08 フリャを救った英雄?
目を覚ます。よく知っている白い天井。ここは私の家の寝室。なんだか足あたりが重い。
ベッドにはミコとシーマさんが椅子に座り、ベッドに突っ伏して寝ていた。
「ん……セリカ? 気が付いたの? セリカあっ!」
私に気づいて起き上がったミコは私に抱きつき、キスをする。
「んんっ!? むぃこ! ……ぷはっ、ミコ?」
「おお、フリャの英雄さんを独り占めとはな。しっかし、一番怪我してないやつがこんなに深刻な状況だったとはな」
続いて起き上がったシーマさん。
「セリカが倒れてからもう丸1日たつ。気分はどうだ?」
「セリカああっ! ぐすっ、ううっ!」
泣いているミコを撫でながら、シーマさんに話を聞く。
ゴブリン退治から1日。
私はボスゴブリンを倒しフリャの街の危機を救った英雄と呼ばれていた。ラストアタックを取ると、討伐者の欄にパーティーメンバーの名前が記載される。
メンバーのみんなは、私の行動を評価し、英雄の称号を譲ったそうだ。
街では私不在のまま、城で祝勝会が開かれた。代表でアシメさんとレイラさんが出てくれた。
その後、アシメさん達はもっと強くなると言って、シーマさん達と別れたそうだ。ミコとシーマさんは私を心配して、ずっとここにいてくれていたようだ。
ギザルさんはと言うと、かなりの重症に見えたが、私の応急処置とギザルさんの生命力、自動回復系スキルのおかげで一命をとりとめた。
死者0人、6人のパーティーで、10体のレベル20クラスゴブリンとレベル50のボスクラスのゴブリンを討伐したとして、街中で大きな話題となった。
「街の英雄か……私は何にもできなかったのに」
「いいんだ、死者0、ボスゴブリン討伐は、セリカが居なければ達成できなかった偉業だ。もっと自信を持っていい」
「セリカあああっ!! ゲホゴホ」
「ああっ、ちょっとミコ!?」
顔を赤くして涙を拭くミコ。
「お医者さんにね、いつ起きるかわかんないって言われて……!」
「……ずっと、待っててくれたんだね、とっても嬉しいよ、ミコ」
私はミコを抱きしめ、耳元でささやく。
ただいま、ミコ。
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