ep05 Preparing for a break? Shut up!This is hell!〈休みの準備?うるせぇ!こっちは地獄なんだよ!〉
多分、サブタイトルは今まで長いと思う。
やばくね(;'∀')
うん、やばい。どれくらいやばいかと言いますと次に天気予報のノリが来るぐらいやばい。
えっと、現場の『山鳥のハラミ』さーん。
瞼を開くとそこは白い天井があった。
「‥‥寝よ」
白い天井があったんでもう一度寝ようとした。
「寝るな」
「だって、どうせ保健室でしょ?もう、わかってんだよ!この展開は!どうせ、『ここは?』なんて言ったらさ扉が開いて『あぁ、やっと起きたのか』とか感動的な場面になるんだろ!」
「逆にそこまで元気なら心配無用だな」
ベッドの近くにいた優華は命都の状態を見ていつも通りと判断すると少しだけ安心感に浸った。
「大変だったんだぞ」
「? 後始末が?」
「それも、命都が使っていた機体、あったでしょ?」
もしかして『ハントレス』のことだろうか?もしかして問題起こした!?そうなったらさすがに自分の心がもつ気がしない。
「その結果がね。最後に命都が本気を出しちゃったから計測器がオーバーラインに入ったし通常戦闘でも命都の操作に機体が摩擦で持たないからまた、計算のし直しらしい」
はぁー、そんなことがあったとは自覚があったとはいえそこまで言っていたとは‥‥ということは?
「まさかね」
「命都の考えているように復帰直後に駆り出されるよ」
「マジでか」
「まじ」
優華はお見舞い用の果物バスケットからリンゴを取り出し持っていたナイフできれいに斬っていく。そして斬り終わるとかわいらしいうさぎちゃんに変わる。
「はい」
「ありがとさん」
「む、」
すると綺麗に盛りつけられているリンゴをもらう。
? なんでそんなに不機嫌そうな顔をするのだろうか?よくわからんがなんか言っておこう。
「どうした?」
「別に」
本当に何がしたいんだろうか?自分にはよくわからないことだらけである。
「もしかして、あーんってやつがしたかったのか?」
「別に」
「‥‥じゃあ、なんなんだよ」
事情説明が終わったら、急にいじけ始めて本当に何なのかわからない。
そんな気まずい時間をただ過ごしていた。
命都は安静期間を終えるととある部屋にいた。
そう、メンテナンスルームだ。
「これから葛葉 命都、復帰いたします」
命都はそういうと、周りからぱちぱちと拍手が聞こえ声援が聞こえる。
(……どういうことだ?ものすごく気持ち悪いんだが?)
内心その光景に気持ち悪がっていると千鶴が近づく。
「いやー、復帰おめでとう。このまま復帰できなかったらデータと端末をもっていかないといけない所だったよ」
その言葉を聞くと、命都は嫌な悪寒が全身に走る。
「あの、「じゃあ、命都さん来たんで休憩入りまーす」
「えっ」
「じゃあ、私も」
「俺も休暇もらいまーす」
「先輩、お願いしまーす」
「ま、まさか……!」
「いやー、ようこそ。命都君、歓迎(Welcome)する( to )よ(Hell)」
やられた……。
もしかしたらと思っていたがこれ以上とは……やることが『ハントレス』の修正、調整。そして、演算。この三つを達成するために呼び出すのは分かるが、まさか他の人たちに休みを与えるとは、きれいに乗せられたような気がする。
「頑張ってくれるよね?」
「‥‥はい」
千鶴の質問に命都はものすごい引き攣っている苦笑いで答えた。
眠い。正直言うとものすごく眠い。
「どうした?眠そう」
「?、あぁ、優華か。いや、このところ全然寝ていなくてね」
「どのぐらい?」
「一週間ぐらいかな?」
「よく起きていられるね。何時に寝ているの?」
何時に寝ているか、かぁ。よし、ここはちょっとしたジョークを入れてみようかな。
「うーん、マルフタマルマル」
「午前二時ね」
