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2 少年と錆びた剣

 ベッドの上で、イリヤーは夢の中をまどろんでいた。

 今まで住んでいた村の風景が見える。それは大きな川沿いにある、穏やかな村だ。

人は優しく、交易で訪れた隊商を、心からもてなしていた。

 そんな様子を、彼は、家の中から、まるでどこか遠いもののように、見つめていた。

 だがふと気づくと、遠くから、カンカンと小気味いい音が聞こえてくるではないか。

それは、次第に大きくなり、彼をまどろみから引きずり出そうとする。

 視界が明るくなり、村の風景は背後に消え失せる。

まぶしい光と共に、彼は音のある世界へと飛び出そうとしていた。


「おはよう、イリヤー」

 明るい太陽の光が入り込む窓のところで、セルゲイがそう言った。

眠い目を擦り、イリヤーは寝ぼけた顔で、彼を見る。

「あ、お、おは、よ」

「見ろよ、イジャスラフさん、もう働いているぞ」

 大きく背伸びをし、乱れた肌着のまま窓に近づき、彼は、セルゲイの指さす方を覗き込む。

窓の外では、家の裏手になる所で、イジャスラフが斧で薪を次々に割っていた。

「昨日も、あれだけ働いていたのに、すごいよな」

 セルゲイの言葉もどこへやら、彼は、黙々と動くイジャスラフから、目が離せなかった。

 丸太の上に、薪材が置かれたと思ったら、それは斧でパカリと割られる。

一つが二つ、二つが四つ、瞬く間に薪は割られ、置き場にどんどんと積み重ねられていく。

 やがて、一段落したイジャスラフが、こっちに向かってにこやかに手を振りだした。

どうやら、気づいていたらしい。

 イリヤーが、小さく手を振ると、彼はうんうんとうなずいていた。


 朝食を済ませた二人は、イジャスラフに質問をされていた。

「怪物、いや、ドラゴン退治だな、他に武器はあるのか?」

「私は、これです」

 セルゲイが、荷物袋から、それを取り出す。

「ほう、弓か」

 彼から弓を受け取り、イジャスラフはしげしげと眺めた。

「樫の木だな、大分使い込んで、手にも慣れているようだ」

 湾曲した弓本体は、単一の丸木素材から作られており、弦は麻を使用してあるのだが、これでは、獣を狩るのが精一杯で、怪物、ましてや三つ首のドラゴンを仕留めようとなると、少し難しい感じでもあった。

「ありがとうな、セルゲイ」

 彼は弓を返すと、次いでイリヤーを見た。

「イリヤー、お前の武器は何だ?」

「えっ、あ、あの、その」

 何故か、挙動不審になるイリヤー。

セルゲイは、それを無視して、彼の荷物袋を黙って漁り、中のものをイジャスラフに渡した。

「あ、セ、セルゲイ、勝手に……」

「別にいいだろ、お前がしっかりしないからだぞ」

 侮蔑の目で、セルゲイは、イリヤーを睨む。

彼の冷たい視線に、イリヤーは顔を真っ赤にして、うつむいてしまっていた。

――なんだかなあ……。

 二人の奇妙な関係に、イジャスラフは、軽く息を吐いた。

 セルゲイから渡されたものは、鞘に収められた、片手で振れるぐらいの剣だった。

中を見ようと、彼は鞘から引き抜こうとして驚愕した。

「なっ、なんだぁ、これは」

「あっ、あ、あぁ……」

 彼が驚くのと、イリヤーの情けない声がしたのは、同時だった。

「イリヤー、これは、最初からか?」

 イジャスラフの問いに、彼は小さくうなずいた。

 驚くのも無理はなかった。

鞘から出てきたのは、赤錆まみれになった、剣だったもの。

 刃は欠け、少しつつくと、錆が剥離し、鞘からも細かい錆がこぼれ落ちる代物だ。

「えぇ、父さん、こんなのを渡していたのか」

「なに?」

 セルゲイが言うには、これを渡したのは、彼の父親である、村長だという。

村長は、武器を持たせろとシャマンは言わなかった、などと言い張り、丸腰で村から出そうとしていたらしいのだが、それではあんまりだという村人の抗議により、これでも武器は武器だとの謎の主張で、この錆まみれの剣を持たせたとのこと。

