戦を
七月十四日
メラア達とも解散し、朝を迎えた
ここはトルテのホテル
時刻は八時
トルテは顔を洗い歯を磨く
そして朝食にピーマンの肉詰め
それを食べながら、ニュースを見ていた
「いやあ、しかし能力なんて非現実的なものが実在するとは驚きですね」
「そうですね。能力社会 いい意味で言うなら、より便利な社会へ 悪い意味で言うなら、強い能力者が争えば誰も止められない事態に……いやあ、この先どうなるのか少し不安ですね」
「おや、新しいニュースが入ったみたいですよ?」
「え、はい、読み上げます。ヒサナキツルギと名乗る能力集団が市民を襲う?!」
「ヒサナキツルギ? 初めて聞く名前ですね」
「そうですね。しかし市民を襲うとは怖い話です。警察の方には頑張ってもらいたいですね」
─トルテ─
ヒサナキツルギ?
どこかで聞いたような名前
どこだっけな……寝起きなのもあって頭が回らない
「それでは市民の方へ取材をしてみましょう。市民の方がどう思っているのか、ヒガシアナ、よろしくお願いします」
「はい、こちらヒガシアナです。現在ヒサナキツルギを名乗るものが暴れております。ええ、それでは避難する方へ話を伺ってみたいと思います」
アナウンサーがそう言うと「待て待て待て! その取材は私が受けよう」と聞いたことのある声が聞こえた
「えっと、はい、分かりました。それでは、今回の事件についてどう思いました?」
トルテは目を疑った
「ライスちゃん!?」
そしてライスはマイクに向かい
「よし、AAKメンバーは、今日の五時に昨日のカフェで集合だ! 連絡先交換忘れちったしな」
─トルテ─
ニュースを待ち合わせに使った!?
「ちょっと、そういう事は」
「分かってる分かってる。なぜヒサナキツルギが暴れてるのか……レクイエム、お前か? よし、まあ誰でもいいが、やりすぎ注意! 以上」
と言いライスは走り去っていく
「ライスちゃん!? なんでニュースに……」
トルテは着替え外に出る
そして時間より明らかに早いが、カフェへと向かう
居ても立っても居られなくなったのだ
─トルテ─
ヒサナキツルギについてもそうだけど、世界がやばい方に動いてる
ヒサナキツルギは能力者を増やして従えてる?
でもシラユキさんの考えなら、互いに自分が強いと戦いを初めて、従わせるなんて不可能みたいに……
待て、でも能力者も人間
つまり、ヒサナキツルギが余程の能力を持っているのなら力で従わせられる
もしくはそうとう人望の厚い人……とか?
そしてトルテは走り
カフェへと到着した
そして中へ入ると……全員揃っていた
「なんで!? まだ九時前なのに」
トルテは驚きのあまり声を荒げる
「落ち着け落ち着け」
ライスはそう言い話を続ける
「大丈夫、その反応をしたのはお前だけじゃない。私は言い出しっぺだし、最初に来た。そして次にハクリエが来たが、ハクリエは『どうせ待っとるおもてな。暇やろうから来たったわ』って入ってきた」
ライスは手を組む
「次にシフェアルが来て、こいつは無反応のまま席に着く。まあなんとなく分かっていたがな。つまり、イチドクもお前の仲間だ」
トルテは言った
「イチドクちゃん……! 私達やっぱり」
「友達であっても、それ以上の運命とかは無いからな?」
「で、ですよね……」
「つまりうちらは全員待つのが苦手……っちゅうことやな?」
「みたいだな」
ライスは頷く
そして珍しくシフェアルが話した
「そして、ヒサナキツルギや能力とかについて語りましょう」
「その前に連絡交換だ」
ライスはそう言い、連絡交換が始まる
そして数分
互いの連絡交換を全員が終え
「さて、シフェアルの言った通り、ヒサナキツルギと能力について語ろう。てかイチドクってニュース見たか? お前、前にニュースは見ないとか言ってたし」
「おいおい、矛盾に気づけ。ニュース見てなかったら、ここに来れてないわ」
「それもそうか」
「宿泊所ロビーのテレビをたまたま見ててな」
「納得だ」
ハクリエは紙に文字を書き始める
三角に"ヒサナキツルギ" "伝説の冒険者" "私達"
