16 アシメとレイラ レイラ視点 この世界の限界
目の前のスケルトン型魔物が私の剣を受けて砕ける。経験値は0。
私とアシメは、2人きりでダンジョン攻略を進め、両者ともレベル25になった。
これでこの島にレベル25、つまりレベルカンストした者の数が19人。たしか、そのうちの一人は、この間のパーティーにもいたわね。確かに強かったけど、今じゃ私たちの方が上。
レベル5以上離れた敵からは、経験値が入らない。
でもこの世界には、ボス以外の魔物はレベル20以下しかいないのだ。
だから私たちは、ダンジョンの奥に眠るボス級モンスターを倒しまくり、人類初のレベル26に到達するべく、ここに籠っている。
レベル20といっても、街や森で見かけるレベル20とはわけが違う。やたらと突進してくるだけではなく、体力が減ると回復したり、攻撃パターンを変えてきたりする。
私たちは毎回毎回知らない動きをする敵に立ち向かい、倒して、下層に潜っていく。
ダンジョンは5から10階層まであり、私たちは3日かけてまだ3階層までしか突破できていなかった。それもそのはず、ダンジョンは大人数でいくためのものだ。敵の数や、部屋の広さがそう言っているかのようだ。
昔からこの街には高レベルで無双する勇者や、敵の群れを一瞬で殲滅する魔導士などの偉大な存在は居なかった。それもこのダンジョンの難易度のせいだろう。
アシメが水を飲んで、空になったボトルを地面にたたきつける。
「くそっ、全然すすまねぇ!」
「落ち着いて、私たちは何としてもこのダンジョンをクリアして、街の英雄になるのよ」
英雄。私たちが一番欲しかった称号。
あの時、あの猫の小娘に手柄を奪われたとき、悔しかった。私だって英雄って呼ばれたかった。
誰よりも強くて、かっこいい騎士になりたかった。
だから、あの小娘が気に入らない。
16歳ですって? まだガキじゃない。なんであんなのが私よりも賞賛されて、私が脇役なの?
……あの娘を圧倒できるくらい強くなって、手下にしてやる。今度は、私が英雄の座を奪う番だ。
「レイラ、めちゃくちゃ怖い顔してるけど、大丈夫か?」
「えっ!? ああうん! 大丈夫……先を急ぎましょう」
「疲れたか? ……疲れたよな。2人だけでダンジョン攻略。まだたった3層。これから先、何層あるかもわからない。気を付けていこう」
2人で攻略すれば、レベルが確実に上がるほどの経験値が入る。同時にラストアタックを取って、私たちが初のレベル26になるんだ。
4層目に続くトビラに入り、階段を降りながらスキルボードを見た。
レベル26になると、新たにエクストラスキルが増える。
私のエクストラスキルは、「狂戦士」
条件は、レベル26になること。
効果は身体機能の一時的な上昇。だがこのスキルが他と違うことは、効果時間が1分と長く、それに加えてステータスの上昇率が半端じゃない。常に瞬間移動並に移動し、攻撃は常に必殺技レベルになる。
そこら辺の魔物なら一撃じゃないかしら。
これさえあれば、もう誰にも負ける気がしない。
私たちが階段を降り、4層目に着く頃。急に足場が崩れた。私が下の層に落ちそうになって、手を伸ばす。
「アシメええっ!」
「レイラ! つかまっ!? おおわああっ!」
私たちは下の層に落ちてしまった。痛みに耐え、起き上がると、そこは広い部屋。
目の前には、ボス級の魔物が居た。
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