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第25話 五凶星その2

<幹部 その4>


いよいよ五凶星攻略もあと2体を残すのみとなった。


廃墟の中央にあるその建物は、巨大な教会のようだった。

ここからでもスケルトンやゾンビがうごめいているのが見える。

ボスはアンテッド系の魔物だろう。


攻略は明日の予定だ。

そのための準備をしているところに、隠密行動で偵察に出てたシンジくんが帰って来た。


「どうだった?」と聞くと「終わりましたよ」と答えてきた。


「終わった?何がなの」

「ですから、廃墟にもう魔物はいません。引き払ってます。密約が成立したんで」


「えええええええええええええええええええええええええええ???」



・・・どうやら偵察に行った際、スキを見て拠点の廃教会に忍び込んだらしい。

密約の内容は以下のようなものだったとのこと。


【シンジ side start】


「旦那、いつもごひいきに・・」同時に俺は、菓子箱を差し出した。

箱といっても明らかに、重そうでしかも二重底がバレバレのやつだ。

「おう、そうか。わかった。話くらいは聞いてやる」

「なんでも配下の皆さんに聞くと最近ストレスがたまっており、訓練の成果を見せずらいと・・。

 先ほどお聞きしたゾンビの皆さんのお話では、(墓地から這い上がるところが華なのにその墓地すら無い)と嘆いておられました」


「おう、その通りだ。勇者たちとの戦いに敗れた魔物や、悪い盗賊なんかは死ぬとみんなここに送られてくる。ただでさえ手狭なこの土地には、いまや死人であふれかえっておるのだ。

 スケルトンの骨はもう誰のだか分からず、古参のゾンビなどは、日ごろ鍛えた恐怖の技を見せる機会がなく常に嘆いておるのだ。あいつらが不憫でのう」


「そうでございましたか。ところで、今ならこの土地がただ同然で、ご案内できるのですが」

「むむ、しかしどこでも良いという訳にはいかん。こだわりがあるのじゃ」

「いえいえ、ここでならば」と俺はパンフレットを見せながら言った。

「常に薄暗い雲が低く立ち込め、木も枯れ木だらけ、オオカミの遠吠え付きという立地条件としては一等地でございます」

「おお、これは良さそうじゃ、だが今、買うべき金が・・」

「何をおっしゃいますやら・・・」


とそこで俺はわざとらしく、隠し持っていた書類を落として、叫んだ。

「おお、こんなところに旦那様名義の土地の登記簿が!!偶然とは恐ろしいものです。

 これも何かの縁なので、この書類はここに置いておきますので・・」

「ほほう、そういうことか・・。わかった、なにが望みなのじゃ?」

「ふたつございます。

 まず第一は、先方の都合上、出来るだけ速やかに移動をお願いしたく思います。

 できればこの会談の直後に。

 もう一つは、配下の皆さんのパフォーマンスを披露する機会があれば、わたくしめにその独占プロデュースを・・・」


「うむ、なるほど。こちらも助かる、そちも儲かる。WinWinというわけじゃな。

 ただ、懸念がひとつある。これが暗黒神様にばれたら・・・」

「全然問題ございません。もうすぐ闇の世界に閉ざされますし、暗黒神様相手にあのへっぽこ勇者たちが束になってかかっても勝てるわけはありません。私は良く知っておりますので・・」

「おぬしもワルよのう」

「いえいえ、旦那様ほどでは・・・」

「フフフフ」

「へへへへ」


その後、一本絞めをして密約は成立した。



<後日談>

引っ越して落ち着いてきたら、まず日ごろの成果を見せたくなったゴーストたちは、大きな晩餐会場を作り、何百体ものゴーストが舞い踊る中を、自動で動くゴンドラに乗るゲストたちを驚かせるステージを作った。


スケルトンたちは、幽霊屋敷のステージで、バラバラになったホネを一瞬で元通りにするホネホネダンスや、一日三回限定のミュージカル「〇ネまで愛して」などでゲストを喜ばせた。


