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ざまぁ返しを全力回避したヒロインは、冒険者として生きていく~別れた筈の攻略対象たちが全員追ってきた~  作者: ひよこ1号


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82/90

道具を買って、迷宮へ

お礼を言うと、私はその地図を頼りに店へ向かった。

市場の程近くにその店はあって、色々な道具が所狭しと置いてある。


「すみませーん。リーメント商会の方から紹介されて来ました。眼鏡と片眼鏡モノクルを見せて頂けますか?」

「ああ、ええ、どうぞ」


折角書いてもらったので、四つ折にされた手紙も店主に渡す。

金色の髪をゆるやかに束ねた、オリーブグリーンの瞳の青年だ。

エストリやマティアスと同年代に見える。

さっと手紙に目を通して、奥からケース入りの眼鏡と片眼鏡モノクルを出してきてくれた。


「形はこういうものになりますが、目の悪さによってレンズを変えた方が良いかと思われます。向こうで合わせましょう」

「はい。じゃあサーフ、行ってらっしゃい」

「はい。行ってきます」


素直に店主の後に付いて行ったメガネを見送って、私は道具屋で商品を選ぶ。

この後迷宮に行くのなら道具が必要だ。

ちょうどいい。

確か東西の迷宮では明かりは必要ないけれど、角灯ランタンは念の為。

中に入れる油も買う。

一応、松明も買っておこう。

ああ、油も必要なんだよね、意外に。

瓶入りの物を幾つか見繕う。

すっかり忘れてたけど、紙とペンもないと駄目だね。

地図作成マッピングも大事だから。

きちんとやっておかないと、逃げる時に大変だし。

もちろんロープも……ん?何でこのロープ高いんだろう?


ちょうど奥から出てきた店主に、私は質問した。


「このロープは何で高いんですか?丈夫だから?」

「ああ、それもあるけど、それは魔法が付与されているんだよ。力縄ストレングスロープと言って、物を持ち上げたり引っ張ったりするのにいいんだ」

「ほう……」


これは買いだな…!

あと……寝袋は欲しいけど、まだ野外じゃないからマントに包まればいいよね。

手鏡は、斥候道具スカウト・ツールに入ってたけど、可愛いの、欲しいなあ。

自分の顔見る機会なんてないけど……ってあれ?

私、身嗜みは整えてたけど、自分の事あんまり見た事なくない?

手鏡を覗き込んでみると、空のような青い瞳に、ピンクブロンド。

可愛い……可愛いんだけど…。

でもすっごい可愛いか?と聞かれると、何だろう…リサさんの方が美人で癒しだし、リヤちゃんの方が愛くるしいよな。

まあいいか。

不快な顔じゃなければ。

大体冒険には顔とか全然役に立たないしな。


メガネはお小遣いで眼鏡を二種類購入。

私は王子から取り上げた共用費から道具を購入。

三人でギルドに向かった。

王子が預金している間、私は東の迷宮に行く事を伝えて、入場証を三人分発行して貰う。

入り口の門番に見せると通してくれるらしい。

門番が何故いるかといえば、冒険者以外の盗掘を防ぐ為と、万が一中から魔物が出てきた時の為だ。

この国では、迷宮は誰でも入っていいという訳ではない。

盗掘も勿論だが、冒険者の安全も考慮している。

せっかく宝を持ち帰っても、誰だか分からない者に襲われて奪われたり、殺されたりするのを防ぐ為だ。

冒険者同士のトラブルも無いとは言えないが、身許が確かでギルドが管理していれば犯罪なども起こし難い。


外にある遺跡は出入り自由だが、その分遺跡は宝物もなければ、トラップも解除されたままで、誰かが新たに仕掛けない限りは再発生しない。

未発見でない限りは、探索する旨味はあまりないのだ。

逆に魔物が棲み付いて、彼らが溜め込んだ財産がある可能性は残されるが。

今日行くのは迷宮。

魔物も生み出され、宝も生み出され、罠も復活する。


私達は王子の荷物を少し減らして、メガネの荷物を少し増やす。

私は荷物を持たない。

斥候スカウトという立場上、私は身軽でなくてはいけないので、レディ・ファーストではない。

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