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「婚約破棄したら、罰金100万ゼニー払うから!」と言った婚約者が、婚約破棄してきました

作者: 井上さん
掲載日:2026/05/29

金額の単位を借りました

 王宮での夜会。


「お前とは婚約破棄だ!」


 婚約者が言った。隣に浮気相手がドヤ顔で立っている。


「かしこまりました」


「え?良いのかよ」


 良いに決まってる。


「やっぱり無しは、無しですよ」


「そんな事言うか!」


 絶対に言うよね。


「では手続きを」


 即刻手続きをした。


「本当に良いのか?」


 未だに言う婚約者。

良いから婚約破棄したのに。


「困るのはそちらなので」


「お前、俺が好きだっただろ?」


 何か言ってるなぁ。元婚約者が。


「まさか…」


 私は鼻で笑った。


「強がるなよ」


 ドヤ顔する元婚約者。


「『婚約破棄したら、罰金100万ゼニー払う』という契約で婚約したのに、婚約破棄しやがって!

今すぐ罰金払え!」


 隣にいた兄が元婚約者に向かって言った。

兄は、私を可愛がってくれているから、かなりの「激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリーム」だった。


「え?」


 忘れたのかな?


「自分からした契約だ。忘れたとは言わせない」


「それは…」


 こいつ、忘れてるな。


「私は当時、他の方と婚約を結ぶ予定だった。それなのに貴方が無理矢理婚約を押し付けたんでしょ」


 私が言ったが、思い出せないらしい。

大丈夫かな?この人。


「え?」


 高い身分だから、有無を言わせずに押し付けてきたのに。忘れたのか。


「絶対に幸せにする絶対に大事にすると言って、疑うなら『婚約破棄したら罰金100万ゼニー払う』と自分から言ったのだ」


「え…ちょ…」


 それでも思い出せないらしい。


「契約書もある」


「その…」


 ダメだ。この人。


「では、もう2度と話し掛けないでください」


「ま…待ってくれ」


「もう婚約破棄の手続きは終わりました」


「やっぱり無しだ」


 言うと思った。


「やっぱり無しは無しと言いましたよ」


「待ってくれ」


「ご自分が言った事も覚えていないとは、本当に成人したのですか?」


「何だと!?偉そうに!」


 ご自分が契約を忘れた事を棚に上げないでください。


「ご自分の発言に責任を持ってください。婚約破棄はなされました」


「待ってくれ」


「なる早で罰金を払ってくださいね。ご自分が言った事なので。それでは失礼」


 浮気者だったから、すぐに浮気して婚約破棄するだろうと思っていた。


傍若無人な侯爵家に逆らえなかったから、仕方ない。うちはしがない伯爵家。


婚約する予定の相手も伯爵家。逆らえなかった。





 私は、婚約破棄した事を両親に報告した。


「それなら、私と婚約しよう」


 当時の相手…幼馴染の伯爵令息が言った。


「何故いるの!?」


「婚約破棄を見てたからなぁ」


「そう言えばそうね」


 貴族が集まる夜会で婚約破棄されたからなぁ。


「邪魔されないうちに手続きしよう」


「そうね」


 婚約の手続きをした。

本来の婚約者と婚約できた。


「諦めなくて良かった」


「本当に」


 私達は微笑みあった。


読んでいただきありがとうございます

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― 新着の感想 ―
馬鹿令息のせいで侯爵家が滅びますか。 教育を怠った結果だから仕方がないですね。
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