そうですか……」と言い女は続けて言葉を放つ

「それでは私はこれで」

と帰ろうとした時

地下からトルテが上がってきた

「遅いですけど、どうしたんですか?」

宅急便の女は振り向く

「あれ? あの時の」

なんの女はアカツキだった

「えっと……すいませんが分かりません」

「そうか。ほら、ロケットの」

「ロケット?」トルテは首を傾げる

「岩手本部を壊した」

「……えっと……」

レイトは言った

「すまないが、こいつは記憶喪失でな。トルテの知り合いか?」

「まあ一緒に逃げた仲というか……だな」

「そうか……」

そして会話は少し続かず

「あの……その岩手本部? を壊した話聞かせてもらえませんか? 何か思い出すかもしれませんし」

「ああ、構わない。そっちの君も、いいよな?」

「俺は構わない」


そしてリビングに座る三人

アカツキは岩手本部での脱獄劇を全て話した

「っ……」

頭を抱えるトルテ

「大丈夫か?」アカツキは心配した

「うぐっ……だ、大丈夫です。何かを思い出したような気がして」

レイトは驚いていた

「にしても警察本部から脱獄したなんてな……。とんでもねえ」


その日はアカツキも泊まりで眠りに就いた

深夜のことだ

扉は開き何者かが家へ入ってきた

「本当にこの家にトルテさんがいるのか……」

大きくなってくる足音

地下で寝ている三人

そして地下研究所まで到着した

「ここは……」ライトを持っている少女

少女はライトでトルテを照らす

「発見」と言いトルテを担ぐ

そして部屋を去ろうとした瞬間

「どこへ行くつもりだ?」

レイトは銃を構えた

そしてリモコンで照明をつけ

少女の姿がハッキリとした

「お前は……」

そこにいたのはエスタだ

レイトは銃を撃った

「ブラックショット」

炎の弾ブラックショットだ

エスタは軽く躱し、階段を一階のジャンプで登り切る

「くそっ」レイトはエスタを追った

階段を上がり、庭へと出たが……既に誰の姿も無かった

「もっと早く体が動いていれば……。なぜ動かなかった」

アカツキも後を追ってきていた

「何かあったのか?」

「トルテが……ヒサナキツルギに攫われた」

「なんだと!?」


そしてヒサナキツルギの城(本部)では

ここにはAAK(アーク)メンバー、ヒメアなどを含む多くの人が集められていた

「食事の時間だよ」

と言うのはルシファーだ

ルシファーは美味しそうなご飯を人数分用意していた

「分かってるとは思うが、これは食べるなよ」

イチドクはそう忠告した

「もちろん。こんな毒は馬鹿しか食わねえな」

自信満々のライス

他にハクリエ、シフェアルも勿論いる

そこに加え、トルテも今、この部屋へと入れられた

黒いパジャマのような服を着せられており、壁や床は白一色

研究所のように見える

多くの人がご飯を食べている

まるで猛獣のように

ハクリエは言った

「これは……ヤバい薬なんやろ?」

「たぶんな」イチドクはそう答えた

「あれトルテじゃないか?」

ライスは部屋の隅にいるトルテに気づいた

「ほんまや! トルテちゃんや!」

そして一同はトルテの方へ向かう

「トルテ!」

ライスはトルテの前でしゃがむ

しかしトルテは寝ていた

「無事で良かった……」

「ほんまやな」

「トルテ……」とイチドクも呟く

この部屋はガラスに囲われており、ガラス越しにエスタは部屋を見ていた

そしてエスタは部屋へと入り歩く

「エスタちゃん、もっとご飯くれよ」

「あれがねえと……早くもっと」

そうエスタに寄りかかる男達をエスタは全員蹴り飛ばす

エスタはライス達の元へ

「ご飯は食べなくてもいいんですか?」

と聞くエスタ

「おいおい、なんの冗談だ?」

イチドクは問う

「冗談ですか……。まあいいです。にしても無様ですね」

四人はエスタを睨み、ライスは聞いた

「もしかしてそれを言いに来ただけってことはないよな?」

「勿論です。こちらへ来て下さい」

と言いエスタは歩き出す

「行くか?」ライスは聞いた

「行っても行かんくても変わらんやろ」

ハクリエはエスタに着いていく

「ったく」とイチドクも着いていく

ライスとシフェアルも続いた

そして部屋を出、鉄の扉を開けた

「入ってください」

四人は言われた通り入る

エスタもその後ろから入り、扉を閉めた

そしてエスタは話し始めた

「あなた達四人をここに呼んだのは理由があるからです」

「理由?」ライスは聞き返す

「エングランの部屋から盗み出して欲しいものがあります」

ライスは少し考えた

「そうか……。それは私達にメリットがないと思うんだが? それに、これはお前の裏切り行為……じゃないのか?」

「裏切りですか。そこがどうなるのかは私にも分かりませんが、メリットはありません」

「取り引き言うのは両者のメリットの上」

ハクリエの話を横切ったのはイチドクだ

「待て……もしかして……」

「気づきましたか。こちらは人質が取れます。もう分かりますね?」

「なるほどな……」とライスも納得だった

「持ち手が金色の木の箱です。それを取ってきた場合、全員の開放を約束しましょう」

「どうする?」とイチドクは聞いた

ライスは笑って答えた

「もう選択肢は一つじゃないか? それを取ってきたら本当に開放してくれるんだな?」

「約束は守ります。どっかのサイコピンクと違って」

「サイコピンク……サカツキのこと?」

ハクリエは呟いた

「それでは頼みましたよ。期限は明日の十二時まで。場所はこの部屋で、何か必要な物があったら何でも言ってください」

そしてエスタは一枚の紙

そして四人が元々持っていた武器を落とし

「あと、絶対に箱を開けてはなりませんよ。開けたら……分かってますね?」

と言い部屋を出ていった

「なんだこれ?」

ライスは紙を見た

そこにはエングランの部屋までの地図が載っていた

「なるほどな……。ここは広い広い牢屋というわけで、ここを出て右に曲がり、隠し扉……扉のパスワードまで書いてある。んで、エレベーターで地下まで行き、部屋があると……。部屋のパスワードが書いてないじゃないか」

