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ざまぁ返しを全力回避したヒロインは、冒険者として生きていく~別れた筈の攻略対象たちが全員追ってきた~  作者: ひよこ1号


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幕間ー狂戦士の死に場所

俺はずっと孤独の中に居た。

いや、孤独だけではない。

血と罪と憎しみの中に、漸く生きていたのだ。


辺境伯家に生まれて、何不自由なく育てられた。

魔物との戦闘はあるものの、それは何処にでもあるものであり、辺境伯が他所に比べて過酷だというだけだ。

だから、武勇を求められ、俺の剣技は十分それに応えられるものだった。

そう、だった。

初陣で浮かれていた俺は、現実を突きつけられる。

激しい魔物との戦闘で、怪我人や死人も増えていく中、大型の獣が現れて、俺は意識を失くした。


気づいた時は、辺りが血の海で。

魔物も全滅していたが、味方も犠牲になっていた。

そうして俺に付けられた不名誉な二つ名が「味方殺し」

庇ってくれる人間もいるにはいた。

あの魔物の量では、もっと甚大な被害が出たかもしれないと。

だが、それは死ななかったから言える事だと、殺された家族から詰められれば口を噤むしかない。

戦場に出ない人間には分からないだろう。

あのひりつくような、肌を刺す感覚も、高揚感も狂気も不安も恐怖も全て。

だが、俺のした事は事実だ。

生き残る為に、味方すら犠牲にしたのだから。

殺した家臣の家族からは恨まれた。

夫であり息子であり父であったその人達の、家族から深い憎しみを受ける。

その憎しみは恐怖と蔑みの言葉として、王国全土に伝わった。


学園に入る頃には、恐れられ嫌われていた。

婚約も解消されていた。

俺に話しかける人間など誰も居ない。

唯一話しかけてくれたのが(以下略)


ミアがいきなり、記憶喪失になったと言う。

自身が言った通り、何だか様子もいつもと違った。

冷静に状況を分析して、反論すら許さない。

声をかけたら拒絶されそうな気がして、名前を呼ぶことすら出来なかった。

俺には誰も居ないのに。

ミアまでいなくなってしまったら。

それを考えるのが怖かった。

どうしよう。

ミアを失いたくないのに、ミアの近くに居たらきっと傷つけてしまう。

けれど、ミアと離れたら生きていけない。

俺は辺境に戻っても、生涯幽閉される運命だろう。

運が悪ければ、魔物に対処できなくなった時に、その真っ只中に置き去りにされるかもしれない。

どちらにしろ、死ぬ運命だ。

でも、死ぬならミアの傍で死にたい。

君がまた名前を呼んでくれたら。

それだけで、俺は。

幕間は一応、旅に出た順にしています(辿り着く&ミアと話す順番ではなく)

レルゲン君は、早目に辿り着いたけど話しかけられないままモジモジしていたので、2号にモジモジ君て渾名で呼ばれているんですが、1号はちがう物を連想しましたよ…もじもじくんて……


読んでくださり、ありがとうございます。

誤字報告も感謝です。

少しでも、楽しんで頂けたら嬉しいです。

ブクマ・いいね・★もとても嬉しいです。励みになっております。

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