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波の向こうにいた人
潮風に揺れる記憶の影
足跡は波にさらわれてゆく
君が残した言葉の欠片
胸の奥でまだ煌めいてる
夕暮れの光が滲むたび
名前をそっと呼んでみるけど
返らない声が、静かに溶けて
波の向こうで消えていく
君はどこへ行ったの?
青い海の果てへと
追いかけても 届かない
あの日の笑顔だけが
優しく頬を撫でるよ
時の流れにただ揺られながら
白い貝殻を握りしめて
ひとりきり歩く砂浜で
君と見上げた空の色が
今もこの胸に焼きついてる
遠ざかる船の軌跡みたいに
思い出もやがて霞んでく
それでも消えない、あの夏の日の
潮騒に響くメロディ
君は今も覚えてる?
風が運ぶ約束を
波間にそっと問いかける
いつかまた会えるなら
何も言わず笑ってよ
時の向こうでまた巡り逢おう
指先に残るぬくもりも
やがて砂に還るとしても
心の奥で 波は揺れて
ずっと、君を呼んでるよ
君はどこへ行ったの?
青い海の果てへと
追いかけても 届かない
それでも変わらないよ
この胸に残る君は
時の流れにただ揺られながら
波の向こうへ
君の声が
そっと響くよ