あっさりばれた。そういえばこの言い方を教えたのは自分だった。
そんな命都の顔を優華はずっと見てくる。
「……何か?」
「そんなに大変?手伝う?」
「あ?あぁ、大丈夫だよ。昨日終わったし」
「そう」
? なんでそこでテンションが下がるのだろうか。本当に人の心とはわからないものだ。
そんなことを思いながら命都は次の授業の準備をする。
「次って何?」
「数学」
「寝るわ」
「佐藤ちゃんのだけど?」
佐藤先生・・・
本名は佐藤 美織。この学校では人気者の数学教師でよいスタイルに胸元についている大きな双丘と人望の多さ、そして明るい笑顔。
その話しかけやすさと時々あらわすドジっ子性に生徒の皆から『佐藤ちゃん』と言われ親しまれている。そのせいか、いつも絶え間なく生徒や男性教師から求婚を申し込まれている。
だが、命都はそんな彼女に対して逆だった。
「あの人の声は眠くなりやすい」
「そう」
そう、眠くなりやすいのだ。いや、嫌いとかではない。逆に友好的だ。そう自負している。
あのほわんほわんした雰囲気のせいで何かと接しにくいしいるとどのように対処すればいいのかわからない。そういう彼女が怖いのである。
「じゃあ次の授業寝るから、よろしく」
「……わかった」
キーンコーンカーンコーン
「はーい、授業はじまりますよー」
学校がチャイムが鳴ると教室の扉が開き、佐藤先生が入る。さすが数学の先生だ。一分一秒としてずれがない。
「今日は昨日の続きの関数の勉強をします~。余ったらピタゴラス方式についても学びましょうか」
なぜ途中でピタゴラス方式を使わなければならないのかという気持ちと一緒に命都はばれないように瞼を閉じた。
そうして数学の授業が始まった。
「……」
「…………ぃ………ろ………」
声が聞こえる。けれどもきちんと聞こえない。
「………ぃ、……きろ…」
徐々に声が大きくなってくる。それでもよく聞き取れない。
「………おぃ、ぉきろ…」
あー、けど徐々に聞こえ始めてきている。
「……おい、起きろ」
意識がはっきりとする。瞼を開くとがやがやと騒がしい教室だった。
そして顔を上げると目の前には優華がいた。
「起きたな」
「あぁ、起きましたけど?」
命都は頭を掻きながら優華の質問に答える。
「よく眠れたか?」
「あぁ、うん。寝れた。それにしても授業どうだった」
「佐藤ちゃん、怒っていた」
なぜだろうか、あの人が怒った顔がすぐに思いつく。
「そうですよ!」
「シリルか。おはようさん」
「あ、おはようございます。じゃなくて!」
優華の横からひょこ、とシリルを顔を出しお辞儀をする。この子も日本の文化に染まったなぁ。
そんなことを思いながらも話は勝手に進む。
「放課後、呼び出しされた」
「えぇ、まじか‥‥はぁ、まじでか」
起きたばっかり思考がきちんとしない。
あぁ、けれど呼び出しをされたということだけは分かる。
放課後行くのか。つらいな。
「あぁ、わかったよ」
「佐藤ちゃん、頬膨らませていたからね。それにシリルは戸惑っていたし」
「え!?そうでしたか!?」
「気づいていなかったんか」
そんな和やかで日常的な会話をしながら次の授業を準備をしていた。
放課後、自分は職員室の前にいた。
「入るきしないな」
妙な圧が感じる職員室の扉に対して命都はただただ立っていると背後から声をかけられる。
「おい命都、職員室に突っ立てんじゃない」
「あ、薫子先生」
「お前、どうして職員室にいる?」
「呼び出しです」
「はぁ、佐藤先生か……」
「ウィ!」キリッ
ドスッ
「いでっ」
薫子先生がため息をつけながら元気よく返事をした命都の頭を出席簿の角で叩く。
その叩かれたところを命都はなでると、薫子先生が横を通り過ぎて職員室に入ってくる。
「お前も早く終わらせろよ」
「……はーい」
まぁ、適当に終わらせちゃえばいいかな?
