21 セリカとティナ ①
これはシーマとミコ④の前後の話になります。
ギルドカウンターで口の閉じた大きな袋を受け取る。かなり重い。
「どうぞ、報酬金です! 依頼達成、ありがとうございました!」
シーマとミコ、3人の盗賊を病院に送り、ギルドのお姉さんにコウモリ退治の報酬金を受け取り、家に帰った。もうすっかり夕方だ。
「セリカお姉ちゃん!」
扉を開け、家に入ると、ティナちゃんが椅子に座って待っていた。私を見て駆け寄り、倒れそうになる私を支える。
「おかえり、ティナちゃん。学校楽しかった……?」
「お姉ちゃん、とても熱い! はやく、こっち!」
2階には上がれそうにないと判断したティナちゃんは、1階のシーマの部屋にあるベッドに座らせる。汗と泥、シーマの血が付いた服を着替える。
「脱いだ服、持っていくね?」
「ありがとう、ごめんね、ティナちゃん」
「謝らないで! 私これくらいしかできないからっ」
「シーマお兄ちゃんとミコお姉ちゃ……やっぱり何でもない! お姉ちゃんは早く風邪を治してね! 何かあったら呼んでね! 無理しちゃダメだよ! 約束よ?」
「本当にありがとう、ティナちゃん!」
ニコっとして振り向き、部屋を出ていくティナちゃん。色々、聞きたいことはあっただろうに、気を遣わせてしまった。
ティナちゃんは幼いのに、本当に私たちのことをよく見て、よく考えてくれる。そのせいで大変な思いをさせてしまっているのが現状だ。私は一刻も早く風邪を治して、ティナちゃんを安心させてあげる必要がある。
ミコとシーマが帰ってきたら、ちゃんと話そう。今回の件については。
呼び鈴がなる。誰だろう。部屋の外の物音に耳を傾け、ティナちゃんが扉の方へ近づいていく音が聞こえた。そして、ゆっくりと音を立てず、静かにこちらの部屋に入ってくる。
「お姉ちゃん、知らない人が来てるよ。どうしよう」
知人の来客でも、一人の時は出ちゃダメ。の決まりを守ってくれたようだ。
「今回は、居留守にしよう?」
「わかった!」
小声でそう話ていると、ドアポストに一通の手紙が届いた。それをティナちゃんが取りに行き、私の前に持ってくる。
「これ、シーマお兄ちゃんからだ!」
「シーマから?」
内容はこうだ。
「よう、セリカ。俺とミコを助けてくれてありがとう。ミコは何とか立ち直って、今は俺が退院する間の話し相手になってくれるみたいだ。男どもに獣人ってバレて、ひどい目にあったんだ。」
「奴らの目的は金だった。俺たちが退治した巨大コウモリの追加報酬は受け取ってくれたか? かなりの額のはずだ。」
確かに、ギルドで受け取った袋の中には金貨が17枚も入っていた。前世の世界なら、一人暮らしの人が1か月過ごせる分のお金だ。
「ティナちゃん、あたしだよ! ごめんね、あたしはシーマの所に残るから、セリカのことおねがい! 明後日くらいには退院する予定だから、それまではよろしく! シーマが帰ったらお礼をしたいって言ってたから、何か欲しい物とか考えておいて!」
……手紙はここで終わっている。
「シーマお兄ちゃん、ミコお姉ちゃん、また人間にひどいことされたの?」
「うん……でも、今回の件は人間が、って一括りにしちゃいけないと思う。人間にもいい人は居るし、今回悪い人に偶然会っちゃったってだけだよ」
私は限界が近づいてきていた。体に力が入らなくなっていく。ティナちゃんが何か話しているけど、だんだん意識が遠のいていって……。
……気づいたら、教室の座席に座っていた。
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ちなみに何でもするとは言ってません!
あと、ほろよいのコーラサワーってイソジンの味するよね!