「言っちゃあ悪いが、セルゲイの親父さんは、おかしいぞ」

「おかしくないです、イリヤーが悪いんだ」

 何やら込み入った話の気配がして、イジャスラフは、それ以上詮索するのをやめた。

「ま、よく分かったよ。ありがとうなイリヤー」

 剣を戻されて、イリヤーは泣きそうな顔でそれを抱きしめていた。


 昼過ぎ。

家の外で、イリヤーは剣を抱えたまま、石に腰掛けていた。

「……言えなかった」

 ぽつりと、彼はつぶやいた。

「恥ずかしかったのに、こんな錆だらけの剣……」

 そう言って、剣を少しだけ鞘から抜く。

相変わらず、刀身は錆がひどく、まったく切れそうに無い様子であった。

「村長さんも、セルゲイも、怖い。僕、どうしたらいいんだろう」

 朝のセルゲイの顔を思い出し、彼はまた泣きそうになっていた。

 おだやかな青空が頭の上に広がっている。薄い筋状の雲が、風に吹かれて南へと天を舞う。

「よう、イリヤー、考え事か?」

「あ、イ、イジャスラフ、さん」

 背後から声を掛けられて、彼は慌てていた。

「あんまり、くよくよするなよ、子供は元気でないとな」

「うん……」

 力なく答えるイリヤーに、イジャスラフは少し困っていた。

昨日、出会ったばかりとはいえ、人見知りの気が度を超しているからだ。

 おそらく、そうなった原因は、セルゲイとその父親なのだろう、と彼は考えた。

 イリヤーの隣に腰を落ち着け、イジャスラフは、ふう、と息を吐いた。

「……セルゲイに、いじめられているな」

「うっ」

 心の内を見透かされた言葉に、イリヤーは驚いた。

「で、でも、僕が悪いんだ。僕、赤毛だし、力も弱いし」

「赤毛が何だってんだ。俺だって赤毛だぞ、お前と一緒だ」

 その言葉に、イリヤーは何かに気づいた顔をした。

「俺もな、小さい時は、赤毛だって、さんざんからかわれたもんよ」

 イジャスラフは、乾いた笑いをして見せた。

 このルーシの地では、赤毛の髪の者といえば、迫害の対象であった。

赤い色が火を連想させ、木造の家々を燃やしてしまうという、根も葉もない話が、彼ら赤毛の人を差別することと、なっていた。

 そのため、赤い毛の子供は日陰者として、存在を隠されたりもしていた。

「男はな、もっと堂々としてなきゃだめだ。うつむいていないで、前を見るんだ」

「わ、分かっては、いるんですけど……」

 埒があかなかった。

この子に染みついたクセは、一筋縄ではいかない。彼はそう思った。

「イリヤー、その剣、もう一度、見せてくれないか」

 彼の抱える剣を指さし、イジャスラフは勤めて優しい声で言った。

「え、でも」

「見るだけだ、悪いようにはしない」

 イリヤーは、不安気に剣を見て、頭を振った。

「嫌か?」

 こくん、と彼はうなずく。

「もしかしたら、だけどな。直せるかもしれないぞ、それ」

 その一言に、イリヤーは顔を上げた。

「な、直せる、の?」

「たぶん、な」

 イリヤーの目に、少しだけ輝きの色が見えていた。

彼は抱えていた剣を、おずおずとイジャスラフに差し出していた。

「どれ……」

 渡された剣を引き抜き、彼はじっくりと様子を見る。

刀身の錆は、思ったより深くはない。欠けた刃も、研げば元に戻りそうだった。

「これ、俺に預けてくれないか?」

 イリヤーの返事を待たずに、彼は何かを渡した。

「なにこれ?」

 渡されたものは、イリヤーの膝に置かれた。

それはずしりと重く、指先から肘までの長さの、片手で振れる形状のものだった。

 膝の上のものを目にして、彼は問うた。

「それは、俺が狩りに使っている短剣だ。切れ味は保証するぞ」

 そう言って、イジャスラフはにやりと笑った。

 イリヤーは、その短剣を手にした。剣は簡素な革の鞘に、細かい彫刻が施された柄がついた、少し洒落たものだった。

 鞘から剣を引き抜き、イリヤーは、その磨き上げられた刀身に圧倒されていた。

「す、すごい、僕の顔が、映ってる」

「でも気をつけろよ、そいつはすごく切れる。人に向けるなんて絶対にするなよ」

 片刃の、剣よりも短いそれは、幾多の血を浴びていながらも、錆一つ無いキレイなものだった。

「俺は、イリヤーの剣を預かる。イリヤーは、俺の短剣を預かる、これでいいか?」

 彼の提案に、イリヤーは大きくうなずいた。

「あ、ありがとう、ございます、イジャスラフさん。僕、大事に、預かり、ます」

 丁寧に短剣を鞘に収め、イリヤーは、ぎこちなくだが笑顔を見せていた。


 その日の夜、家の作業場にて、イジャスラフは剣を握っていた。