「ええ、まず話をまとめよか。伝説の冒険者達は魔王の持っていた『超人間手術』『脳改造』その二つのデータを入手する。しかしこれは争いの種になりかねないと四人はこれを使わなかった。しかし裏では、こっそりと使っていた」
話を真剣に聞く一同
「そして二つのデータを知った四人は、超人間、能力者を増やしていった。そして何故か能力者の情報はヒサナキツルギへ渡り、今に至る……そゆことやないか?」
「そうだな」
ライスは頷く
そしてイチドクは話した
「そして私達がこれから考えることだが、ヒサナキツルギはどう能力者を従えたか? 能力者に無能力者の私達が勝てるのか? そして敵の頭はどこにいるのか? 大きくこの三つじゃないか?」
ライスは少し考えた
「トワラントもいずれは倒す敵。まずはヒサナキツルギを倒して、私達も能力を得るべきだと思う」
「能力欲しい!」
イチドクは食いついた
カフェのマスターは言った
「能力とは脳を覚醒させることだ。元の頭の回転が速ければ早いほど強い能力になるし、逆も然り。そして能力者は焦ると能力を使えなくなる。つまり脳を正常に回転させることが大切になるわけだ」
ライスは聞いた
「色々知ってそうだが……何者だ?」
「カゲヌマセカンドと呼んでくれ。俺も能力者なもんでな……ちょっとした手助けだ」
「そうか……それは助かる」
トルテは冷静になった
「って能力者!? みんな反応薄くない?」
「もう結構見てきたし、今更な……」
ライスはそう飽きを話す
「せやな。うちも能力者には慣れたな」
「Metoo」
ハクリエに共感したイチドク
「そうなんですね……。ちなみになんの能力なんですか?」
トルテは聞いたが
「もう一つアドバイス。自分の能力を仲間に教えれば連携も取りやすくメリットは大きいが、敵に話すと能力の強みの一つ。不意打ちができなくなる」
─トルテ─
これは聞くなってこと……?
「ちなみに不意打ちとは……」
「相手の能力が分かってたら対策は可能だが、相手の能力が不明なら対策は難しい。まあ別に俺は敵じゃないし、教えてやる。能力は"シャドーシャドー"だ」
ハクリエは言う
「おもろないダジャレやなあ」
「まあそう言うな」
「ダジャレ? ではなくないですか?」
トルテは聞く
─トルテ─
日本語に直すと影影って言ってるだけ
同じ言葉ではダジャレにならないはず
「ちゃうでトルテちゃん。車の道や。車道とシャドーを掛けとるつまらん能力名や。たぶん陰の中を移動できるとかやないかなと」
マスターは「ほう」と言い
「ここまで的確に当てるとは……」
と驚いた
「しかし完全な能力社会になる前に能力を入手しておきたい……それこそシラユキは知ってるんじゃないか? ヒメアに上手く頼めば……って連絡先交換してない」
ライスは再び悩む
「待って、ヒメアちゃんってアイドルやってるって言ってなかった?」
とトルテは思い出す
「なるほど……つまり検索すれば出てくるんじゃないか?」
イチドクはスマホで検索した
「出てきたわ。東京に住んでるらしい」
「東京……まあ岩手からなら近いか」
「よし、私に任せろ。ヒメアと直接会って、上手く聞いてくる」
イチドクはそう自信ありげに言った
「なるほど……その間にうちらはヒサナキツルギについて調べればええんやな?」
「YES!」
と答えイチドクはカフェの扉を開ける
「ヒメアの次のライブは数時間後だ。今すぐに行ってくる」
「頑張って下さい!」
トルテがそう言うと
「そっちもな」
と言いイチドクは走り行く
その後ライスは懸念を語る
「さて、イチドクは一人で向かったわけだが、シラユキがどう出るか……」
「せやな……シラユキさんの出方では普通に危険やし」
「危険なのはこっちも同じです」
トルテは強く言う
「それもそうやな。とりあえず、一人能力者を捉えれば色々聞けるやろ」
「それもそうだな。弱そうな能力のやつを狙おう」
「もちろんや!」
ハクリエはそう同意し
「ほなら即行動やわ」
と立ち上がる
そして他三人も立ち上がり
「マスター、金はここに置いとくな」
「あいよ」
ライス達は金を置き店を出る
そしてヒサナキツルギが暴れていると噂の場所はここの街だ
