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朝焼けの彼方で


薄闇の部屋、静寂しじまの檻

時計の針は無音で踊る

剥がれた壁紙、崩れる意識

窓際の空が嘲笑うように


誰にも届かぬ、響かぬ声

言葉の端は切り捨てられて

鏡の中の影が問いかける

「お前はどこへ向かうのか?」



差し込む朝の光は刃

心の隙間をえぐる儀式

砂時計の粒が零れ落ちて

永遠の孤独を奏で出す



朝焼けの彼方で夢は泣き

孤独の声が胸を裂き

閉ざされた扉の向こうで

君の名を呼ぶ風が嗚咽する

朝焼けの彼方で夢は泣き

孤独の声が胸を裂き

何もかもが消えていく中で

ただ、ただ夜を願う



心の中に巣食う亡霊

過去も未来も奪われた今

本棚の埃、触れない記憶

紙の重みが時を殺す


夜の影が訪れるたび

語りかけるのは沈黙の詩

意味を失った日々の連なり

夜明けに焦がれてまた怯える



朝陽が焼き付けるのは罰か

薄氷うすごおりの上、歩む罪人

崩れゆく街の幻影まぼろしが揺れ

裂けた空が僕を裂く



朝焼けの彼方で夢は泣き

孤独の声が胸を裂き

閉ざされた扉の向こうで

君の名を呼ぶ風が嗚咽する

朝焼けの彼方で夢は泣き

孤独の声が胸を裂き

何もかもが消えていく中で

ただ、ただ夜を願う



もしもこの部屋を抜け出せたら

朝の光に焼き尽くされよう

けれど、それすら遠い祈り

夜だけが僕を赦すだろう



朝焼けの下、影は長く

孤独が命を支配していく

それでも扉の隙間から

かすかな風が歌う声がする

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