夜の湾岸
街灯の光、波に溶けて
夜の海は静かな絵画
揺れる水面は君の瞳のようで
真実と嘘を同時に映す
僕らの時間、時計の砂
止めどなくこぼれ落ちていく
冷えた手のひら、温めた記憶
けれど風がそれすら奪う
貨物船の影が滑る水路
軋む音が胸を締め付ける
空に昇る月が告げるのは
終わりを迎える愛の詩
夜の湾岸、霧が裂く
君の言葉が胸を刺す
見えない未来、寄せては返す
波音だけが空を満たす
夜の湾岸、霧が裂く
君の背中が遠ざかる
愛の残像は風に消える
僕はまだここに立つ
工場の煙、空を裂いて
夜の街は無機質な城塞
海風の中、君の香りだけ
過去の夢をそっと暴く
記憶の灯り、曖昧な希望
繋いだ手はもう幻
君の言葉は砕けたガラス
拾い集めるほど手が傷つく
錆びついたフェンスが語る過去
足元には捨てられた未来
月明かりだけが残す影
愛の終わりを静かに包む
夜の湾岸、霧が裂く
君の言葉が胸を刺す
見えない未来、寄せては返す
波音だけが空を満たす
夜の湾岸、霧が裂く
君の背中が遠ざかる
愛の残像は風に消える
僕はまだここに立つ
あの日描いた航路は途絶え
行き先を失う船のように
星の無い夜空に問いかけても
答えは波間に飲まれるだけ
もしも願いが届くのなら
この瞬間を止めてしまいたい
だけど君は静かに笑う
「それが愛の終着点」
夜の湾岸、霧が裂く
君の言葉が胸を刺す
見えない未来、寄せては返す
波音だけが空を満たす
夜の湾岸、霧が裂く
君の背中が遠ざかる
愛の残像は風に消える
僕はまだここに立つ