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スキから始まる君と僕の物語  作者: 豊本 高弘
第4章 理由
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第4章 side Hitomi

 私たちは事務所で次の仕事について打ち合わせをしていた。

 打ち合わせ中、れいちゃんは仕事先にまつわる本を読んで次の仕事を改めて確認、もっちゃんは仕事先でもらったお菓子を嬉しそうに頬張っている。

 私はというとあくびしたりして、少し退屈だった。


「まりや、食べすぎよ」


 私ももっちゃんのお菓子食べようかと手をかけた時、れいちゃんに取りあげられた。


 ――プルルルル……プルルルル……。


 その時事務所内の電話が鳴って、ティナさんが受話器を取る。


「――Hi! オフィスユース、担当の榎本でっス。……私ですガ?」


 相手が誰だかわからなかったけど、ティナさんが次第に残念そうな顔をしている。

 何かあったのかな?


「――oh、yeah……ok、わかりましタ。またお願いしまっス」


 用件を聞いてティナさんはすぐに受話器を置き、電話を切った。


「みんな、ちょっといいかナ?」

「ティナさん、今の電話は?」


 れいちゃんから尋ねられてティナさんが話し始める、それによると土曜に行く予定だった撮影所でトラブルが起きてしまい、急遽中止になったと言う。

 プラス当日はそれ以外他の仕事もなく、突然ではあるが土曜はオフになったとも。


「よっしゃ~、休みや!」


 もっちゃんは急に決まった休日にバンザイして喜んだ。

 無理もないかも、私たちいつも忙しくて月に一度オフがあるかないかの毎日だから。


「ウチ欲しいもんあったんや、土曜買いに行こっ」

「まりや、オフだから気を緩めちゃダメ……って言いたいところだけど、たまにはいいかもしれないわね」


 本当は仕事に行きたかったのかれいちゃんは少しガッカリしてたけど、すぐ笑顔に変わる。


「ひぃやんもどっか出かけるん?」


 もっちゃんに言われて考え始める。

 うーん、私も土曜はどうしよっかな?

 答えが出ないまま私たちは打ち合わせを終わらせ、ティナさんが運転する車に乗ると寮へ帰ることにした。

 外はオレンジ色の光を照らしていて、たまに制服姿の高校生が下校しているのが見えた。


「ウチらほんまやったら、彼氏とデートなんてしとる年頃やねんなぁ」


 窓の外を見てもっちゃんがぼやくように言った。

 言われてみれば私たちも高校二年生、デビューからずっと学校は休みがちでクラスメートとお喋りらしいお喋りなんてあまりしたことがなかった。

 デートか……誰かとやってみたいなぁ。


「まりや、男の人とデートなんてスキャンダルの元なんだから。万が一週刊誌に撮られたりなんてしたら、わたしたちはアイドル失格よ」


 れいちゃんの話を聞いていた時、車の中で携帯のメロディが短く流れた。

 わかりやすいその音に私はすぐに自分の携帯だと気付き、カバンから携帯を取り出す。

 私の携帯は仕事用はシルバー――全員お揃いで、見分け用に色違いのストラップ――、プライベート用はメタリックブルー――この前落として、祐二くんの番号が入っているもの――と使い分けている、そのうち今のはメタリックブルーの携帯にメールを受信した音だからすぐに画面を開いた。


「!」


 その件名に私は思わず身を乗り出す、突然のことにれいちゃんから何事か聞かれたけど友達からメールが来たとごまかした。

 丁寧語ばかりの文章、丸と点ばかりで一つも絵文字がない内容を軽く読んで間違いないと感じる。

 祐二くんからだった。


 件名:竹内祐二です。

 本文:初めてのメールになります。

 何分メールを打つのが苦手なので、上手く打てているのかわかりません。

 それとごめんなさい。

 性格上嘘をつくことが出来ない自分なので、綾に秋山さんとのことを話してしまいました。


 あはは……綾さんに話しちゃったんだ、でも綾さんなら一回会って話したこともあるし仕方ないかも?


「ん……そうだ!」


 ふと思いついた私はメールの返事を打ち始めた、そう考えたら指の動きが早くなる。


「ひぃやん相変わらずメール打つの早っ!」


 もっちゃんが目を丸くしてる、多分メンバーの中で一番メールを打つのが早いんじゃないかな?

 メールの内容はこう、土曜がお休みになったから祐二くんと綾さんの三人でどこかへ出かけようって。

 れいちゃんはもっちゃんに続いて出かけるということで、すぐに理解してくれた。

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