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僕は普通に生きたいんだ  作者: オキクルミ
4/4

約束


 「凛、結局僕のお願いはどうなったんだ?」

 

 「え?お願い?」

 

 「ほら、僕にクラスで話しかけないで

  くれってやつ」

 

 「あ、あぁ忘れてたわ」

 

 「忘れてたって、さっきのことだぞ。鶏かよ」

 

 グサっ、また殴られた

 

 「グハッ」

 

 「で?なんでそんなこと言うのよ、ま、どうせ

  あんたのことだから目立ちたくないとか

  そんなことでしょうけど」

 

 「そう、そう、そうなんだよ、よくわかったな

  それで?どうなんだ?」

 

 「わかった、わかった」

 

 「マジで!よかったー、断られると思ってたから

  勇気出した甲斐があったよ、じゃ、お前と一緒に

  行くと目立つかもしれないから先行くな」

 

 いやー、よかった、よかった

 

 勇気出してみるもんだな!でも、なんかあいつ

 

 すごいニヤニヤしてたんだけどなんでだ?

 

 我ながら随分ひどいこと言ったと思ってたんだけど

 

 あいつほんとはMなのか?まあでも、ニヤニヤ顔も

 

 可愛くて、いいもの見れたしいっか、お

 

 変なこと考えてたら教室ついたな。

 

 よし!この一年普通に生活するため

 

 にも、最高の友達を作らなければ!

 

 僕は別に普通に生きたいわけだから、

 

 普通に友達は欲しい!たくさんいても

 

 いいと思ってるくらいだ。いざ、ゆかん!

 

 て、なんでこんなテンション高いんだ僕?

 

 初日なんだし、落ち着いて、いきなり

 

 喋りかけたりせず、目立たずにいこう!

 

 さて、この一年共にする人たちはどんな人

 

 たちかな。あれ、あんまり人いないな

 

 四、五人いるくらいだな。一年の時は

 

 教室に着いたらほとんど人が来てて

 

 入りにくかったから今日は早く来たんだけどな。

 

 二年はあんまり早く来ないのか。

 

 なんだ、気合入れて損したな

 

 いきなり、話しかけるのもなんだし、本でも

 

 読んで時間を潰すか。

 

 十分ほど経つとだんだん人が増えてきた。

 

 お、人も増えてきたし、知り合いでも探そうかな。

 

 うーん、あんまり、知ってる奴いないな。

 

 どうしよう、一人だと友達いないみたいで嫌だな。

 

 でも、いきなり話しかけるのもアレだし、

 

 て、あれ、なんか人がいっぱい集まってるな

 

 なんかあったのかな?

 

 目を凝らしてよく見てみると、そこには駿の

 

 姿があった。

 

 え、あれ駿じゃないか?マジかよ一年で一緒

 

 だったから二年では違うクラスだと思ってた。

 

 あ、でも、凛とも一年で一緒で二年でも一緒

 

 だな。じゃあ、普通か。それよりも駿にも

 

 クラスではあんまり話しかけないでくれって

 

 いっとかないと。あんな人気者に話しかけられたら

 

 目立ってしまう。さて、あいつが話しかけて

 

 来る前にそのことを伝えないとな。どうしよう

 

 あんな人だかりの中に入って、駿に話しかける

 

 のは無しだな。目立つし、なによりあんな中に

 

 入ってったらすごい疲れそうだ。そうだな

 

 LIMEでもするか。

 

 クラスではあんまり話しかけないでくれないかっと

 

 よし、送ったぞ。お、返事きた。あの人だかりの

 

 中でよく返せるな。わかった、か、よし!

 

 これで安心して過ごせるな。あれ、なんか

 

 駿のやつニヤニヤしてないか?イケメンの

 

 ニヤニヤなんか見ても嬉しくもなんともないんだが

 

 お、そろそろ時間だな。先生もきたし本片付けるか

 

 始業式のために体育館まで移動するのか、

 

 始業式やだな、校長の話なに伝えたいのか

 

 よくわかんないし、長いし、嫌いなんだよな

 

 てか、一人で移動するのつらいな。みんな友達と

 

 移動してるのに一人だとほんとに友達が

 

 いないみたいに思われそうだな。早めに行って

 

 座ってるようかな。

 

 …………………………………………………………

 

 始業式も終わり教室に戻ってきた

 

 「明日から普通に授業あるから、忘れず

  遅刻しないように」

 

 担任の女の先生の話も終わり、

 

 みんな帰る準備をしだした。

 

 さて、僕も帰るか。凛や駿は新しいクラスメイト

 

 から連絡先の交換を求められてる。

 

 僕のところには一人もこない。ま、それもそうか。

 

 僕みたいな普通のやつの連絡先知りたいやつなんて

 

 いないか。僕もこられたら困るし得したと考えよう

 

 僕が帰ろうとしていると凛がこちらを向いてきた。

 

 あれ?なんかこっち見てる気がする。

 

 後ろに誰かいるのか?

