ゴット凛様
これから金曜日に投稿したいと思います。
まだまだ書くのは苦手ですが、よろしくお願いします。
学校に着いた僕がクラスの確認をしていらと、
「湊、おっはよー」
後ろから思いっきり、叩かれた。
痛っ、てかこんな強く叩いてくる奴は...
僕が振り返ると、そこには満面の笑みをたたえる
美人が立っていた。
「やっぱりお前かよ凛」
こいつの名前は天沢凛
ドイツ人とのハーフでぱっちりとしているが、
少し気の強そうな印象の目と、細い鼻筋
唇は少しぷっくりとして桜色をほんのり
おびており、瞳の色は深く青い色をしている。
ここら辺がハーフなのだと感じさせられる。
髪型はボブヘアというもので、髪色は、
明るいブラウンである。
そしてなによりのこいつの特徴は胸である。
普段は着痩せするタイプなのかそんなに
分からないが、僕は知っている。
この後ろから叩いてきた女、天沢凛は
巨乳なのである。こいつとは、保育園のころから、
同じなのだが、中学のころ、水泳の授業で
クラスの男子の視線をあつめまくっていた。
それはもう驚くほどに集めていた。
UFOでも現れたかのように、
クラスの男子全員が凝視していた。
だが、こいつはそんなことを気にしないのか、
その凶器を隠すこともなく普通に
授業をうけるので、それがまた、
クラスの男子の視線をあつめる理由になった。
そんなことなので天沢凛は美人である。
そこらのヘタなアイドルよりも、きれいで、
道を歩けば、人の目を引くことは間違いない。
それなのにこいつはモテない。
その理由ははっきりとしている。
それは、こいつが凶暴だからだ。
こいつには、数々の伝説がある。
有名なのは、中学生の頃、友達の女子が
近くの有名な不良高校の生徒に暴力を振るわれた
ことがあった。それを知ったこいつは、
その不良高校に一人でのりこみ、
高校を壊滅させたのである。それを知った時、
僕は二つのことに驚いた。
一つ目は、まだ、不良高校なんてものがあった
あったのだということ。
二つ目は、そんな不良高校に一人でのりこみ、
高校を壊滅させるような奴が、僕の幼なじみ
だということである。
そしてここからがすごいところで、
この事件があった後、その噂を聞いた不良が
襲ってきたが、こいつはその全員を
病院送りにしたのである。そして、この辺りの
番長のような立ち位置についたのである。
それなので、みんなこいつを恐れて
告白などしないのである。それでも
中には勇気がある奴はいるようで、
高校一年の最初の頃は、告白する奴も
少しだが、いたのである。だが、こいつは
その全員を罵詈雑言をあびせて、返り討ちに
したそうである。それからは誰も告白しなくなった
そんな凶暴で乱暴なやつだが、
なぜか人気者なのだ。こいつは人の中心に
立つのがうまいのか小学校でも中学校でも、
高校でもどこにいっても人気者なのだ。
そんなこんなでこいつは誰も告白はしないが、
みんなからの人気はある、アイドルのような
立ち位置にあるのである。
そして、僕はこいつが苦手だ。
なぜかというと、こんな人気者と幼なじみと
いうことが知られたら、どんな恨みをかうか
わかったものではない。ただでさえ、
こいつはよく話しかけてくるので
男子からの嫉妬を向けられているのである。
幼なじみだと知られれば、僕の好きな普通の
生活とはどんどん遠ざかってしまう。
それにこいつはスキンシップが多い。
こいつにとっては軽くやっているつもりだとして
も、こっちからしたらたまったもんじゃない。
今、叩かれた時もものすごく痛い。
少し見栄を張って「痛っ」っていう反応
だけにしたが、実は今すぐにでも倒れて
転げ回りたい。本当にものすごく痛い。
人間、こんなにも力強く叩けるのかと思う。
ほんとこいつは、格闘技始めたら、すぐ
全国行くのではないだろうか。
「湊クラスどこだった?」
「Bだったよ」
「マジ!一緒じゃん!」
「マジかよ」
「なんでそこで残念そうなのよ。もっと喜び
奉りなさいよ」
「なんで喜び奉らないといけないんだよ」
ガシッ
いきなり頭を掴まれた。
「痛い、痛い、痛い」
やばい、めりこむ、指がめりこむ。
頭が割れるような痛みというが、
これは頭が割れた!潰された!