街には能力者が溢れており、それから逃げる市民という一方的な殺戮が行われていた
「これは酷いな……」
「せやな……」
驚きのあまり立ち尽くすトルテ
トルテ以外は余裕そうだった
「おいおい姉ちゃん達 悪いが死んでもらおう! 俺様は最強の能力者様だぜ?」
ハクリエは爪楊枝を投げ、足に刺す
「ぐはっ……お前ら雑魚じゃねえのか!?」
「せやで」
そしてライスは聞いた
「さて、どこで能力を手に入れたか教えてもらおうか? それができないなら……次は爪楊枝が目に刺さると思うが?」
男は慌てて後ろに尻もちを着く
そして少しづつ下がりながら
「分かった! 教えるって。さっき向こうでサカツキってやつに」
男は後ろを指差す
─トルテ─
サカツキって……あの真っ赤な怖い目の……
思い出した! ヒサナキツルギってあいつらじゃん
「ちなみに何をしたら能力者になったんだ? ほら、手術をしたとか」
「そりゃ、薬を飲んだら能力者になった……って、これ話したら俺の家族が皆殺しだったんだ……頼む、今の黙っててくれ」
土下座でお願いする男
「もちろんだ」
と言いライスは先へ進もうとした
その時、声がした
「話すなと忠告はしたのですが……」
声の方に振り向く一同
そこにはエスタがいた
「出たぁー!」とトルテは目玉が飛び出る
「人を幽霊みたいに。というかイチドクさんは不在ですか? 少し残念です」
「あんたらが敵やったなんてな。あの時消しておくべきやったわ」
そう言いハクリエは爪楊枝を連続で投げる
エスタは全ての爪楊枝を躱し、瞬間移動を疑う速度でハクリエの下に
「っ……!?」
そう驚くハクリエの足をエスタは蹴った
「ああっ……」ハクリエは倒れ込み足を抑え、悶える
「どうした?」
ライスはハクリエの側でしゃがむ
「一発で足折られたわ……。あいつやばいで」
「そうか」
─ライス─
ハクリエの犠牲のお陰で一つ分かったことがある
めちゃくちゃ強い
あれはおそらく能力によるスピードでなく、超人間の方だろうな
超人間は体の力を超強化できる
つまり足を超強化すれば……
だとしたら能力はまだ不明
そしてエスタはライスの方へ超高速で迫ってきた
「よっしゃ! 来た!」
とライスは体を横に何回転もさせ、回し蹴りをしようとした
「っ……」
─ライス─
エスタがこんなに近くに
蹴れる距離にいるのに……蹴れない
声も出ないし、体も動かない
エスタは笑いながら、ライスの足をゆっくりと追っている
「んんっ……」
─ライス─
顎に力が入らないということか……
だから言葉を話せない……これは全滅エンドか?
そしてエスタがライスに気を取られている隙に、シフェアルはトルテと話をしていた
「トルテは逃げてください。私が本気で足止めをしますので、これをイチドクに知らせてください」
「ちょっ、まるで負けるみたいな言い方しなくても」
「見ての通りこのままでは全員負けます。能力者の力を見誤ってました」
「でもみんなを置いてなんていけないよ!」
トルテは強く言う
しかしシフェアルはもっと強くトルテに言い聞かせる
「いいですか?! このことをイチドクに伝えなければ、イチドクは殺されてしまいます。イチドクと共に能力者になってから、私達を助けに来て下さい」
シフェアルは両手に短剣を持ち、マントをはためかせる
「じゃあシフェアルちゃんも一緒に」
「ライスは既にやられました。一緒に逃げたら一緒に死ぬ……それだけです。私達の元々の目的はヒサナキツルギを調べるだけ。犠牲は大きくとも、今回の収穫は大きいです。これをイチドクに伝える……任せれますか?」
エスタはトルテ達の方を向く
「わ、分かりました! 必ず戻ってきますから!」
トルテは恐怖で震えた足を全力で動かし、倒れそうになりながらも走る
「あなた程度に時間稼ぎができますかね?」
「さて、不明です」
シフェアルは薬のようなものを飲んだ
─シフェアル─
これは大量のアルコールを詰めた薬
これで酔えば……私のもう一つの人格が来てくれるはず
人格といっても今の人格も残るから、五十%五十%ですけど
「くっ……」
シフェアルはよろける
「さて、たったとトルテさんも始末しますか」
