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いつもの日々に  作者: ルウ
異郷の逃亡者
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逃亡者と孤独を感じる少女 逃げる理由

スミマセン今回は少し少ないです。

少年は中東の山岳地帯、とある村に生まれた。日本とは違う、とても乾燥した空気の国の端っこの村だ。国の中心はともかく少年が住んでいる村は、昔ながらの日干し煉瓦を積んで作った建築様式となっていて乾燥した気候の土と同じ色をした家が建ち並んでいた。

十数年前の戦争のせいで、この国は荒廃しとても貧乏になった。その所為でこの国はとても治安が悪く、国の端にある少年の村も例外でなく平和だった村でもたびたび強盗が起きていた。

そしてそれは段々とエスカレートしていき、人身売買の組織まで出始めていた。




少年の名前はイスマール、この村に住む17歳の少年だ。肌はやや褐色、色素の薄い茶色の目、顔つきは日本人と言うよりモンゴロイドの特徴が出ている。彼は走っていた、自分の友達、リュシオールが外から来た強盗に襲われたと聞いたからだ。

彼女の家は酒場、裏手にある従業員の入口へと飛び込む。


「リュー!! 大丈夫!?」

「イスマール! 私は大丈夫だけど、妹が!!」


入ると顔にタオルを当て、頭に包帯を巻いた少女が涙を流していた。彼女の名はリュシオール、この酒場のマスターの養女であり酒場の看板娘だ。


「大丈夫な物かっ!! ……アマルは? もしかして?」

「あいつらに連れていかれたわ!! 父さんは絶対取り返すって銃を持って行っちゃった。」

「どこに!?」

「どこって、どういう事?」

「聞いてないのか? いつもの奴らとは違う奴らがここに来てるらしいんだよ!!」


当初この村に来ていた犯罪集団は一組だけだった、しかしイスマールはここに来る前に聞いていた。もう一組、山岳地帯に拠点を構えた犯罪集団が来た事に。


「しかもよりもよって、二組とも村を中心として逆側に拠点作ってるんだ。」

「…アマルはどっちに連れていかれたの!?」

「解らない。親父さんは?」

「父さんもその話知らないと思うから、多分南だと思う…。」


南と聞いて前から居る強盗かと聞いたイスマールは出入り口に踵を返す。


「イスマールどこに行くの!?」

「親父さんが南に行ったら俺は北だ。最近、隣村の奴から聞いたんだが最近子供をどっかに連れていっちまう奴らがいるらしいんだ。」

「それって。」

「多分、北にいる最近着た奴らだと思う。親父さんが南を何とかしたとしても、気付いた時にもう遅いかもしれない。だから俺は行くよ。」

「だったら私も…。」

「駄目だ。リューは親父さんを待っていてくれ、そして帰ってきたら俺が来たに行ったって伝えてくれ。」


それだけ言い残してイスマールは飛び出す様に北へと駆けた。

そこからの経緯を簡単に語ろう。

イスマールは北へ行きアマルを見つけたが、力及ばす捕まってしまう。そのまま殺されるかと思ったら、その犯罪者集団は人身売買組織の一味でアマルとセットで売られることになった。大型タンカーのコンテナの中に入れられて二週間、連れてこられたのは高見原の港だった。

連れてこられたその日は、トラブルがあった。

輸送される地下トンネルでのとんでもない振動と襲撃。それにより人がトンネルに多く配置された。また、その影響で連れられてきた研究所の人員が少し減った上に、数日前に警備員が数人全治二か月の重傷を負う状況があった。

そんな偶然が重なり、イスマールは知り合いだという事で面倒を見ていたアマルを抱え、隙を見て研究所を脱出したという経緯となったのである。




そして現在。


「イス兄ちゃん…。」

「大丈夫だ、しっかり掴まってろ!!」

「うん。」


二人は絶賛逃亡中である。逃げたいいが、追手がかかりこの状況だ。

イスマールはアマルを抱きかかえながら街の中を飛び回る。研究所の中で行われた実験で、イスマールは能力を発現させていた。能力の名前は『イラスティック』自身の身体を操作して弾性を強化すると言う単純かつ強力な能力だ。それを使い四肢にゴムの様な弾性を持たせ、ビルの壁面を蹴りピンボールの様に移動していたのだ。

イスマールは先ほど追ってきた男を思い出す。鎖を操ってきた男だ、自分が居た国にはいないタイプの男だ。もしかして首都にはいたかもしれないが、あんな奴は見た事はない。

それとあの男は木になる事を言っていた、世界が変革するとかなんとか。

抱きかかえるアマルを見ると震えている、生まれた時から見ていたこの子が世界を変革ねぇと訝しげに口をゆがめる。

それよりこれからどうしよう、イスマールは今後の事を考えながら走る。

とりあえずはこの場を切り抜ける。壁面を蹴り、その先の故郷になかった森の様な公園へと飛び込んだ。




後ろの茂みがガサガサと揺れる。斎が後ろを振り向けば、そこには茂みをかき分けて出てきた外国の少年が居た。

その少年の腕の中には、四歳ぐらいの小さな少女。

二人のその尋常ではない雰囲気に、斎は驚き固まってしまった。


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