鞘の錆は剣由来のものだったらしく、あっさりと汚れは落ちていた。

 だが、問題は刀身の方だった。

「ふむ、少し試してみるか」

 目立たない部分を、小さな砥石で擦ってみる。

ポロポロと、錆の塊が取れ、その向こうから、銀色の光るものが、顔を覗かせた。

「いけそうだな」

 まず、砥石で全体の錆を取り除く。

幸い、厚みのある剣なので、錆を削っても、十分使用に耐えられるものだった。

 大体の錆を落とした後、細かい錆と、刃こぼれを直すために、荒砥石で研ぐ。

金属と石が擦られる軽快な音が、部屋の中に響いていた。

 そうして、しばらく経っただろうか、彼は声をかけられた。

「あんた」

 戸口に、恰幅のいい女が佇んでいた。

長袖の民族服に、ジャンパースカートを着込み、茶色のおさげ髪をスカーフで覆った、イジャスラフと、さほど変わらない年の妻――スヴェトラーナだ。

「うん、おまえか」

 背後に近寄る妻を見て、イジャスラフは、そう言った。

「あの子、そっくりだね」

「……イリヤーか」

 スヴェトラーナの声が、震えていた。

「あたしは、あの子が帰ってきてくれたのかと、思ったよ」

 声が、泣いているものに変わる。

「何言っているんだ、イリヤーはイリヤーだ。あの子じゃない」

 彼は、その手を休めなかった。

手を止めたら、堪えられなくなってしまうからだった。

「あたしは、あの子に何もしてやれなかった。だから、神様が奇跡をくれたと、思うんだよ」

 胸に突き刺さる言葉だった。

 何もしてやれなかった。その言葉が、彼を揺り動かす。

今、していることは、イリヤーのためなのか、本当は、イリヤーに何かを重ねているだけなのか。

 心が掻き乱され、彼の手が動きを止めた。

「もうよせ、過ぎたことだ。あの子とイリヤーを一緒にするな」

「でもね、そっくりなんだよ、昔のあんたにさ」

 イジャスラフとスヴェトラーナは、幼なじみの間柄だった。

小さい時から、いつも仲良しで、手を繋いで遊んでいるのを、村の人は皆、微笑ましく見守っていた。

 その頃の彼は、お人形みたいだと言われるほどに、細く色白で、同じく、細身だったスヴェトラーナとは似合いの夫婦になる、とまでに褒めそやされたものだった。

「考えすぎだ、寝た方がいいぞ」

「そうだね。でも、イリヤーちゃんには、できる限りのことをしてやりたいんだよ」

「……好きにするといい」

 そうとしか、言えなかった。

「ありがとう、あんた」

 背後の気配が失せ、彼は再び、イリヤーの剣を取る。

あんなに頑なに付着していた錆が落ち、銀色の輝く刀身が、姿を見せていた。


 次の日も、イジャスラフは研ぎに精を出していた。

作業場には、大工道具の手入れ用のものが、たくさん置いてある。

 荒砥石から、中砥石、仕上げ用のきめ細かい砥石に、錆の防止用油まで。

それらを駆使し、彼は懸命に、イリヤーの剣を元の姿に戻そうと、手を動かす。

「イジャスラフさん」

 不意に、声がした。

「おう、イリヤーか」

 手を止め、彼は振り向く。

「あれ、どうした、その服?」

 一目で気がついた。イリヤーの服が、昨日と違うことに。

「う、うん、おばさんがね、僕の服、直してあげるから、それまで、これ着てなさいって」

 袖も丈も長く、彼には大きすぎる服だ。

おそらく、イジャスラフの服を着せたのだろう。

「ちょっと大きいけど、少しの間だけって」

 照れながらも、ぎこちなく笑う彼に、イジャスラフも笑顔を見せた。

「いいじゃないか、似合っているぞ」

「え、えへへ、ありがと……」

 手の先まで隠れる袖で、顔を覆い、イリヤーは恥ずかしそうにしていた。

「ところで、セルゲイは何をしている?」

 その名前を出され、イリヤーの身体が、少しだけ強ばった。

「あ、セ、セルゲイは、魚釣りに行くって」

「ふうん、魚か」

 村の近くには、交易の路にもなっている、川がある。

おそらく、セルゲイはそこに行ったのだろう、と彼は思った。

「セルゲイは、お世話になっているんだから、これぐらいしなきゃダメだって。それで」

「ったく、あいつも子供らしくないなあ……」

 手を拭き、彼は赤毛の頭をボリボリと掻いた。

「よし、後で俺たちも、魚釣りに行くか」

「えっ」

 膝を叩き、そう提案するイジャスラフに、彼は驚いていた。

「魚、釣ったこと、ないんだろう?」

 イリヤーは、うなずいていた。

「俺が教えてやるよ。楽しいぞ、釣りは」

 彼は歯を見せて、笑っていた。


 村のそばの川縁に、彼はいた。

一人、魚釣りに興じているセルゲイの背後に、二人は近づき声をかけた。

