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転生



ー生駒視点ー

周りは暗く、何も見えない。何も感じない。

生駒は暗い空間にいた。


(やっと終わった。これでよかったんだよな)


生駒は、そんなことを思いながら、ただ意識が飛んでいくのを待っていた。

だが、少しずつ声が聞こえてきた。

視界がゆっくりと見えてきて、ハッキリと見えてきた。

視界に映ったのは青色の髪をした綺麗な女性だった。

身体を動かそうとするが思うように動かない。


「よしよし。私の可愛いエネル」


生駒は視界に入る情報で状況を整理していた。


(確か、僕はあの時に死んだ。銃で頭を撃ち抜いたし、爆発もした。あの状況で生き残ることは不可能。でも、女性に抱えられてるってことは……)


そして、生駒はある結論に到達する。


(これ、転生したのか?)


生駒は、最初こそはありえないと考えたが現に起きていることが事実なので飲み込むしか無かった。


(転生か……ファンタジー小説じゃあるまいし。でも、これもいいかもな。2度目の人生。ゆっくり過ごしたい)


生駒は、科学で有名になってからはほとんど自由が無かった。最初は研究を自由にできるということで喜んだが、途中から兵器を造らされ自由に研究出来なくなった。自分の作った兵器で何人もの人が殺され、嫌な想いをした。

でも、従わなければ好きな人たちや場所が危険になる。だから、道具のように使われてきた。


(前世ではたくさんの人を殺した。だから、2度目の人生は人の為に生きよう。この知識を悪用されないために、強くなろう)




それから5年が経った。

使っている言葉を理解できるようになり、今では字も読めるようになった。最初は本を読むのを隠れてしていたが、天才という言葉で済まされ普通に読むようになった。そして、自分の住んでいる国などのことも知ることができた。

今、自分が居る国は【アスラルト】。大国【フェネイス】の南東にある国だ。【アスラルト】国自体は大きくなく、小国だ。


(はぁ、まさか王族に転生か〜)


そう。僕はアスラルト国の第二王子として転生した。


「ふぅ。この体だと、少し不便だな」


身体が小さいので取りたい本なども取れないし、なによりあまり思ったように動かないことだ。


「もう少し経てば、少しずつ鍛えないとだな」


そんなことを思っていると、部屋の扉が開き一人の男が入ってきた。


「エネル」


髪はボサボサでメガネを掛けた男性。細身に見えるがしっかりと鍛えてあり、それなりに強そうだった。


「お父様、なんでしょうか?」


この人は自分の父【アウデ・フォー・アスラルト】。アスラルト国の王。黒髪で所々白髪があり、口髭が少しある。少し目元にクマがあり、あまり寝ていないとわかる。


「エネル。明日は昼食後、書斎に来なさい。忘れるなよ」

「分かりました」


父が部屋を出ようとすると、思い出したかのように振り返り喋り出す。


「あぁ〜エイナルにも言っておいてくれ、探すのが面倒だからな。私はこれから少し寝る」

「わかりました。おやすみなさい」


少しフラフラ気味に部屋を出ていったアウデだった。

出ていく様子を見ていたエネルは少し呆れ気味に独り言を話す。


「父上、お仕事頑張りすぎですよ。無理しないでほしいな」


エネルは父 アウデのことを心配していた。前世では両親が居らず、孤児院で育ったので両親との温もりがわからなかった。


「さぁ、エイナル兄さんに伝えに行こう」


エネルは、部屋を出て【エイナル】の所に向かうのだった。




エネルは部屋を出たあと、屋敷の庭に来ていた。


「エイナル兄さんなら、この時間はここにいると思うけど」


庭の道を歩きながら進むと、声が聞こえた。声の方に進み曲がり道を曲がると一人の子供とおじさんが居た。二人とも木剣を持って子どもがおじさんに木剣を振るう。おじさんは、受け太刀したり交わしたりして軽くあしらう。


