01-11 洗濯女中(ランドリーメイド)
「ベッキー! シャルロの下着はあるか!」
「もちろん洗わずに取ってあるよ! 何しろシェリーお嬢様のオーダーだからね! でもこれをどうするのかなっ? おいらには良く分からない世界だね!」
「知らないのか? シャルロはとってもいい香りがするんだぞ?」
「うん、それには同意だね!」
「私はシャルロの香りがないと、熟睡出来ないのだ。こうしてシャルロの代用を手に入れないと、寝不足になってしまう。コリン殿が来てからは、シャルロのベッドにも忍び込めないからな」
「理由は分かったよ! でも、伯爵令嬢がパンツをくんかくんかしてるビジュアルは、かなり残念だね!」
「はーー、落ち着くなーー。くふ、これで今夜はぐっすりだ。ではまたな、おやすみ!」
「おやすみっ」
「……」
「……スージーくん?」
「何よ?」
「メイド長として、あれは放っておいて良いのかいっ? おいらが言うなって話だけど、さすがに止めるべきだったかな?」
「あはん。変態ちっくなお嬢様も、えろ可愛いわ~。たまんないわよね」
「最悪だね! さすがのおいらも、ドン引きだよっ」
ランドリーメイドは、洗濯を担当するメイドです。
当時の洗濯は、かなりの重労働でした。
洗い物によって洗い方が全く異なるなど、高度な専門知識を要する職種でもありました。
作中では、ベッキーの役職です。
ただ、ヘイウッド邸では洗濯を外部委託しているので、あまり忙しくはないようです。
代わりに、ドレス類の管理も任されています。