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エア・クラフト・スチール  作者: 山鳥のハラミ
蒼と鷹の目と狙撃銃
19/22

ep04-3 『Hawk eye〈鷹の目〉』

 優華に引っ張られ、薫子先生の前に立つ(立たさる)とキーンコーンカーンコーンという聞いたことあるチャイムが流れる。するとクラスの皆は、立ち移動し薫子先生の前に綺麗な列を作り並び始めた。

「よし、集まったな。では今から戦闘訓練に入る」

「「「はい!!」」」

 並び終わったクラスのみんなの前で、薫子先生がそう言うとクラスの皆は元気よく返事をする。例え元気なくても腹から声を出す。理由?そりゃあ、あの硬そう、というか硬くて痛い出席簿で殴られたくないからである。自分はめちゃくちゃ殴られたからその痛み分かるけどね!……っと、それだけではなく、この実習場では罰として腕立て伏せなどの辛い訓練が待っている。えっ?運動部系統なら大丈夫?グランド百周とか運動部でもやんねぇよ。てか人間のやる事じゃねぇよ。

「おい、葛葉!」

「! は、はい!」

「話を聞いていたか?」

「……聞いていませんでした?」

 何、当たり前なことを見たいな感じで聞いてみる。

「聞け」

「はい」

 と怒られました。あり得ない程の威圧に駆られながら怒られました。

 この威圧がわからない人に簡単に説明しちゃいますと、………とぉ、なんていうのでしょうかねぇ。ライオンに色んな怖い動物の身体を入れた合成(キメ)()と言ったところでしょうか?いや、もしかしたらそれ以上?なのかもしれません。うん。

「葛葉」

「はい」

「次、聞かなかったらグランド(こ)走らせる(ろす)ぞ」

「……ごめんなさい」

「……ふぅ、では説明を再開するぞ。二人一組で組んだら、ASを展開。展開後は、各自訓練を開始。相手が死なない程度に頑張れ。以上」

 今まで、こんな説明だけで自分たちはやってきたんですよ?本当になくないと思いませんか?

「「「はい!!」」」

「では、行動開始!と言いたい所だが、まずは身代わr……見本を見せてもらうとしよう」

 んっ、今、薫子先生、身代わりって言いかけてなかっt?

「では一番、最初に私の前に出てきた、葛葉と篠原、やって見せろ」

「はい」

「は、はい。………えっ?」

 反射的に返事をしてしまったが、自分やるの?嘘。デジマ!?

「何をやっている葛葉。さっさと自分のASを展開しろ」

「……マジでやるんですか?」

「Noは聞かん。さっさとやれ」

「……はい」

 自分は薫子先生の威圧が怖くて、ついつい半泣きにないながらASを展開する。

「インストール」

「インストール……」

 自分と優華はそういうと、自分の中指についている指輪が光だし、優華は腕につけていたスポーツブレスレッドが輝きだす。輝きだすとそのまま、指輪とブレスレッドは粒子となって消え自分達の肌の周りに粒子が集まり、そして徐々にネジやギアなどの部品などになって行き、そして構築され装甲の形へと成していく。

 構築された装甲はそのまま自分たちにくっつき始める。

「展開完了しました」

「しました……」

自分と優華はASを展開し終えると、薫子先生は次の指示出す。

「よし、展開したな。なら、武器を構えろ。合図をしたら戦闘開始だ」

「はい」

「うぃ」

「葛葉、もっと覇気を持て」

「はい」

「じゃあ、やっていい?」

「あぁ、構わん」

「俺の許可は?」

「異論は聞かん」

「えー」

 優華の『ヴァルプルギス』が短剣を両手に持って構えると、自分の『ベガス』も嫌だけどもアサルトライフルを構える。

「では始め!」

 そう薫子先生がそう言うと、優華の『ワルプルギス』は勢いよく接近してくる。

「……」

「来ますか」

 ババババババッ、

 自分はこれ以上、優華の『ワルプルギス』を接近させないために、アサルトライフルを構え、引き金を引く。

 ババババババッ、ババババババッ、とリズムよく引き金を引いていくが、当たっているとは思ってはいない。

 ましては、相手(優華)は自分(命都)のことをよく知り、自分(命都)も相手(優華)のことをよく知っているのだ。無駄にこいつとの戦闘回数は伊達じゃない。一年の頃には、五十回以上もの戦闘訓練やテスト訓練を、そして百回以上の整備、調整もやっている。

 それ故に、相手も手加減はしてくれないだろう。自身の弱点を相手に知られている以上、負けるのだから。だからこそ油断大敵、目の前にいる敵には容赦はしない。

 ババババババッ、

 銃弾をばら撒く、だが優華の『ワルプルギス』はそれを綺麗に避けている。

「ちっ、我ながら良い整備かなっ!?」

 だがこの動きは機体だけの性能じゃない、乗り(パイロット)本人の技術もこの動きを出している。

 さすが元賞金稼ぎ、と言った所だろうか。本当に動きがいい。

「くっ、これならどうかな」

 これ以上の接近はやばい。一度、距離をおかなければいけない。

 そのために、一度、大きく飛び上がり、空中に浮かぶ。そのままブースト調整をして、空中に浮かぶ。

「そこっ!」

 肩についているシールドから、グレネード弾を放つ。

「無駄」

 優華はそう静かに言うと、持っていた短剣をグレネード弾に向けて投げ、綺麗に当てるとグレネード弾と一緒に短剣が爆散する。

「ちっ! さすがだね!」

「逃がさない」

 距離を置こうとする自分に、優華はさらに接近する。

 両手には既に投げたはずの短剣の代わりの短剣を補充しており、自分の『ベガス』に向かって切り付けてくる。

「ひっ、あぶねっ!」

 まるで紙一重に避けると、優華の『ワルプルギス』は地面に向かって落ちていく。

 だが、ブースターに点火しているため、ゆっくりと落ちて行ってる。

「……ちっ、我ながら本当にいい整備だよな。だが、こちらも持たないな」

 舌打ちをしながら、自分の整備への自画自賛をしながらも、自分も地面に降りていった。

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