「嬉しいわよね」
怖い怖い、目が笑ってないよ!
凛さん目が笑ってないよ!
やばい!これは、嬉しいと言わないと
死ぬんじゃないか。まだ始まったばかりなのに!
新学期も、小説も!まだ、登場人物四人だけだぞ!
いや、不良は入るのか?
てっ、そんなこと考えてる場合じゃない!
嬉しがらなければ!
「う、嬉しいなー。凛さんと同じなんて
神様が与えてくれた奇跡としか言いようがない!
いや、凛さんと保育園で同じだったことが、
奇跡だ!凛さんなんて言えないな、これからは
誠意を込めて凛様、いや、ゴット凛様と呼ぼう!
ということはこれはゴット凛様が与えてくだ
さった奇跡ということか!ありがとうござい
ます!ゴット凛様万歳!この大恩は一生
忘れません!さあ、なんなりと御命令を
ゴット凛様!とりあえず、靴をお舐めしましょう
か?いや、それでは僕の…」
「黙れ」
あれ?余計に怒らせてしまった。
まあ、途中で面白くなってゴット凛様とか
いっちゃったからな。しょうがない、
諦めよう。これには僕にも落ち度がある。
あまんじて死を受け入れよう。さらば
妹よ、さらば読者よ!
「はー、ゴット凛様とかいってきてむかついたけど
許してあげるよ。ほら、早く教室行こ」
「え?許してくれるのか?てっきり、頭潰されて
殺されるのではないかと思ってたよ」
「湊はあたしをなんだと思ってるのよ
幼なじみをこんなことで殺さないわよ」
幼なじみじゃなかったら殺すのかよ。
全く怖いやつだ。あ!そうだ、こいつと
同じクラスなら言わないといけないことがあるじゃ
ないか!これをいっとかないと大変だからな
「凛、クラスに行く前に話したいことがあるんだ
がいいか?」
「え?なによ、いきなり改まってもしかして告白
きゃー、どうしよう、照れちゃうなー」
「真剣に聞いてくれ!」
「え、そ、そうね!覚悟はできたわあんたなら
いいわよ」
よし!いうぞ!もしかしたら殴られるかも
しれないが、こいつとは保育園からの
つきあいなんだ!大丈夫なはずだ!
「凛!」
「は、はい!」
「クラスでは話しかけないでくれ!」
「喜んで!……え?」
「マジで!やったー、断られると思ってたから
よかったー!」
グサっ
凛の拳が僕の腹にめり込んだ。
「グハッ、な、なにすんだいきなり!」
「あ、あんたが変な期待させるからでしょ!」
え、なにこいつなんで赤くなってんの
人殴って興奮してるのか、そういう性癖だったのか
よしここは幼なじみとして受け入れてやらないとな
グサっ
また凛の拳が僕の腹にめり込んだ
「グハッ」
「あんた今変なこと考えてたでしょ!」
な!なんでわかったんだ!超能力も持ってたのか!
それよりどうすればいい、どう答えればこの場を
切り抜けられるか考えろ!選択肢は、認める
否定する、逃げるの三つだ。どれが一番被害が
少ないか考えるんだ!
まず認めるの場合は
「あぁ、考えてた!」
グサっ、凛の拳が僕の腹にめり込む。
ダメだ!殴られてしまう!
次に否定する場合は
「そんなこと考えるわけないだろ」
「嘘ついてんじゃねー!」
グサっ、凛の拳が僕の腹にめり込む。
ダメだ!これも殴られてしまう!
最後に逃げる場合
考えるまでもなく凛に追いつかれて殴られるな
やばい、どれも殴られてしまう
しょうがない。どーせ殴られるなら、
素直に言おう!
「あぁ、考えてた!」
グサっ、やっぱり凛の拳が僕の腹にめり込んだ
「グハッ」
「ちなみに、なに考えてたのよ」
「いや、その、凛のことを受け入れて
やらないとなー、みたいなことを」
やばい、冷や汗が止まらない。変なこと
考えるんじゃなかった!
グサっ、また凛に殴られた
「へ、変なこと考えてないで教室行くよ!」
こいつまた顔が赤くなってるぞ、やっぱり
いや、変なことを考えるのはやめよう!
あれ?てか、僕のお願いはどうなったんだ?