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第21話 スキル救済その2

【ルーシア side start】 


その日いろいろなサーチ条件で、ユニークスキルを探索していると、非常に急を要するスキルを、見つけた。


私は取るものも取り敢えず、慌ててそこに向かった。


その家は比較的大きな屋敷で、その人は2階にいるようだ。

私は時空魔法のスキル<L:8 転移>を使ってその部屋に入った。


「おう、これは綺麗な死神さんじゃ」


ベッドに横になっているそのおじいさんは私を見るなりそう言った。


「こんにちは、私はルーシアと言います。突然お邪魔して申し訳ありません。おじいさんの持っているスキルについて、お話に来ました」

「スキルじゃと?、何か勘違いを・・・、ああ、あれか。もう何十年も思い出しもしなかったから、すっかり忘れておった」

「そうです。ですがその前に少しお聞かせ下さい。あなたには、誰かにどうしても会いたいとか、どうしても伝えたいこととかありますでしょうか」


おじいさんは、しばらく眼を閉じ何かを考えていたが、「長い話になるが」と言い、静かに話し始めた。


「(こんな間際にこんな話がくるとは、これも神様のお導きかもしれんな)

 娘さんや、見てわかるとおり儂はもう長く無い。医者からも見放されとる。

 

 儂は若いころ、冒険者に憧れて故郷の村を飛び出したんじゃよ。

 そしてその村の幼馴染も、どういう訳か儂についてきた。

 二人でバカやって、無茶やって、ケンカして、また仲直りしてというのを繰り返して旅を続けていたんじゃ。そしていっぱしの冒険者になった時、儂らは一緒になった。

 冒険者時代の交友をいかして、商売をして、そこそこ名が知られるようになり、子供や孫に恵まれた。


 その相棒というのが2年前に死んだカミさんじゃよ。

 そしてあいつがいなくなって初めて、あいつの存在の大切さを知った。

 いつもそばにいてくれるはずなのに、いつの間にかいない。これほど寂しいことは無い。

     

 それにあいつの事を思い出すようになって気が付いたことがある。


 情けないことに、あいつに一言も「ありがとう」と言ってないことに。


 もうわかったじゃろう、あんたが最初に言ってた、(どうしても会いたいとか、どうしても伝えたいことがある)という問いの答えじゃ。

 

 のう娘さんや、おそらくこの死にぞこないの老いぼれに最後の希望を持ってきてくれたと信じておる。違うかの?」


私はおじいさんの手を握って「そうです」と答えた。


「あなたが、持っているユニークスキル<永遠の誓い>は、願った想いが来世で必ず叶うというスキルです。生まれ変わっても、この想いはおぼろげにですが、憶えているので奥様と出会っても、すぐにお互いが分かるでしょう。そしてこのスキルも引き継がれます。望めば未来永劫、奥様と一緒です」


「そうか・・・。ありがとう娘さんや。それを聞いて死ぬことが怖いというよりも、楽しみになってきたようじゃ。


 あいつと再会した時、まず心から「ありがとう」と言おう。


 それに先ほどは、死神なんて言ってすまなんだ。あなたは女神様じゃ。


 じゃあ、あいつに会ってくるとするかの」 


そう言って静かに目を閉じ、祈り始めた。そしてそのまま静かに息を引き取った。

しかしその顔は、希望に満ち溢れた若者のように見えた。


私は深く頭を下げ「きっと神様に<永遠の誓い>は届いたと思います。どうかいつまでも奥様とお幸せに」と言って部屋を後にした。


【ルーシア side end】 

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