ep04-4 『Hawk eye〈鷹の目〉』
そんな中、遠くから見ていた薫子先生たちがいた。
「神田先生、なぜ、葛葉さんは降りたのでしょか? あのままだった一方的に攻撃できるのでは?」
「ん? なんだ、藍染。知らないのか?なら一つ問題を出そうとしようか」
「は、はい」
「葛葉の機体の機体名、型式番号、機体世代を答えて見せろ」
「は、はい。確か、葛葉さんの機体は第二世代初期型、型式番号Bg‐02R。機体名『ベガス』です」
「では第二世代初期型の特徴を言ってみろ」
「はい、第二世代初期型の特徴は空中飛行が初めて成功したところです。他には多彩の武装が搭載できることです。ですが、デメリットとして多彩の武装を装備できるが故に大量の武器を保持できないところや、ブースト量の少なさがデメリットとして挙げられます…………あっ」
「うむ、藍染、分かったようだな。じゃあ、一つみんな聞いておけ。現在、世界各国では第二世代から第三世代へのより替えが考えられているのはなぜか。それは授業でもやった通り、性能がよくコストパフォーマンスが良いからだ。だがそれを行っているのは先進国でもまだ四十パーセントしか達成できてはいない。それはなぜか、夏目、答えてみろ」
「はい、コストパフォーマンスが良いのですが、配備数が少ない理由が生産数が少なく、各国はAS開発の方に力を入れているためです」
「そうだ、それが原因で第三世代は導入をしている所は少なく、第二世代を使用しているところが多い。葛葉が使用しているのはその初期型、生産時期は1998年から1999年で今では希少価値とも言われる物だ、だがその短期で生産されていないのに、当時は高性能といわれるものだ。それはパイロットの腕にも影響される」
「といいますと?」
「まずは滞空時間だ。あれは汎用型と言えばいいが、どちらかというと陸戦を得意としている機体だ。長時間の滞空は得意ではない。だからこそ、葛葉は降りたというわけだ。それも上手いタイミングでな、降下行動をすると待ち伏せされてそこを狙われることもある。だが、葛葉はそれをされないことをきちんと理解しているらしい」
「なんでですか?」
「まぁ、見ていればわかる」
そう薫子先生は静かに、命都たちの戦闘を見ていた。