とライスは地図を見て言った

「期限も近いし今すぐ行くか?」

ハクリエは聞く

「よし、行こう」とライスは隠し部屋から牢屋へと戻る

そして全員着いていく

「トルテはどうする?」

イチドクは聞いた

「トルテちゃんは事が済んでからでええんとちゃうか?」

ハクリエはそう意見を言う

「そうだな」とライスは頷き、進む

そして牢屋を出た

本来は鍵が掛かっているが、今は掛かっていない

おそらくエスタが解除したのだろう

そして右に曲がり長い廊下を歩く

前から人影が見えてきた

「何者だ!? この先はエングラン様の部屋。通すわけにはいかない!」

黒い服の見張りはそう言い剣を構える

「なんか骨折とか全部治ってるし、やりますか」

ライスはそう言い素早く走り

「おらっ!」と見張りの振り下ろす剣を避け、見張りの頭を蹴り気絶させる

「にしても寒すぎるだろ」

イチドクは両手で反対の肩を持ち震える

「確かにそうやなあ……エングランっちゅうのはアイスクリームか何かか?」

冗談を言うハクリエ

「言ってる場合か 早く行くぞ」

「はいはい」とライスに続く

そして見張りは次々と出てくるが、ライスは全てを蹴り倒す

ライスの蹴り残した敵はシフェアルとハクリエが爪楊枝と二本の短剣で倒している

そんな時だった

大きな爆発音のようなものが聞こえた

「なんや今の音」

ハクリエは驚いたが

「今はこっちが優先だ。行くぞ」

ライスはそう言い先へ先へと進む

そして隠し扉へと到着した

「これが隠し扉か……」

ライスは鉄の分厚そうな扉を見ていた

そしてパスワードを撃ち込んだ

「えっと……二〇二一〇八〇六っと……」

ライスがそう打ち込むと、鉄の扉は開いた

「よし!」ライスは喜ぶ

そして地下へのエレベーターが見えてきた

「あれに乗ればええんやな?」

ハクリエはそう言いエレベーターへと乗る

続いて三人も乗った

そしてライスは"降りる"と書いてあるボタンを押した

エレベーターは下へと降りていく

そして地下へと到着した

地下は広いが、あるものと言えば扉の一つだけ

「ここは寒くないな」

ライスはそう呟き扉へと向かった

そして扉を開けようした

「えっと、お前ら何やってるんだ?」

横から声が聞こえてきた

一同が横を向くと、知っている顔

そう、エングランがいた

「なんや……ここにおったんか」

ハクリエは少し動揺している

「どうエスタの管理してる牢屋から逃げたかは知らんが、逃げ道間違えたか? 外なら牢屋から出て左だ」

「逃げることが目的じゃなくてね。仮に逃げるとしても、普通に逃げれるほど甘い造りではないだろ?」

ライスは聞いた

「まあ甘くはないな。そんで、何しに来た?」

「イチドク、お前は例の物を探せ。私達三人で足止めだ」

そう言いライスはエアガンのアサルトライフルを連射する

エングランは全ての弾を避けずに喰らうが、全く動じていない

「バケモンかよ」

「うちに任せや」ハクリエは爪楊枝を無数に投げた

しかし爪楊枝は刺さらず、少しも効いていない

「ライスちゃんの言うようバケモノやったわ……」

そしてイチドクは重い扉を開け、部屋へと入った