ミイラ男たちはピラミッドでのお宝散策ツアーや、廃坑内をトロッコに乗って高速で駆け抜けるアトラクションを運営している。


墓場では、ゾンビたちが毎夜訓練してきた、いかに華麗に地面より出現するやり方を競う「復活コンテスト」、音楽が鳴り出すと、ゲストやキャストが同時に踊り出す参加型の「スリ〇ーダンスショー」などが人気を博した。


今では各地の学校、学園などからツアーを組んでくることも多くなり、一大名所となっている。


ちなみに利益の5%がシンジのフトコロに入ることはルーシアたちは知らない。



<幹部 その5>


ここは小高い丘の上。

目の前の荒野は、見渡すかぎりの魔物で埋まっていた。

おそらく何万もの軍勢であろう。

そしてその背後に、ひときわ巨大なドラゴンが見えた。

あれが5番目の幹部にして、暗黒神配下の最強ドラゴンである「オロチ」だ。


「ここはわたしが」といって、アリーナ様が前に出た。


手には「ヘパヘイトスの斬撃剣」、


 「ヘパヘイトスの斬撃剣」 

  鍛冶の神ヘパヘイトスの青春期の作品。

  身長より大きい刀身より放たれる衝撃は斬撃となり、彼方へ飛翔し、到達した瞬間に大爆発する。

  彼の妻である美の女神アフロディテに贈ったところ、

  「なに、これ。だっさ~、かんべんしてよね」と言われ、そのまま倉庫行きとなった。

  レア度は超伝説級。


全身を覆う装備は「月光の羽衣」。


 「月光の羽衣」 

  月の光を1000年織り込んだ布を十二枚重ね合わせて作った美しい装束。

  着用者のMP値がそのまま防御力となり、魔力値が魔法防御力となる。

  レア度は超伝説級。

  


アリーナ様がその大剣を頭上にかかげた時に魔物たちが進軍を開始した。


しばらく剣をかかげ祈りを続けていたが、気合とともに水平になぎ払った。


と同時に剣先から、光り輝く斬撃が魔物めがけて無数に飛んでいき、先頭の魔物に当たった瞬間大爆発を起こした。それも斬撃の数だけ無数に。

荒野の地平線がまるで、日の出のように光の線が出来ていた。


そして光が収まった際、オロチ以外のすべての魔物が消え去っていた。

シンジくんは「姫様はいつから巨〇兵になったんだ・・・」とブツブツ言っていたがさっぱりワケが分からないわ。


魔物の群れが消え去ったことをことを確認したアリーナ様は、ヘパヘイトスの斬撃剣を地面に突き刺した。


同時に大音量とともに地面が激しく裂かれそのままオロチに向かっていき,真っ二つに引き裂かれ消え去った。


あまりの威力に背後の味方の軍勢は言葉もなく、私たちも口を開けて呆然としているだけだった。



5凶星をすべて排除し、ついに暗黒神の魔城への結界が解けた。

私たちは、報告と最終準備のためいったん王都にもどることにした。




王宮での報告時に、いままで認識阻害によって隠していた術を解き王族、騎士団、勇者パーティの前に初めて素顔をさらした。


いままで、それ相当の冒険者の姿格好をしていたため、特に怪しまれなかったが、本当のパーティの姿を見て、全員が非常に驚いていたようだ。


シンジくんは、クラスメートである勇者パーティに囲まれて、今までのことを話していた。

もっとも何人かは「誰だっけ?」とか言っていたが・・・。


特にアリーナ様が素顔をさらしたとき、王宮全体がどよめいた。

しかし機先を制し「詳細は暗黒神討伐後にお話しいたします。どうかそれまでご容赦ねがいます」と大声で叫んだ。が、クレア様だけは抱き着いてきたが。


アリーナ様が宣言したおかげで特に混乱もなく、討伐の日を迎えた。

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