「伸ばすな」
急に出てこんでくだせぇ。
薫子先生が職員室から顔を出して命都に注意する。
「はい」
命都はきちんと返事をすると薫子先生に続いて職員室の扉を開け入っていく。
「失礼しまーす」
職員室の先にはたくさんの先生が明日の準備や宿題のチェック、パソコンで資料などを作っていた。
その中でも異色を放つ空間があった。その空間だけは真剣とした職員室とは真逆なふんわりとした柔らかな空間が広がっていた。
「やっと来ましたか命都君!こっちです!」
その空間の中心にはあの佐藤先生がいた。
先生の机にはかわいらしいピタゴラスの手作り人形や数多くの数学学者の手作り人形が置いてあり、ゆるふわ系女子の机となっていた。
「もう、遅いです!何していたんですか!」
「職員室の前で入るか入らないか迷っていました」
「そうですか」
そういうと佐藤先生はマグカップを手に取り中に入っていた暖かいココアを飲んでいた。
けれど猫舌なのかすぐには飲もうとせずフーフー、と息を吹きかけた後でゆっくりと飲んでいた。
「それでですね。授業の内容ですがね、もうちょっときちんとしてください!」
「はぁ」
「もう、きちんとしてくださいね!」
「それとですね……」
頬を膨らませながら注意する佐藤先生はかわいらしいが鼻の下にココアの飲んだ痕、髭がついていた為さらにかわいらしさが増したと思っている。
「あの」
「何ですか!」
ちょんちょん
いまだに頬を膨らませて怒っている佐藤先生に顔の鼻の下をさして教えてあげると佐藤先生は口元に触れ、それに気づくと慌ててそれのハンカチで拭く。
「……知っていたんですか?」
逆になんで気づかなかったんだ?
飲んだらまず口元のチェックが必要だと思う。
「知っていました」
佐藤先生の質問に対して正直に答えた。
「知っていたんなら教えてください!」
目じりに涙をためながらぽこぽこと命都をたたく先生、それに唖然する命都。周りのやじ馬の教師たちは佐藤先生の顔を堪能してるが自身は一秒でも早くここから立ち去りたい。
「あの、すみません。用件が済んだのであればもう行ってもよろしいでしょうか」
「うー、私はまだいろいろと許してはいませんけど行ってもいいですよ」
頬を膨らませていながらいう佐藤先生を見ると命都は一礼して去る。
「あと先生、何かを食した後は口元をきちんと見たほうがいいですよ」
「えっ」
去り際にそんなセリフを残していくと、佐藤先生は慌てて机の下から手持ちの鏡を取り出すと口元についていたクッキーの食べかすを見てわなわなと震えている。
「お前も変な人に目をつけられたな」
「もう慣れました」
職員室を出ると中から佐藤先生の悲惨な声が聞こえてくる。
もはや天然の領域を超え、病気かなんかだと思ってきてしまうほどだ、
「本当に大変だな」
「大変っていうなら助けてください」
「断る」
世間にはこんなに酷い先生がいるもんだから、世の中はもっとひどい人間がいるんだろう。
そう思った命都でした。
「お疲れ」
「帰っちゃダメ?」
「ダメ」
「際ですか」
職員室の悲劇が終え、命都はメンテナンスルームにいた。
ついてすぐにいつもの場所に移動して優華と何も変哲がない会話をしていた。
「そういや命都」
「あん?」
「明日のことなんだけどさ」
「あ?あぁ、買い物に行くんだっけ」
「きちんと準備した?」
「今日、準備すればよくない?」
なんで早く、準備しなければならないのか。逆にそれを聞きたいほどだ。
「はぁ、お前」
何でそんな哀れな目で見てくんの?
