53 ママの誕生会!
「いただきまーす!」
「いただきまーっしゅ」
「ティナちゃん、これ自分で作ったんだよね? とってもおいしい!」
「学校で習ったのか? すごい出来だ……」
シーマは綺麗にクリームが塗られているケーキをみて、宝石でも見つけたのかという顔をしていた。
「えへへ~」
「菓子作りも得意とはな。ティナ、お前才能あるぞ! ケーキ屋さんとか開いてみるか? なんてな……!」
とっても嬉しそうなティナちゃん。私たちまでつられて笑顔になるほど。
私たちは、ティナちゃんの手作りケーキを食べながら、ママとパパの話を聞く。するとミコが。
「パパを探すのはいいけど、ママはなんでダメなの?」
「おいミコ」
「あっ」
ちょっとミコ、それは聞いちゃダメなやつ!
せっかくあえて聞くことはしなかったというのに、この子ったら、気になったことは何でも聞いちゃうのよね。
「ママは……また、要らないって言われたら、悲しいから」
ケーキにフォークを突き立てたまま動きが止まるティナちゃん。やっぱり、そういう理由だったんだ。
「じゃあ、あたしたちだけ会いに行くっていうのはどう? もう、ティナちゃんはあたしたちの家族なんだし、正式に許可をもらっちゃおうっていう!」
「うん……」
「私のママは、フィリア、パパはレンシアっていうの……獣人の中でも、お金持ちだったんだ。だから、いっぱいいじめられてたの」
「フィリア……!? ……レンシア、獣人にも、たしか少数だが貴族のような存在が居たな……まさかそこの生まれだったとは……な」
シーマの様子がおかしい。知ってる名前なのかな?
お父さんの失踪と、何か関係があるのかな。ママ……フィリアさんも、なにか事情があったからティナちゃんを遠ざけたんだ。こんなに可愛い娘を捨てるなんてできない!
「きっと、なにか事情があったんだよ。だから、その原因を私たちが取っ払って、ママとパパを解放してあげよう!」
「セリカおねえちゃん……!」
私とミコは見つめ合って、それからティナちゃんにニコっとする。
「ま、今日はママの誕生日を祝おう!」
「そうだな! せっかくのケーキが美味しくなくなるぜ」
その後は、ダンジョンで起きたハチャメチャストーリーを聞かせて、一緒にお風呂に入って……機嫌を取り戻したティナちゃんは気持ちよさそうにベッドで眠る。
一緒に寝る? って聞いてみたんだけど、遠慮されちゃった。……多分、ミコの寝相が悪いからだろう……。いや、私も悪いのかな?
自分の寝相なんて気にしたことなかったけど、それくらいミコの寝相が悪い……。それも可愛い所なんだけど。
こないだなんて、寝ぼけたミコが服の中に手を入れて来たし……。
「んじゃ、あたしたちも寝ますか~」
「ミコ……」
隣で寝るミコにすりすりする。ミコは嬉しそうにして、こちらにすり寄ってくる。
「今日もいろんなことがあったね……あたし、そろそろ休暇が欲しいな~なんて」
「たしかに、何もない日があってもいいよね……」
「たまには、外に出て森とか散策するのもいいかもね」
「あたし、ピクニックとか行きたい! セリカのサンドイッチを、山とか、川とかで!」
「なんでサンドイッチ……?」
「なんとなくっ ピクニックと言えば、サンドイッチだよねって感じ……」
今日の出来事を振り返る。向こうの世界に居た時よりも、毎日毎日大変だ。……一つ違うのは、その毎日が楽しくて仕方ないと言う事くらいか。
ここはファンタジー。自分の好きなことを、好きなだけやればいいのだ!
周りの目なんか気にしなくてもいい、何に縛られる必要もない。
両親探しが終わったら、ちょっとだけ、ミコと二人でどこかに行こうかな。なんて。
◇◇◇
真夜中。
あたしは寒気を感じて、一階に降りる。すると、シーマが険しい顔をして、椅子に座っていた。
「シーマ?」
「ん、どうしたんだ」
「いや、どうしたんだはこっちのセリフ……って」
シーマの手には、一枚の写真が。
「こいつは、レンシア。多分、ティナのお父さんだ」
茶髪の、犬族……。
「セリカ……すまない」
「急に謝るなんてどうしたの?」
「レンシア……この獣人は、もうこの世にはいない」
「……え?」
「まさか、犯人があの方だったとはな……」
なになに、どういう事!?
これからもよろしくお願いします!
最近書きたい話がいっぱい同時にでてきすぎてごっちゃになっててすみません。
あくまでも自分の描きたい話を描いているつもりですが、色々ごっちゃになってて読みづらかったらすみません……。