「お疲れ様です。兄さん、ネモさん」


エネルが声をかけると、二人とも稽古をやめエネルの方にむく。


「エネル様。どうしたのですか?稽古は昼食後ですが」


彼の名は【ネモ・フィルダ】。この国の騎士団長をしていたのだが、今は指導員として働いている。この人の得物は槍だと聞いている。


「父上からの言伝です。エイナル兄さん。明日の昼食後、書斎に来いとのことです」

「わかった」


この人は僕の兄【エイナル・フォー・アストラル】。僕の2つ上で優しい兄だ。


「はぁぁぁ〜…疲れた。お腹空いたよ〜…」


エイナル兄さんは脱力して地面に寝転がる。地面は草原なので砂や泥の汚れは付きにくい。


「少し早いですが、昼食にしましょう。エイナル様」

「やったぁ!エネル、一緒に食堂に行こう!」


エイナル兄さんはすぐに起きて、近づいてくる。相当お腹が空いたらしい。


「はい。でもその前に、兄さんは風呂に入ってください」

「そうだね」


エネルと兄、エイナルは楽しく会話しながら城に戻っていく。その二人を見るネモは二人の姿を見て微笑んだ。


「仲のいい兄弟だ。将来が楽しみですな」


ネモも木剣を持ち、二人の将来を想像しながら城に戻っていくのだった。




次の日の昼。

父、アウデに言われた通りに昼食後に書斎にエイナル兄さんと来ていた。

書斎は、そこまで大きくないが広かった。両サイドには本棚があり、部屋の真ん中には机とソファーの応接用の物が置いてあり、その奥には仕事用の机と椅子があった。

部屋で待っていると、父アウデが部屋に来た。


「二人とも居るな。よし、来なさい」


アウデは部屋に自分たちが居るのを確認すると部屋を出ていく。

そして、兄と一緒にアウデの後を追う。

父アウデについて行くと、1つの部屋の前に着いた。


「お父様、ここは…?」

「ここは、私専用の物置だ。私以外にはネモと妻だけしか入れない場所だ」


そう言いながら、部屋を開け中に入る。全員が入ったのを確認すると扉を閉め鍵をかけた。


「こっちだ」


アウデは、部屋の奥に向かい壁に付いているランタン塔を斜めに倒した。するとランタン塔の奥にある棚が動き階段が下に降りた。

アウデは棚からランタンを取り出し、魔石を入れて灯りを灯す。


「行くぞ。ついて来い」


アウデが下に降りていき、二人で一緒について行く。一時歩くと階段が上にあがり入口が塞がれた。

しばらく下に降りていくと、広い部屋に出た。

そこには紙や金属、魔石などが散らばっていた。


「お父様、ここはなんですか?」


エイナルが質問するとアウデは振り返り、説明する。


「ここは、我が国の最大の秘密だ」


アウデは机にランタンを置き、その横にある四角い物を取り出した。


「これは、なんだと思う?」

「ん〜?」

「なんかの、装置?」


アウデは兄弟の解答を聞くと、クススと笑い。持っている物の説明をする。


「残念。不正解だ。これは【魔具】だ」

「「魔具」」


アウデは、超絶に説明をし始める。


「この国が他の国より発展しているのは【魔具】のおかげだ。この魔具は私の曾お爺の時に作られ発展してきた。魔石を入れれば色々とできる。さっき私が持っていたランタンもそうだ。この国の最大の秘密だ」


エイナルがアウデに質問をする。


「では、あの壁にあるのは?」


エイナルはアウデに質問しながら、壁に飾ってある物を指さす。


「ああ、アレは私が作った魔具【銃】だ」


アウデは壁に飾ってある【銃】を取り見せる。見た目は火縄銃で、一発しか撃てない最初の銃。日本では織田信長がこれを使い、最強と言われた武田信玄の騎馬隊を倒した武器だ。


「エイナル、エネル。君らには魔具を知ってもらい、この国を発展してほしい」


兄弟はお互い顔を合わせて頷き、アウデの方を見て喋る。


「「はい!」」

「いい返事だ。よし、これから魔具について説明しよう」


アウデは、壁に付いているランタンに魔石を入れ部屋を明るくし、色々な本を取って魔具の説明をし始めるのだった。



現タイトル【兵器を造るのが嫌になった天才科学者、異世界でスローライフすることにしました!】

なのですが、変更しようとしているタイトル名が【天才科学者の異世界スローライフ】にしようと思っているのですが、どうでしょうか?


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