 

 後ろを見てみたが誰もいない。

 

 あいつなにをみてるんだ?まさか僕?

 

 いや、でもあいつはクラスで話しかけないで

 

 くれって言ったら、わかったって言ってたよな?

 

 じゃあなんでだ?なんかだんだん近づいてきてるし

 

 これはほんとに僕なんじゃないか?

 

 やばい、早く帰ろう。よし、あとちょっとで

 

 教室を出れる!ガシッ、肩をつかまれた。

 

 「どこ行くのよ、湊。これからみんなで

  親睦を深めるために遊びに行くんだけど

  湊も行くよね?」

 

 うわっ、こいつほんとに話しかけてきた。

 

 約束は守るやつだと思ってたのに、見損なったぞ!

 

 さて、こいつにいつもみたいに話しかけたら

 

 こいつと仲がいいと思われてしまう。

 

 僕みたいなやつがこんな学校の人気者と

 

 仲良く話してたら目立ってしまう!

 

 せっかく一年の間普通に過ごしたんだ。

 

 こんなところで目立ってたまるか!

 

 ここは他人行儀に話そう。

 

 「すいません、天沢さん。今日はこれから

  用事があって行くことができないんです

  みんなで楽しんできてください」

 

 くそ!凛相手にこの話し方は少しむかつくが

 

 我慢だ!よくやった僕!

 

 「なによ湊。天沢さんなんて他人行儀じゃなくて

  いつもみたいに凛って呼んでよ」

 

 こいつ!僕を目立たせようとしてる!

 

 ここは強引に話を切り上げて帰るか

 

 「なにを言ってるんですか天沢さん?

  誰かと勘違いしてると思いますよ

  それでは僕は急いでいるので」

  

 「おいおい湊、そんな急ぐ用事ってなんなんだ?」

 

 こんどは駿が話しかけてきた


 こいつも約束守らないのかよ!用事なんて

 

 なんもないよどうしよう。ここでホントは

 

 なんもないなんて言ったら印象が悪くなって

 

 しまう!どうすればいい!何かないか

 

 そうだ!塾があるってことにしよう!

 

 「塾です」

 

 「あれ?湊塾行ってたっけ?」

 

 こいつなんでこんな時だけ記憶力いいんだよ!

 

 「最近行き始めたんですよ天沢さん」

 

 「塾は何時からなのよ」

 

 「えっと、十二時からです」

 

 「ずいぶん熱心なのね」 

 

 自分でも思うよ!なんだよ十二時からって

 

 どんだけ熱心なんだよ!

 

 「塾休むことはできないのか?」

 

 この二人はなにが目的なんだ!

 

 「おい、凛。そいつ誰だよ」

 

 げ、こいつは司波亮

 

 髪の毛を金髪にし、ワックスをがっつりつけており

 

 体格はがっしりとしている。クラスの中心人物だ

 

 「そんな奴どうでもいーから、早く行こうぜ」

 

 そんな奴とはひどい言い草だな

 

 「そーだぞ天沢、早く行こうぜ」

 

 こいつは司波の取り巻きの一人の東堂

 

 下の名前はなんだったか覚えてないが、

 

 むちゃくちゃガタイがいい。ラグビー部か

 

 柔道部のどっちかだろうか。

 

 「そんな人と話してるのは時間の無駄ですよ」

 

 今度はインテリみたいなのが来た。

 

 こいつは確か西島だったと思う。

 

 メガネをかけて、東堂とは違いひょろりと

 

 していて、いかにも頭が良さそうだ。

 

 てか、時間の無駄って言われた。

 

 なにげにショックだな。見た目と違って

 

 ずいぶんきつい性格のようだ。

 

 もうめんどくさくなってきたし、

 

 凛と三人組が話してる間に帰るか。

 

 そうして、僕は一人でこそこそと教室を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

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