第9話 パーティへのお誘い
少し短かったですね。切れ目難しいです。
【ルーシア side start】
シンジくんのスキルのおかげで、やっと普通に表通りを顔を隠さず
歩けるようになった。といっても少々顔の見た目を変えてだけどね。
本当に久しぶりにお買い物が楽しめて、シンジくんさまさまね。
これで以前からの悩みだった違う街への移動や魔石の売却問題もクリアして
いつでも引っ越すことはできるようになったけど、
なんかこのままでも良いような気がしてきたわ。
本当の顔に戻ればまた不快な思いをするけど、お世話になっている
ここのおかみさんとも離れたくないし。
マイラと相談してもう少し様子をみることにしましょう。
その代わりにまたひとつ問題が出てきたの。
それは私たちの装備の問題。
表向きの薬草採取作業は、装備が軽装でも普段着でも問題ないんだけど、
裏ではA級,S級クラスの魔物を、レベリングや魔石調達のために
倒してるから、やっぱり軽装だと危険よね。
たまに不意打ちされたり、こっちが油断してたりとするから。
戦闘スタイルも、
私は魔法連発でごり押し、マイラが強敵瞬殺、
シンジくんが隠れて背後から一撃というふうに
特にちゃんと訓練してないから、みんなバラバラ。
ケガしても回復関連の魔法でだいたい治るけど、やっぱり痛いのはいやだわ。
なんとか鉄よろいとか、なんとか銀胸当てとか、しかも重そうだし。
軽くて、良い効果が付いて(ついでにおしゃれで)、値段が安い装備って
ないかしら。う~ん。
【ルーシア side end】
【ロブ side start】
御者仕事が終わり、街で馬車の整備をしている時に3人の男女に声をかけられた。
「ロブさんですよね。私たちは3人で冒険者をしています。
それで結論から言いますが、私たちのパーティに入りませんか!」
いきなりそう言われて、戸惑ってしまった。
冒険者稼業なんてしばらくしてない。
なんで急にそんなことを・・、と思って気が付いた。
(昔みたいにおためしでダンジョンにもぐって、ネタにするんだろうな)
「すまないけど、もう冒険者はやって無いんだ。他を当たってくれよ」
と断って、整備の仕事に戻ろうとした。
これであきらめて帰ると思ったが、一番年上の女の人がそっと寄ってきて
耳打ちしてきた。
「私、貴方のスキル知ってます。<確率変動>ですよね」
え? 自分でも忘れていたスキル、もう覚えている人間もいないと思っていたので
混乱して大声を出した。
「あんたら何者だ!なぜそれを知ってる!!」
といって詰め寄ろうとした瞬間、その3人の顔がみるみる別の顔に変わっていった。
(なんだ、これは魔法か? こんな魔法聞いた事ないぞ)
状況がつかめず呆然としてたら、さっきの女の人が話し出した。
「驚かせてごめんなさい、私たちのことはご存じですよね」
といってもう一人の女の子を引っ張ってきた。
いまだに訳が分からないが、よく見るとその2人に見覚えがあった。
「あんたらは以前、クレーマーとか役立たずと言われてた人間じゃないのか?」
また年上のほうは、つい先日馬車で見かけてた事も思い出した。
あることに気づいてオレは続けた。
「そういうことか。そのもう一人のあんちゃんはわからないが、
要は変な人間だけでパーティを組もうということか。
目的はわからんが、ふざけんじゃねえぞ!」
だんだん怒りを覚えてきて、声も大きくなっていったが、
そいつはへらへらするどころか、ひどく真剣な顔で、力強く言い放った。
「違います。あなたの境遇を大逆転させて見せます!!」
「?、本当なのか、オレをからかってまた笑い者にするんじゃないだろうな」
「神様に誓って違います!」
「そんなにいうのなら、少し話を聞かせてもらおうか。騙すんじゃねえぞ」
【ルーシア side end】
ありがとうございました。