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ざまぁ返しを全力回避したヒロインは、冒険者として生きていく~別れた筈の攻略対象たちが全員追ってきた~  作者: ひよこ1号


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89/90

チワワが2匹いる

怪しいけれど、素通りする訳にはいかない。

多分何かの引き金になるやつだ、これ。

私は二人を振り返る。


「私が中に入って調べるので、アルは廊下の警戒、サーフは私に何かあったら魔法で援護して下さい」

「ああ」

「分かりました」

「良いと言うまで部屋には入らないで」


とりあえずトラップらしきものはない。

ちょっと横長の部屋だが、綺麗なものだ。

迷宮内なのに、足元の石畳には植物らしい緑も見える。

苔かな?

床を調べる序でに、石畳の縁に短刀ナイフを当てて、緑を少し削り取る。

匂いを嗅いでみたが、植物独特の青臭い匂いだ。

女神像の周囲には、幾つかの白い花が咲いている。

見たことのない花だ。

うーん?

ちょっとこの部屋はおかしいな?

北と南はさておき、東西の迷宮は再配置リポップが基礎にある。

だから、当然、道具アイテムトラップも宝箱も魔物モンスターも人が踏み入ったらリセットされて、再配置リポップするのだ。

だから成長する植物があるというのが、おかしい。

時間の経過があるという事だからだ。

まあいっか。

悩んでも分からないし。


女神像を調べても何も出てこない。

トラップも無い。


とりあえず周囲に咲いた白い花は根っこごと引き抜いてみる。

うん、消えない。

薬草袋に、採取した花を保管していく。

これはおうちで育ててみよう。


後は、何をすればいいのか……。

トラップも無い、何も見つからない。

でもここに女神像がある意味が必ずある。


一応、二人にも意見を聞いてみよう。


「……という訳なんですけど、どう思います?」

「うーむ……女神像……」


廊下を警戒しつつ、王子が女神像を振り返って見つめる。


「我が国には女神信仰は無かったからな。もしかしたらこの地の神なのかも知れん」


王子の言葉にメガネも頷く。


「私も隣国の古き神についてまでは知らないです。申し訳ありません。これは、情報収集が必要ですね」


メガネはメガネをくいっとした。


「祈りの言葉でも知っていれば良かったのでしょうが」

「……祈りの言葉、祈りの言葉は私も知らないですね。……でも、もしかしたら」


祈りとは神に捧げるものだ。

それは古今東西に通じる、信仰の要だろう。

祈りの言葉は変わっても、変わらないものがある。

それは。


私は女神像の前で膝を付いて、胸の前で両手を握って女神を見上げる。

人は祈るとき、像の前で跪く。

信仰心を示す為に。


見上げていた女神の石像、私からみて右の目に異変があった。

すうっと一筋の涙が流れる。

そして顎の辺りでその雫がぽとりと落ちて、床にコツン、と何かが落ちた。

銀色の鍵だ。


それを手に取る。

手の上に載せても消えたりはしない。


立ち上がって振り向くと、王子とメガネが口を開けて私と女神像を見比べている。


「ななっ、なんっ……ミア……君は聖女だったのか!!」

「あ、あ……可愛くて美しいだけじゃなく、その清廉さで奇跡まで起こせるなんて……何という……」


は?

え?

違うでしょ。

これは単なる仕掛け(ギミック)です。


二人は涙さえ浮かべてふるふるわなわな震えている。

チワワかな??


どうする~ア~イ~〇~ル~♪

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