01-06 客間女中(パーラーメイド)
「ローザ。お前さ、太った?」
「え? えええッ? いきなり、何をおっしゃいますのっ?」
「いや、あたいの料理を美味しく食べてくれてるのは嬉しいんだ。料理人冥利に尽きるってやつさ。でもよ、最近は見るに耐えられなくってさ」
「そこまでッ? 確かに近頃、服がきつくなってきたなーとは思ってましたの」
「まあ、ローザは食っちゃ寝、食っちゃ寝してるからな」
「ひどい誤解ですの! 寝るのはわたくしの、もう一つの仕事みたいなものですわ。正しく理解してほしいですの」
「それにお前は、楽な仕事しかしないから運動不足だろ? みんなが四つん這いになって床磨きしてる時に、一人だけハタキ掛けしてるとか」
「それは急な来客があっても、すぐ接客できるように備えているからですわ! 決して汚れ仕事を避けてる訳じゃありませんの」
「いや、落ち着きなよ。ローザの仕事は理解してるさ。ただ、体重が増えた理由を並べてるだけで」
「ううう、メリッサと話してるだけで、ストレスで痩せてしまいそうですの。飲まなきゃやってられませんわ。ビールお代わり!」
「うん。きっとこの晩酌も主要因の一つだよな。おっと、つまみが切れそうだ。材料余ってたし、もう一品ぐらいなら作ってやろうか?」
「この悪魔! 是非お願いしますの!」
ハウスメイドが裏方なら、パーラーメイドは表舞台で働くメイドです。
給仕の手伝いなど、お客様と直接触れ合うサービスを提供していました。
見栄えが重視されるので、メイドの中でも綺麗どころが採用されたようです。
メイド服のデザインも、実用性のない可愛いものでした。
作中では、ローザ達の役職です。
滞在しているお客様がフレデリカしか居ないので、暇してるみたいです。