「その前に私が相手だ」
シフェアルは短剣をエスタに投げる
エスタは素早く躱す
─シフェアル─
あいつに近づいた瞬間、ライスの動きは止まった
仮に時を止めたのなら、ライスの声がするのもおかしな話
つまり時が止まってないのなら、物が通用するはず
おそらく止まるのは生物だけ
エスタは素早くシフェアルの下へと来た
その瞬間指でもう一本の短剣を上に投げる
「さて、終わりです」
と余裕のエスタの上から短剣が落ちてきた
エスタは少し動き避けた
─シフェアル─
当たるとは思ってなかったが、少しでも脳の回転が乱れればと投げたものの……微塵の焦りも感じられない
「島で一緒になった好ですし、殺しはしません。まあイチドクさんを呼ぶ材料としては完璧ですし、殺すメリットが少ないのが本音だったりしますが」
そしてライスはシフェアルの投げた短剣を地を這いずりながら近づき、拾う
そしてエスタにと投げた
エスタの足に短剣が少し刺さり、少量の血を流す
エスタは後ろを見るや否や状況を理解した
寝転びながらなのもあり、ライスは力が出ず、致命傷に至らなかったことを少し悔いていた
「血なんて数年ぶりに流しました。さて、これは少し怒れてきました……」
一方トルテは
カフェのある道へ一度戻り、イチドクの後を追うように東京へと向かう
そして走りながらイチドクに電話を掛けた
─トルテ─
お願い……早く出て
電話が繋がった
「通話は現在禁じられております」
と機械音声が流れた
「えっ!?」
─トルテ─
どういうこと?
まさかこれもヒサナキツルギの……
「くそっ」
トルテはそう言い電話を切る
それから小一時間、駅へと到着した
切符を買い改札を通ろうとした
「現在電車の運行は禁じられております」
さっきと全く同じ機械音声だ
─トルテ─
これじゃイチドクちゃんに追いつけない
そして後ろから声がした
「あれってエスタ様が探せって言ってた子じゃね?」
「捕らえたら超人間にしてもらえるらしいぜ」
「おい、あいつは俺の獲物だぞ」
と後ろから無数の声が聞こえた
トルテが振り向くと、駅は既に能力者だらけだった
─トルテ─
どうしてこんなに……
こうなったら
トルテは改札を飛び越え、ホームへと走る
「逃げたぞ!」「追えー!」
敵の大群は容赦なく追ってくる
「フレイムバースト!」
トルテに炎の玉が飛んできた
トルテは間一髪避け、爆発で少し転ぶ
しかし直ぐ立ち上がり再び走り出す
後ろから能力が無数に飛んでくる
そしてトルテはなんとかホームへと到着
─トルテ─
電車走ってないなら大丈夫だよね?
トルテは線路を走り出す
もちろん敵は全員線路までも追ってくる
「はぁ、はぁ、」
─トルテ─
引きこもりゲーマーの私にこれはキツイ……
「──光炎流 地太刀」
トルテの後ろの方から地が二つに割れ、敵は地に落ちていく
「ブラックショット」
黒い炎がトルテの後ろに
敵達は燃えていき、悲鳴を上げる
「大丈夫だったか?」
トルテが振り向くと、そこにはヒカリノとレイト
そしてコウジがいた
「あの時の……でも固まったんじゃ」
「溶かすのに時間を食ってな」
レイトは少し顔を俯かせ言った
「ヒカリノがいなかったら俺は死んでたんだがな。まあヒカリノがいたから助かることは目に見えてた」
「そ、そうなんですね……そんなことより」
トルテは全てを話した
能力社会になっていくこと
ヒサナキツルギの強さ
「なるほどな。分かった。じゃあ早くイチドクって子に伝えに行け。私はこの街の能力者を一人でも減らしておく。その間にレイトを護衛にくれてやる」
「俺が護衛? ったく、人使い荒い」
「俺は……?」コウジは聞いた
「コウジは市民の避難を任されてくれ」
「了解!」
「ありがとうございます! その……レイトさん、よろしくお願いします」
「護衛は俺に任せろ」
そして再び線路を走り出す
そして時は経ち
疲れ切ったトルテはレイトに横抱きしてもらっていた
「しかし電車の一つも見当たらない」
レイトは呟く
「確かに……ヒサナキツルギは電車をどこへやったのでしょうか?」
「これも能力の力……といえば説明がついてしまうのか……」
