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15 ギザル、復活! ギザル視点


 朝。おだやかな涼しい風が吹く。


 俺が病室から出ると、食事を運んでくる担当の先生が見えた。


「あっ、ギザルさん、調子はどうですか?」

「ああ、問題ない」

「ふふっ、今日で退院ですね。あの方たちに会いに行くんですか? 気を付けてくださいね」

「ああ、今までありがとう、ナエさん」


 ナエさんはニコっとして、俺が居た病室に食事を置いた後、他の人の食事を配膳しに戻っていった。


 俺は病室に戻り、食事を済ませた後、また広場に戻って椅子に座り、ケガをした腹部をさする。


「ふう、大丈夫そうだな。……大分肉が落ちちまったな」


 シーマの野郎は、今頃どうしているだろうか。まずはカフェであいつの居場所を聞き出さないとな。



 病院の受付カウンターに行き、礼をした後、俺は病室を片付け、着替えて病院の外に出た。


 ◇◇◇



「いらっしゃ、て、お前、もう大丈夫なのか?」


 俺を見て驚くマスター。まあ大けがだったからな。こんなに短い期間で退院できるのはよっぽどのことだ。自分で言うのもなんだが、俺はタフさには自信がある。……まあ、自動回復スキルのおかげなんだがな。


「ああ、久しぶりだな、あいつらは来ていないのか? 礼がしたいんだが」

「あいつら?」

「ピンク髪の猫族だよ、あいつらならシーマの居場所知ってるんじゃねえかって思ってさあ」

「ああ、あの嬢ちゃんたちなら、南の住宅街に住んでいるよ。シーマとな」

「ん? シーマとだと?」



「ああ、俺も詳しいことはよく知らねぇけど、いつの間にか仲良くなってたんだよ、シーマのやつ」


「そうか、ありがとな、近いうちにまた顔だすぜ」

「あいよ、ありがとな」


 マスターはニコっとして、俺を見送った。



 ◇◇◇



 俺はある一軒家の前に来た。どうやらここがあいつらの家らしい。


「ははっ、結構デカい家住んでんじゃねぇか、獣人のくせに」


 扉をノックすると、女性が返事をする声が聞こえて、出てきたのはセリカだった。


「あっ! ごほっ、ギザルさん!もうよくなったんですね!」

「お、おい、顔赤いぞ、大丈夫か?」

「ギザルさんが退院できたのが嬉しくって!」


 後ろから俺を見て驚くシーマ。


「って、ギザル!? もうよくなったのか?」


 目を見開いて嘘じゃないか頬をつねるシーマ。


「退院してよ、マスターに居場所聞いてきたんだ。お前、ここで住まわして貰ってるんだってな?」

「……ああ、お前が来るまでの間、一緒に居させてほしいと頼んだんだ」


「あいつらは」

「知ってるさ、だからお前が帰ってきたら、すぐに家を出るつもりだった」



 あの猫娘たちは、面倒ごとを断れない性格だ。こいつのことも、部屋が空いてるからと渋々住まわせていたんだろう。俺はシーマとギルド本部の近くにあるアパートを借りることを提案した。


「まあ、ここじゃなんだし、家はいれよ」


 そういって、俺を家の中に案内する。テーブルには、あの猫娘と小さな犬娘が仲良さそうに朝食をとっていた。


「ギザルさん! 退院できたんですね!」

「退院おめでとう! よかったわー!」


 安心したと声を掛けてくれる猫娘たち。俺は悪い気はしなかった。犬の少女は俺の顔を見て怯えている。この巨体で、しかも今は回復を優先した結果頬がコケて目の下にクマができている。相当不気味な印象を与えるだろう。


 

「シーマを預かってくれてありがとよ、嬢ちゃんたち」


 俺は頭を下げる。


「いえいえ! シーマさん、いろんなことをそつなくこなすすごい人です! なんだか助かっちゃいました!」

「そうね、これからも一緒に居ていいくらい便利なやつよ」

「おい、便利って言い方はなんだよ」


 シーマのつっこみにクスクスと笑う3人。礼は済んだ。そろそろ帰ろう。背を向け、扉の前に行く。


 シーマがあんなに楽しそうな顔をするとはな。驚いた。


「嬢ちゃんたち、もしよかったら、シーマのこと、頼んでもいいか?」

「へっ?」

「はあ?」


 4人は声を揃えて驚く。だが、すぐにOKの二文字が出た。


「な、なあ、お前はどうすんだよ」

「俺は適当に過ごすさ。貯金もあるし、まずはこの体を元に戻すところからだ」


 肩を回し、体がなまっているアピールをする。シーマは肩を落とし、ため息をつく。


「その……気をつけろよ、ギザル」

「お前も、ちゃんとこいつらを守ってやれよ、お父さん」


 そう言うと、犬族の娘が急に立ち上がり、ムスッとした。


「シーマお兄ちゃんはパパじゃないんだよ! ティナのお兄ちゃんなの!」

「そうかそうか。悪かったよ、嬢ちゃん」




「じゃあ俺はこれで、またな、お前ら」

「近いうちにまた会いましょう!」

「お元気で~!」


 俺は4人に見送られて、街の人込みに消えていった。



 あの猫娘なら、本当にこの街を変えられるかもな。


 俺は、遠くで見守るだけだ。

よんでくださりありがとうございます!


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