「きちんとボディガード頼んだ」
自分はエスコートもしないのか。まぁ、紳士的な行為やボディガードなんて一向に出来ないけど。
心の中でどや顔をしながら、優華の話を聞き続ける。
「じゃあ明日のために早く作業終わらせましょうかね」
命都はそんなことを言いながら素早い手捌きで端末のキーボードをたたく。
「はぁ、やる気があるんなら。早くやればいいのに」
今日の優華は溜息多いな。
作業が早く終わり、暗い夜道をただ一人歩く。
「門限……大丈夫じゃないのよね」
空は一目見ただけでもわかるほどに真っ黒で、月が妖しく輝いていた。
「よう」
「……うす。薫子先生、ご苦労様です」
寮の入り口の前には見慣れた先生がいた。
「お前を待っていたんだよ」
「本当にご苦労様です」
本当に迷惑かけてすみませんでした。自分のためにこんな遅くまでにいてくれるなんてなんていい先生なんだろうか。
「本音を言うとな、すぐに閉めようとした」
やっぱ悪魔やん。
「だがな、篠原達に静止されたからな、こうやって貴様を待っていたということだ」
優香たちよ。この悪魔を止めてくれてありがとう。一歩遅ければ、自分は野宿だったよ。いや、本当に。
「早く入れ、じゃないと締め出すぞ」
「すんません!それだけは!」
そう言ってさっさと寮の中に入る。すると後ろからガチャリと扉が閉まる音が聞こえる。
本当に最後だったんだ。
「飯は今なら間に合う。部屋に行く前に食ってけ」
「はーい」
「はぁ」
先生が許す速度で走り出すとすぐに食堂につき、食券を買う。
「お願いしまーす」
「あいよー」
食券を配給のおばさんに渡すと厨房からガチャガチャと聞こえ、料理が出てくる。
「やっぱこれがいいな。肉野菜炒め定食」
皿にのった、たっぷりジューシーの肉野菜炒めとお椀に入っていた白くてぷりぷりと輝く日本人ならこの柔らかい匂いを放つ白い米は食欲をそそらせる。
「いただきまーす」
そう食事のあいさつを済ませると丁寧にかつ、迅速に口の中に入れていく。
たっぷりと皿の上に載っていた肉野菜炒めはあっという間に消え、お椀の中に入っていたご飯もおなかの中に消えていく。
「ごちそうさまでした」
そういって、食器が乗っているプレートを回収棚に入れるとさっさと食堂を去る。
「大浴場はさすがに閉まっているかな~、もうシャワーでいいや」
そう言って制服を脱ぎ始め、脱いだ制服は少しだけ雑にハンガーにかける。
コンコン
するとドアにノックされ上半身下着だがドアを開ける。
「はい?」
まぁ、その時は男子か薫子先生だと思ったけれど目の前にいたのは、
「……あ、えっと、すみません」
顔を赤めているシリルだった。
「……すまん、ちょっと待ってくれ。何か羽織れるもの探してくる」
「あ、はい」
そう言って扉を閉める。
……はぁー!やっちまったー!
扉の前で座り込んでしまうがすぐに立ち上がり、ハンガーにかけてある薄いパーカーをとる。
ガチャリ
「すまん。待たせたか?」
「い、いえ。大丈夫です」
「そうか……」
沈黙が続く。
そりゃそうだ。上半身ほぼ裸で女性にあってしまったのだ。シリル側も自分自身も恥ずかしい。
「「あの(あのな)」」
「「………」」
沈黙が再び流れる。
「そちらから」
「あ?あぁ」
いやぁ、これもの凄く気まずいのだが。これで話すことなんて相当、自分自身に自信があるものだけだ。
えっ?自分?無理ですけど?
「……何か用があって?」
「あ、はい。そうなんですけど……大丈夫ですか?」
「あぁ、大丈夫」
本当はいうと全然、大丈夫ではありません!ものすごく恥ずかしいです!