「よう、セルゲイ。釣れたか?」

「だめです、坊主もいいところですよ」

 傍らにある桶には、水だけが入っており、魚は影も形も無かった。

「それじゃあ、俺たちも協力するから、早いとこ魚釣ろうな」

「え、でも、イジャスラフさんは、用事があるんじゃ……」

 釣り竿を支度しつつ、彼は笑った。

「用事は、もうほとんど終わっている。後は仕上げだけだから、気にするなって」

 そう言って、彼は竿をイリヤーに持たせた。

「あ、あの」

「イリヤー、あの水草のある辺りに、針を投げてみろ」

 イジャスラフの指示通りに、イリヤーは釣り針を川へと投げ入れる。

すると、たちまち竿が反応を示し始めた。

「あ、あっ、う、動いてるっ」

「よーし、そのまま、引っ張ったり、緩めたりしてみろ」

「う、うん」

 竿の先の糸の様子を見つつ、イジャスラフは網を片手に川へと近寄る。

「……よーし、思い切り引っ張れ!」

「うーん!」

 イリヤーが後ずさる勢いで、竿を引いた、その時だ。

水面近くを、イジャスラフの持つ網が素早く動き、何かをすくい上げていた。

「よっとっと、見ろ、イリヤー!」

 満面の笑みで、イジャスラフは、網を掲げる。

「わっ、すげえ」

 セルゲイも、網の中を見て、驚く。

そこには、元気よく跳ねる、大きな魚が入っていた。

「イリヤー、お前が釣った魚だぞ!やれば出来るじゃないか!」

 しりもちを付きつつも、イリヤーの目は、網の中の魚に、釘付けだった。

「ぼ、僕が、釣ったの?」

「そうだ、初めてにしては、上出来だぞ!」

 イリヤーの赤毛の頭を撫で、イジャスラフは我が事のように、大喜びしていた。

「すげえなイリヤー、お前、やるなあ」

 セルゲイにも、そう言われ、彼は照れながらも、嬉しさでいっぱいであった。

「魚釣りって、面白い、なあ」

 彼は、ぽつりと言葉を漏らした。

それは、とても小さな、きっかけであった。


 その後、しばらく三人は釣りを続けるも、釣果は小魚が数匹のみ。

「この小さいのは、川に返してやるか」

 小魚を川に放り投げ、彼は、イリヤーの魚をおもむろに掴んだ。

「イリヤー、短剣はあるか?」

「あっ、は、はい」

 イジャスラフから預かった短剣を取り出し、イリヤーはそれを大事に抱える。

「これから、魚を絞める。いい機会だからやってみよう」

 そう言い、彼は魚を動かないように押さえ込んだ。

「短剣を貸してくれ」

 革鞘からそれを引き抜き、イリヤーは彼の手に短剣を渡す。

「いいか、魚のこの部分、ここを根元のここで、一息に叩き切る」

 短剣で、その場所を指し示し、打つふりをする。

「イリヤー、やってみろ」

「ええっ」

 短剣の柄が、イリヤーに向く。

「で、でも、ぼ、僕、そんなの、できない」

「出来ないんじゃない。出来るようになるために、今、やるんだ」

 イジャスラフの目が、イリヤーを見つめる。

「イジャスラフさん、私がやりま……」

「いいや、イリヤーがやるんだ」

 割って入ろうとする、セルゲイを、彼は制止した。

「イリヤー、これは、お前が釣った魚だ、お前の手で絞めるのが礼儀だ」

「あ、そ、そんな」

「魚だって苦しいんだ、苦しみは長引かせるな、そっちの方が残酷だぞ」

 イリヤーは、彼の手のうちでもがく、魚を見た。

生きている、でも、苦しそうに、口をしきりに動かし、身体をくねらせている。

「僕が、釣った、僕の、魚」

 イジャスラフの手が、短剣を持っている。

イリヤーは、長い間、思案していたように感じられたが、それは一瞬の間であった。

 彼の手の短剣を握る。

イジャスラフは、大きくうなずくと、魚を指さした。

「いいか、ここだ、ここを思い切り体重をかけて叩け、遠慮はいらないぞ」

「はい」

 魚のその部分に、刃を当てる。

固い魚皮に、短剣が、めり込んだ。

「ぅんっ!」

 ドンという衝撃と共に、魚の身体は動くのを止め、刃の当たっている部分から、血が勢いよく流れ出していた。

「よーし、よくやった。えらいぞ」

 力が抜け、へたり込むイリヤーに、彼は背中をさすってやった。

「あ、あっ、イ、イジャスラフ、さん」

「イリヤー、やれば出来る、お前はいい子だ」

 精一杯に、彼はイリヤーを褒めた。

これは、悪いことでは無い、これは、必要なことなのだと、そう、ささやく。

 イリヤーが、ためらいなく、ドラゴンを倒せるように、願って。

 太陽は傾き、冷たい風が、川の表面を撫でていた。

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