「探し物はなんだ? 俺の部屋には機密データとか置いてないが」

「木の箱だ! 何かは知らんが、そいつだけは貰っていくぜ」

ライスはアサルトライフルを撃った

勿論効果はない

「木の箱……持ち手が金のやつか?」

「ちょ、ライスちゃん……言ってしもうてよかったん?」

「言おうと言わなくても戦うことは決まってるだろ?」

エングランは言った

「なるほどな。エスタの差し金か。話が繋がった」

「バレたあ!! くそ、じゃあ殺すまでだ」

ライスはアサルトライフルを撃ちまくる

「それならエスタにちゃんと届けてやれ。部屋の棚の上から二段目にしまってあるから」

「おい、盗まれたらまずいやつじゃないのか?」

「まあエスタに盗まれるなら問題ないだろ。エスタがくれた物だし」

「えっ……」驚くライス

ハクリエとシフェアルも驚いている

「あったぞ」イチドクはそう言い箱を持ってきた

「あー、それ、ちゃんとエスタに届けてやれよ」

「あ、ああ……」イチドクはうっかり箱を開けてしまった

「ちょ、イチドク……それ開けたら……」

ライスは腰を抜かす

イチドクは中を見てしまった

そこには猫耳を付けたエスタが手でハートを作る写真があり、手紙も添えられていた

イチドクは顔を赤らめ、手紙を読み上げる

「こんにちは、エスタちゃんだぞ、ちゃんとご飯食べてるかにゃ? 早く病気治して欲しいにゃんにゃん……」

イチドクは今思っていた

これが共感性羞恥心なのだと

イチドクは素早く箱を閉じ

「よし、早く届けに行こう」

と見なかったことにした


そしてエスタとの待ち合わせの場所に到着した

「早かったですね」

エスタは既に待っていた

イチドクは笑いを堪えるのに必死だった

「どうかしました?」

そしてライスは箱を差し出す

「約束の箱だ。中身は……見てない」

「そうですか……。ではこちらも約束通り……」

イチドクは笑いを堪えるのに必死で涙が出てきた

「どうしました?」

「い、いや、っ……なんでも……ふふっ……」

エスタは何かに気づいた

「もしかして……見てしまいましたか?」

「いや、そんなこと」

エスタは怖い目つきでイチドクを見ていた

「イチドクさん以外は外に出てもらって構いませんよ。扉は開けておいたので」

「イチドク……また後で……な」

「せやな……また後で」

「では行きましょう」とシフェアル達は外へと向かう

「そしてイチドクさん。何を見たんですか?」

「いや、エスタちゃんだぞ……とか、ちゃんとご飯食べてるかにゃ? とか……そんなの見てないけど……くくっ……」

笑いを堪えられないイチドク

エスタはイチドクをめちゃくちゃ睨んでいた

「そうですか。イチドクちゃんは少しお仕置きが必要ですね」

「ふぇ……?」

そしてイチドクはバニースーツを着るはめになった

イチドクを四つん這いにエスタはイチドクの背中に座る

「あれはですね、エングランが熱の時、私が昔送ったものです。五年前です。本来存在してはいけない"闇"です」

「で、でも可愛かったな」

「殺しますよ? いくら可愛いイチドクちゃんとはいえ」

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