ep01-1 vivid next morning〈一騒動の鮮やかな翌朝〉
何もない、いや、無くなったいつも通りの日曜の朝。
そんな中、普通じゃない生活をしているたった一人の元女装(本意ではない)女子のとある爽やかで慌ただしい朝。
シリル・メフシィの朝は早い。
太陽がほんの少し出ていても、学生寮の自室の部屋でシリルは起きて朝の支度を整える。洗面台の前に立ち、鏡に映る自身の顔とにらめっこをした後に顔をよく洗い、歯を磨き、再び鏡とにらめっこをし、髪を櫛で解かすと満足そうな顔で洗面台の前から去る。その後は、寝間着から制服に着替える。
それも学園の制服ではなく、黒のメンズスーツを着る。
「はぁ、なんで休日でもこんなものを着なきゃいけないのでしょう」
ため息を漏らしながらも、メンズスーツに袖を通す。
(けれど、昨日の問題を出さなきゃいけませんし)
内心、そう思いながらもメンズスーツを整える。
「んっ、こんな感じでしょうか」
ネクタイを締め、メンズスーツを着終えるとデスクに置かれている茶色い封筒を手に取ると、そのまま部屋を出る。
「行ってきます」
同居人は居ないが、一応、礼儀としてそう言って出ていく。
ただ帰ってくるのは空虚であろうと、シリルには関係なかった。
彼女の日曜はいつも、このような感じだったのだから。
お久しぶりです。山鳥のハラミです。
今回は少し趣向を変え、書き方を変えてみました。ほら、やっぱり読みやすさって大事じゃないですか?
………えっ、単にお前がめんどくさがっているだけ?はっはっはっ、まっさかぁ、そんなわけないじゃないですかぁ。読みやすさって大事。本当にね!