そのような羞恥を顔に出さないように、一生懸命抑える。
「明日のことなんですけど」
「明日?」
明日なんかあったか頭の中を回転させる。あ、だめだ。疲労で回らねぇ。
「明日は、優香さんたちと一緒にお出かけをすると決めていたじゃないですか!」
「……」
やべ、忘れてた。疲労は過去の記憶さえも消去する。
「もしかして忘れてたんですか?」
「忘れていないよ」
いいえ、ガチで忘れていました。なんの準備していない。
「そうですか、で明日の予定を確認したくて」
「おう、どぞどぞ」
「明日は校門前に9時集合ということでいいでしょうか?」
9時、何も予定は入っていないな。となると明日は・・・
「OKOK、了解了解」
「では、遅くに失礼しました」
「じゃあな、気を付けて部屋まで帰れよ~」
そう言うと部屋の扉を閉め、机の上に置いてある手帳を開く。
「9時ね」
そういって書き込むと、扉の前にいるシリルを見る。
「どうしたん?入りなよ」
「あっ、はい」
そういってシリルはすんなりと入る。本当にこの子大丈夫かなぁ。
そんな心配をしながらも机の前にある椅子に座って、シリルはベッドに座る。
「なんで扉は閉めないの?」
「えっ、それって……」
「……もしかしてやばいこと?」
「……はい、フランスでは男女が一緒の部屋にいても扉を開けとかないといけないので、えと、閉めとくと、ええと、……s……になっちゃいますから」
聞き取れなかったから後日調べたことなのだが、これ本当にやっちゃいけないらしいです。その時、知りましたよ。無知とは怖いのだなと思った。
あと一歩で自分は犯罪を起こしそうになるのではないかと恐怖感に襲われましたから。
「えぇと、お茶飲んでく?」
「あ、はい」
気まずい。この気まずさは久しぶりだ。
確か前は、話が一番合っていてそうで合っていなかった優華の会話に終わった時ぐらいだ。
なんで、あそこでパンとパイルを聞き間違えたのだろう、と未だに思う。
「あ、はい。お茶」
「あ、ありがとうございます」
命都がお茶を差し出すと、シリルは気まずそうに受け取る。
う~ん、そうなると少しつらいんだが?
「え、えっと命都さんはなぜASに?」
「あん?どゆこと?」
「えーっと、なぜASの育成機関であるこの学校に?」
「あー、そゆこと。まぁ、かっこよかったから、かな?」
「かっこよかった、からですか」
シリルは意味が分からなそうにこちらを見てくる。
うん、だれだってかっこいいからという理由だけで分かってしまう人はいない。
「うん、今後のことも考えたら。やっぱりここかなっていう気持ちもあるかもしれないけど、やっている科目が浪漫あるじゃん」
「浪漫ですか」
「そう、浪漫。だれだって将来、好きなことだけで飯食っていきたいでしょ?」
「そうですか」
「そうだよ」
実際、それで本当で食っていけるかというとNOだろう。
挫折、現実、いろんな事情で本当に自分がしていきたいことは潰える。それがこの世だ。
「私は、考えたことないです」
「あ、そう。まぁいいじゃん?人の道は一つじゃないから。だから、自分ももしもということがあっらきちんと別の道を準備しているさ」
「……」
「で?お宅はどうするの?」
「え?」
「だから、卒業したら何するの?自分はこっちの道一筋だけど」
「私は‥‥」
「‥‥ま、いいじゃん。気軽やっていこうや」
「‥‥はい」
沈黙が流れる。時計の針が進む音が部屋全体を支配する。
たまにお茶をすする音が聞こえるが、全然、喋ろうとしない。
「……時間だ」
「はい?」
急に話を振られたせいで何を言っているのかわからないシリルがいる。
「時間。部屋に戻んなきゃ、寮母さんに見られるよ~。明日のこともあるし」
「……は、はい」
「なら帰った、帰った」
そう言ってシリルの背中を押し、部屋から追い出す。
さすがに遅くまで女の子を自分の部屋に入れるなんてことはしない。
「じゃあ、明日」
「……はい」
命都がそう言うと、シリルは微笑んで返してそのまま命都の部屋から去っていった。
「………」
シリルの背中は少し、寂しかった。
「どうしたらいいんかね~」
はーい。えー、こちら。現場の『山鳥のハラミ』でーす。
えっと、では現場から今後の予報となります。
今後は三回か四回程度、投稿したら第一章終了となります。
注意するところは、ヒロインの勘違い現象に気を付けましょう。
では、現場からでした~。