「ですね」
その後も走り続け
駅で道路に出て、タクシーを使い東京へと向かっている最中だ
「電車も電話も使えないって……。しかも岩手全体でそれが起こってるんだろ?」
「ですね……。どうなってしまうんでしょうか……怖いです」
そして数時間が経ち
ヒメアのライブ会場へと到着した
しかし、既にライブは終わっていた
時は既に夜
「あの、すいません」
ライブ会場受付の人に話しかけたトルテ
「あい? なんや」
「ヒメアさんってどこに行ったか」
「ヒメア? ああ、あの子か。可哀想にね」
「可哀想?」と聞き返すトルテ
「ほら、ヒサナキツルギって所のルシファー? って子がライブを取り止めろとか言ってきてさ、ヒメアのことを連れて行っちゃって、散々よ」
「ヒメアちゃんが連れてかれた!? じゃあイチドクちゃんのことも知りませんか? 黒くて長いボサボサの髪で……」
「その子は見たことないね」
「そう……ですか……。ありがとうございました」
トルテはそう言い地下から上がる
外で待っていたレイト
「どうだった?」
「うん……ヒメアちゃんが連れ去られたって」
「なるほどな……。さて、シラユキがどう動くかってところだが、イチドクとの合流が優先か」
「そうですね!」
─トルテ─
でもイチドクちゃんって、どこにいるの?
その頃イチドクは──
─イチドク─
ここは……動けないし真っ暗
地にいる感じがしない……浮いてるようなそんなような
私は電車に乗ってたはず……何がどうなって
それからレイトとトルテは悩んだ
しかし答えが見つかるはずもない
「よし、シラユキを探さないか?」
レイトは提案した
「シラユキさんを……?」
「シラユキのほうが色々詳しいだろうし、あいつがどう出るかも気になる。そしてイチドクはここに来る前に、運良くシラユキと合流できたって可能性もある」
「なるほど! そして……どうシラユキさんをどう探せば」
「そこだよな……」
完全に行き詰まった二人
そんな時、近くに置いてあるラジオから音が聞こえてきた
「どうも、ヒサナキツルギのサカツキだ。見てるかラスイング? 見てるか上層部? んふふふ。世界は私達ヒサナキツルギが頂く」
「今サカツキって……」
トルテは驚いた
「今ので分かったことは、テレビもラジオも全て奴らが主導権を握っている」
「最悪じゃないですか!!」
「その通りだ」
(よし、私に任せて! シラユキさんを探してくるよ)
ユキミはそう言い探しに行った
「助かる」
「何がですか?」
トルテにユキミの声は聞こえていない
そしてユキミは幽霊なのか、遠くへ移動したり壁をすり抜けれたりと便利だ
しかし夜でないと存在はできない
「俺の妹がシラユキを探してくれている」
トルテは首を傾げる
「妹さん?」
「俺の頭の中に住んでてな」
「そ、そうなんですね」
─トルテ─
もう手遅れだ……そっとしておいてあげよう
【イチドクちゃんのお料理教室】
「ええ、始まりました? 料理大好きイチドクです」
台本を見ながら話すイチドク
「食べる専門のライスと」
「トルテです!」
イチドクは再び読み上げる
「ええ、では作っていきます。今日のお題は?」
スクリーンに『ハンバーグ』と表示された
「ハンバーグですね。いいですよね。はい、では早速作業に参ります」
イチドクは台本を捨てる
「やってられるか! もうええわ。ええ、まず合い挽き肉……これか?」
イチドクは鶏肉を手に取り、フライパンへと乗せる
そして火を付け
「玉ねぎ、砂糖、醤油」
玉ねぎを丸ごと 砂糖と醤油もあるだけ全て入れた
「んで……こねる? もう入れちゃったけど。まあ一つくらい違ってても大丈夫やろ」
そして十分焼き
何か変なものが出来上がった
「さあ、食え食え」
─トルテ─
これは……毒?
─ライス─
これを食ったら確実に死ぬ……
いいや、殺されるんだ
トルテはフォークも持たずに座り尽くす
そしてイチドクがフォークを持ち、トルテの口にと"何か"を運んだ
「んぐっ……んんっんんんんん」
トルテは気絶してしまった
次はお前だと言わんばかりにライスを見つめるイチドク




