学03 となりのカノトくん とおくのミナちゃん
ホームルームが終わり、さっそく授業のオリエンテーションが始まった。担任の先生が黒板に授業で勉強する内容の大きな流れを書きながら説明している。となりに座っているカノトは、なんだか眠そうにしていた。ティナは小声で話しかける。
「カノトくん、大丈夫?」
カノトはハッとして、顔を上げティナの顔を見る。
「ご、っごめん、昨日、緊張して眠れなかったんだ」
「そうなんだ、邪魔してごめんね」
「う、ううん、起こしてくれてありがとう」
照れ笑いをするカノト。
……。
「また、寝ちゃってる」
ティナがカノトを起こすのを躊躇っていると、後ろからカノトを鉛筆で突くフェファル。
「んぎゃっ!?」
「カノトくん、どうかしたんですか?」
「あやっ、なんでもないですっ」
心配そうにする先生。カノトは顔を真っ赤にしてフェファルの方を見る。
ニヤけているフェファル。周りの生徒もクスクスと笑っている。ティナは昨日眠れなかったからと聞いていたが、どうやらいつものことらしい。
「カノト、夜遅くまで魔法の勉強をしてるのよ。目指すは魔導士だ~って」
「そうなんだ、カノトくん、がんばりやさんなんだね」
その後も、ウトウトするカノトを横目で心配しながら、授業を進めていく。
◇◇◇
放課後。ホームルームが終わった後、ティナたち5人は教室の後ろに集まっていた。
「いいなーカノトとフェファルとティナ。お前らだけ席近くて」
羨ましそうなヒロ。頭の後ろに手を組んで拗ねている。
「あはは、こればかりは運だよね」
「俺って外れクジしか引かないんだよ」
ヒロとおなじく外れクジを引いたエナがヒロにうなずく。
「カノト、今日も寝てたわね! 昨日はなに調べてたのよ」
「えっと、昨日は勉強じゃなくって、新しいクラスに誰が来るのか気になって眠れなかったんだ」
「ふーん。夜更かしばっかりして、ノート書き忘れても写させてあげないんだから」
「あはは……きをつけるよ」
腕をくんでフンと首を横にふるフェファル。なにか思い出したかのように口を開け、ティナを見た。
「ティナ、そういえば、セリカさんたちと一緒に暮らしてるんでしょ? 今度遊びに行っていいか聞いてみてよ!」
「それ! 俺も行ってみたい!」
「私も!」
「ぼ、ボクも」
フェファルの言葉にうなずく2人。カノトも行きたそうにしている。
「うん、聞いてみる! 学校のオトモダチが遊びに行きたいって!」
「明日からもよろしくね、みんな!」
ティナは教室を出て、家まで走っていった。
「ミコお姉ちゃん、セリカお姉ちゃん、シーマお兄ちゃん! 私、オトモダチができたよ!」
下駄箱で靴を履き替え、帽子を被って急いで家がある住宅街に向かって走り出すティナ。
校門付近に、ミコのような人が立っているのを見て、駆け寄る。
「ミコお姉ちゃ~ん!」
……あれ、なんか小さいような。そう思ったティナは手を振るのをやめ、ゆっくりと近づく。
「あたし、ミナって言うんだけど」
「ミナって、今日お休みだったミナちゃん?」
「ええ、そうよ。それで、ミコって誰?」
「えっと、私の家族にとても似てたから、つい声を掛けちゃったの。間違えちゃってごめんなさい。それで、なんでこんなところにいるの?」
腕を組んで校門によされかかっているミナは体制を直し、ティナに正面を向ける。
「寝坊、した」
「えっ!? もう夕方だよ!?」
どうやら、ミナは昨日緊張しすぎて眠れなかったようだ。一応制服に着替えて、校門まで来たけど、教室まで行く勇気がでなかったという。
「私、ミナちゃんと同じクラスになったんだ! 引っ越してきて、まだオトモダチが少ないから、ミナちゃんとも仲良くなりたいな!」
「名前、聞いてもいいかしら」
「ティナだよ! よろしくね! 私、そろそろ行かないとだから、また明日ね!」
「ま、また、明日」
ティナはミナと別れて、家に帰った。
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