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夢の中で生き残ってください。  作者: 相楽龍人
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クラスメートは0人?

夢だったのか……。


夢とは思えないほどのリアルさに驚きを隠せないが

今僕がベッドの上で目を覚ましたって事は夢だったことに違いは無い。

また会えたら名前教えてくれるらしいが出来ればあんな暗い森じゃなくてお洒落なカフェとか

街中みたいな人の多い明るい場所で次は会いたいなぁ……。

やけにリアルだった昨晩の夢のことを考えながら今日の入学式に向けて僕は準備を始める。


この春から晴れて高校生になった僕は初日早々謎の夢に見舞われて

出鼻を挫かれた感が凄いがこれからの新しい学校生活に心が躍り過ぎ

心の声が思わず口から出てしまっていた。


「別に登校初日から女子達に囲まれるとか

何故か初日から女子に告白されるとかあるかもしれないな!楽しみだ!」


「それは漫画やアニメの世界だけだよ。引きこもりオタクのチビお兄ちゃんにハーレムが訪れたらそれは明日は地球最後の日だよ。現実見ようねお兄ちゃん。」


秋人は背後から奇襲を受けた。心に100ダメージ。心のHPは残り1です。

声の主のほうを見ると屈託ない笑顔をした妹の灯里アカリが立っていた。


妹よ、朝からそんな毒しか付いてないような言葉を悪意なく心に突き立てるのは止めてくれないか?


引きこもりな兄とは正反対で中学校ではバスケット部のキャプテンを務めており、

休日はよく友達と買い物に出かけている。容姿端麗成績優秀スポーツ万能と言う言葉は

こいつの為にあるんじゃないかと錯覚してしまうほどに完璧人間だ。

いや僕も顔面偏差値だけなら多分いい線いってるけどね。


「お母さんがもう朝ごはん出来てるって、早く下降りて食べよ。」


そう言って灯里は1階へ降りていった。

どうやら灯里はいつまで経っても降りてこない僕を呼びに来ていたようだ。

やれやれ変な夢を見るわ朝から妹に奇襲を受けるわと散々な始まり方だ……


 朝食を食べ終えた僕は、遅刻をして出遅れるのだけは避けたかったので少し早めに家を出たが

朝の勢いは一体何処かに旅立ってしまっていた。

もしかしたら勢いだけが先に学校に向かったのかもしれない。

本気でそんな漫画やアニメみたいな展開を期待しているわけではないが

それでも新しく始まる学校生活に心躍らしてしまうのは仕方がないことだろう。

そう自分に言い聞かしながら学校に向かっていると自分と同じ制服を着た人たちが

チラホラ出てきた。同じ1年生かな?とも考えたが迂闊に声をかけてもし先輩だったら恥ずかしいので僕は大人しく後ろを歩く先輩達?に道を譲り脇のほうを歩いた。

結局中学時代と何一つ変わってはいなかった。



もしやる気ひとつで変われたら苦労しないよな……



学校にはHRが始まる1時間前に着いた。僕は先日届いた入学式当日の案内を手に自分の教室

1-Aを探す。どうやらさっきの十字を右に曲がれば1年生の教室へ行けたようだが

僕はそこを左に曲がってしまい2年生の教室の並ぶ通りに来てしまったようだ。

幸い1時間前ということもあり生徒は誰一人としておらず

誰にも見つかることなく十字路に戻ってくることが出来た。

こっちだよな……と案内を何度も確認していると正面からスーツを着た40代ぐらいの先生らしき人が本を読みながらこちらに向かってきていた。

とりあえず挨拶をしておこうと思った僕は大きな声で「おはようございます!」と挨拶をした。

すると少し声が大き過ぎたのかのか体をビクッと体を震わせ驚いた顔でこちらを向いたがすぐに「おはようございます。」と笑顔で返してくれた。

先生に聞くのが確実で間違いないなと思った僕は案内書を見せ教室の場所を教えてもらうことにした。


「あの、新入生なんですけど教室にはこの道を進めばいいですか?」


「えぇそうですよ。見かけない顔だと思ったら新入生だったのですね、入学おめでとうございます。」


「ありがとうございます!僕は萩原秋人って言います!」


「私は数学担当の斉藤といいます。今年から1年生のクラス担任をやることになったので顔を合わせることも多くなるでしょうし、よろしくお願いしますね。」


簡単な挨拶を交わし斉藤先生に別れを告げて僕は教室に向かい、無事目的地である1-Aにたどり着くことが出来た。

2年生の教室の方へ間違えていったり途中会った斉藤先生とはなしをしていた為予定より15分遅れて僕は教室に入ったが教室には誰もおらず

またしても不安になったがHRまで時間があるしこれから増えてくだろうと自分に言い聞かし

再び案内書に目をやるとそこにはご丁寧に席の位置まで書いてあり指定された席は一番前の席だった。

よりにもよって一番前か……ツイてないなぁと思いながら椅子に腰を下ろす。

見知らぬ場所に一人でいるという事に慣れてない僕は落ち着きなく教室を見渡してみたり

鞄の中を意味もなく何度も覗いていたりしたが昨日からの再三の確認のお陰で忘れ物はなく直ぐに

することがなくなってしまった。

ボーっと待つのもなんだか時間が勿体無いと感じるので僕は寝ることにした。

HRが始まれば誰かが起こしてくれるだろうし、最悪HRで起こしてもらえなくても入学式の為に

体育館へ移動するときに起こしてくれるだろう。多分。

僕は机に突っ伏す。普段より早く起きたせいか、それとも緊張していたのか直ぐに寝りにつくことが出来た。


 


目が覚め、黒板の上の時計を見るとHRの始まる5分前だった。


しかし教室には自分以外誰もいなかった。


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ちょっと文章の雰囲気を1話と変えてみたのですが

どっちが読みやすいでしょうか・・・?

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