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異世界転移した医師、成り上がりつつポーション革命を起こします  作者: アルゼン枕子
三章 陰謀疫病編 ──黒幕の野望と民の救い──
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Episode 037: カインツのギルド浄化作戦

早朝、グライフブルク診療所で浄化作戦の最終準備が行われていた。


「昨日発見した証拠書類の整理を確認しよう」


カインツが直談判に向けた最終確認を行っていた。


ギルドマスター・ヴィルヘルムへの直接告発、ハイマン上級幹部の失脚要求、ギルド内改革の提案で作戦の確認が行われた。


「何かあったら必ず駆けつける」


ケンタの支援確認に、カインツは緊張していた。


「ギルドの未来がかかっている」


「正しい医療のために、必ずやり遂げる」


出発前の決意を固めた。


同日午前、治癒術師ギルド本部のギルドマスター執務室で、カインツがヴィルヘルムに証拠を提示した。


格式高い執務室での対面で、妨害工作の計画書、ハイマンの関与を示す文書、組織的犯行の証拠が提示された。


「まさか、ハイマンが...信じられん」


ヴィルヘルムの驚愕に、カインツは告発した。


「上級幹部による組織的な妨害工作です」


「ギルドの名誉と医療の発展を阻害しています」


「彼らは『細菌や感染症は存在しない』と現実を無視しています」


「治療魔法の限界を認めず、新しい医学を妨害している」


「このままでは疫病で多くの命が失われます」


「即座に処分と改革が必要です」


長年の部下への信頼と証拠の重さの間で、ヴィルヘルムは葛藤していた。


同日昼、治癒術師ギルド本部の会議室で、ハイマンを呼び出しての三者対決が行われた。


「ふん、若造が何をたくらんどるのか。」


自信満々で会議室に入室したハイマンが席につく。


「当ギルド幹部が秘密裏にミッテルフェルト診療所の妨害工作を行っています。即刻名乗り出て陳謝してください。」


カインツは主張する。


「なにを無礼な。なんの証拠があってそんな暴言をはくのか。」


ハイマンはどんと机を叩いて否定する。


「これを見てもシラを切るつもりか?」


カインツは証拠書類を提示すると、


「これは...どこで手に入れた?」


ハイマンの表情が一変した。


「ギルドの利益を守るためだった。あの医師の改革は我々の権威を脅かす。市民を害する行為を制して何が悪い!」


ハイマンは弁解と開き直りを見せた。


証拠を前にして、ハイマンは言い逃れができなくなった。


「私の家族もすでに感染していることが判明している。治療魔法では症状が改善せず、あなたの言っていたことが正しかったのだ」


ハイマンは複雑な表情で続けた。


「因果応報というべきか...妨害工作の結果、自分の家族まで危険にさらしてしまった」


「ハイマン殿、今からでもケンタに協力を求めましょう」


「医療従事者として、あなたの家族を見捨てるわけにはいかない」


カインツの人道的対応に、ハイマンは降伏と改心を示した。


「頼む...私が間違っていた。家族を...家族だけは救ってくれ」


涙ながらの懇願と妨害工作の全面停止を約束。


処分を一時保留し、ケンタへの全面協力を承認。ヴィルヘルムの緊急決断で、ギルド改革の転換点となる瞬間が訪れた。


同日午後、診療所でカインツがハイマンを連れてやってきた。


「ミッテルフェルト殿、ハイマン上級幹部が正式に謝罪したいとのことです」


ハイマンは深く頭を下げた。


「すべて私の過ちでした。現状を理解せず、利権に固執して妨害工作を行いました」


「あなたが正しかった。感染症は本当に存在し、我々の魔法では治せない。妨害工作をすべて中止します」


ハイマンの告白と謝罪に、ケンタは頷いた。


「分かりました。これからは協力していきましょう」


医師として、過去の遺恨より現在の治療に集中することを選んだケンタであった。


同日夕方、診療所の一室で二人だけの空間でカインツが本音を漏らした。


「ケンタ、今日は本当にありがとうございました」


「君が頑張ったからだよ」


ケンタの謙遜に、カインツは感情的告白を始めた。


「いや、違うんだ」


「いつも俺たちの医療を背中で支えてくれるから...ケンタ殿の医学知識があるから、俺は頑張れるんです。」


カインツは職業的な感謝を表現した。


「カインツ、ありがとう。医師同士、お互い頑張ろう」


ケンタの素直な反応に、たまたま通りかかったフローラとアウレオルスが安堵した。


(本当に、専門知識の違いがあるんだな)


ケンタは医学的な観点からカインツの言葉を理解した。


「まさに、連携ですね」


フローラの納得した表情で、雰囲気が和らいだ。


「そうですね、医療チームとしての結束です」


カインツは自分の発言が適切に理解されたことに安堵した。


<こうして素直に言えてよかった>


カインツの内心はすっきりした。


彼は今日の経験を通じて、自分の感情を整理することができた。ケンタへの気持ちは、個人的な依存ではなく、医師としての敬意と職業的な信頼だったのだ。


<ケンタは最高の医療パートナーだ。これからもお互いを高め合っていこう>


健全なライバル関係と協力関係の両立。カインツは自分の気持ちに確信を持った。




翌朝、治癒術師ギルド本部は異様な雰囲気に包まれていた。


「ハイマン上級幹部は本日をもって全ての職を解かれる」


ヴィルヘルムギルドマスターの宣言が響き渡った。集まったギルド員たちがざわめく。


「そして、カインツ・フォン・シュヴァルツを新たな改革推進責任者に任命する」


カインツは壇上に立ち、深く一礼した。


「これからは、真の医療のために、ギルドを改革していきます」


拍手が起こる中、ハイマンは憔悴した顔で退場していった。家族を救ってもらった恩もあり、もはや抵抗する気力は残っていなかった。


新しい時代の幕開けだった。

どうも、ケンタです。

カインツのギルド浄化作戦、見事に成功しました!


ハイマン上級幹部の失脚まで持ち込んだカインツの手腕は、正直驚きました。普段は少し頼りない面もある彼ですが、正義感と行動力は本物です。特に、ハイマンの家族が感染した時の対応は、本当に人道的でした。


それにしても、因果応報とはよく言ったものです。妨害工作をしていた張本人の家族が感染症にかかるなんて...皮肉な運命ですが、これで感染症の脅威を身をもって理解してもらえたでしょう。


その後のカインツの発言は、医療チームとしての結束を表していたようです。「いつも俺たちの医療を支えてくれるから」「ケンタ殿の医学知識があるから、俺は頑張れるんだ」って...同僚としての信頼関係ってことでしょうか。


今回の件で、カインツとは良い医療パートナーシップが築けそうです。お互いの専門性を活かして、これからも協力していけるでしょう。


彼の正義感と能力は本物ですし、健全な競争心も良い刺激になります。今は、ギルドの腐敗を一掃できたことを喜びたいと思います。


次回は、いよいよ特効薬の完成と疫病の終息です。長い戦いもついに終わりが見えてきました。


読者の皆さん、いつも応援ありがとうございます。評価やブックマーク、感想、いいねをいただけると、本当に励みになります。次回もお楽しみに!

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