第1話 クレームから始まる物語
初投稿です。初心者です!
いろいろと誤字・脱字、説明不足等多々ありますので、最初に言っておきます。
「ごめんなさい!」
ということで、ためしに読んでみて下さい。
改行が見ずらいため一部修正しました。内容の変更はありません。
「何よ、話が違うじゃない!あんた確かに言ったわよね。この短剣は切れ味が鋭く、おすすめですって。使ってみたらすぐ刃こぼれはするし、1回使っただけで2回目から鈍くなって危うく魔物にやられそうになったじゃない。どうしてくれるのよ!!」
「いや、ですからそれは、最低限のお手入れが必要ですとあの時・・」
「はあ、こっちが悪いわけ?冗談じゃないわよ。こっちは高い金払って、あんたをあんたを信用して買ったのよ!!」
その文句を言いに来た女は、先日その短剣を購入した客と一緒に怒鳴り込んできた。この界隈で有名なその女は、「返品クレーマー」というスキル持ちの厄介者だ。どうやらそのスキルを使うと、容貌が大きく変わるようだ。普段は大人しい印象だが、クレームをするときにまず髪の色は真っ赤になり、目は吊り上がり、口は耳元まで広がり、声も大音量になる。
応対を続けていくと、ますます大声になり、野次馬も大勢寄ってくるので商売的に非常によろしくない。
で結局こちらが折れて謝罪するんだが、同じ商品を新たに返そうとしても「誠意が無い」だの「真摯な対応を望む」だの言い出すので、しかたなくワンランク上の同様の商品か、もしくは別の商品やアイテムを「気持ちですが」といって渡さないとあきらめてくれない。
そこまでしてやっと「今回はこれで勘弁してあげるわ。今度は真面目に商売をしてね」と言って帰って行くが、こっちははらわたが煮えくりかえって、治まりそうもない。今度見かけたら石を投げつけるか、泥水をぶっかけてやる!!
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「これでよろしいでしょうか。言われたとおりクレームをつけて良い品物に変換できました。 さすがにほとんどの店にクレームをかけたので、もうどこの店にも行けません。そろそろ当初の約束どおりパーティに入れてもらえないでしょうか」
「もちろんですよ。ルーシアさん。僕たちの装備もひととおりグレードアップしたので、こちらから声をかけようと思ってました。では明日朝、冒険者ギルドに来てください。そこでパーティ手続きをしましょう」
よろしくおねがいしますといってその女は帰っていった。
「ねえ、本当にあの女うちらのパーティに入れるの?」
「はあ?馬鹿言うなよ。あんなの入れるわけねえよ」
「やっぱりそうなんだ。あんたって相変わらず悪いわねえ」
「こっちの装備品の充実のために声をかけたんだ。もう行く店がないって言ってたからいわゆる用済みってわけだ」
「じゃあ、リーダー、早めに出発したほうがいいんじゃねえですか。あの鬼のような形相で追っかけてきたらかなり怖いですぜ」
「そうだな。とっととずらかるとするか。お前ら急いで支度しろ。今夜中にこの街を出るぞ」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【ルーシア side start】
宿屋「黒ふくろうの宿り木亭」、私はここで掃除、洗濯、皿洗いなどの仕事をしている。住み込みでまかない料理もあるため、給料は安いけれどとても助かっている。おかみさんとはたまたま同じ郷里の出身だったので、なにかと良くしてくれるが、私のスキルを知ってて、嫌われ者ということもわかっているので、カウンターや食堂の給仕はできず、主に顔をスカーフで隠して掃除などしている。
(さっきのパーティの人たち、もうこの街にいないんだろうな。なんとなくわかっちゃった。また騙されたんだなって。でももういいかな。このまま一人で冒険者やっていこうかな)
【ルーシア side end】
この世界では12歳になれば、誰でも「覚醒の儀」を受けることができる。
「覚醒の儀」とは、現在の体力や知力等のステータス、またはスキルを持っていればその名称がステータスボード上に現れて、自分の能力を確認できるようになる儀式だ。
そのステータスボードは「ステータスオープン」と唱えればいつでも目の前の空間に表示できる。
また同時にJOBとして好きな職業を神殿にて選択できるようになる。一般の市民は商人や学者へ、冒険者は剣士や魔法使いといった具合である。
ちなみにJOBを選択するとそのJOB固有のスキルが取得可能となる。
「剣士」を選択すると
・剣術スキル
・盾スキル の2種類が可能となり、
「魔法使い」の場合は
・火魔法スキル
・水魔法スキル
・風魔法スキル
・雷魔法スキル
・土魔法スキル の5種類が可能となる。
すべてのスキルレベルはL1~L10で構成されており、レベルが1UPするごとに、SPも1上がるので、この世界では、SPの使い方が非常に重要になる。
必要スキルレベルは、L1は1必要、L2は合計3必要、L3は合計6必要・・という具合である。
(今日何匹かの魔物を倒してレベルアップしたのでL10になっているはずだわ・・・、ステータスオープン)
ルーシアは自分の状況を目の前に表示させた。
【ルーシア、19歳】
LEVEL:10 (1UP)Result(9→10)
JOB:魔法使い
HP:121 (11UP)Result(110→121)
MP:198 (16UP)Result(182→198)
SP:1 (1UP)Result(0→1)
体力:67 (6UP)Result(61→67)
筋力:41 (3UP)Result(38→41)
知力:88 (9UP)Result(79→88)
魔力:86 (9UP)Result(77→86)
敏捷:54 (4UP)Result(50→54)
一般スキル
火魔法スキル : L0 (SP=0)
水魔法スキル : L3 (SP=9)
L:1 ウォータ 水を生成する。飲料可能。
L:2 ウォータボール 水でできた球形の塊を投擲する。速さ、硬さはMPにより調整可能。
L:3 ミスト 霧の壁を生成し視界をふさぐ。
L:4 ~~ ~~
風魔法スキル : L0 (SP=0)
雷魔法スキル : L0 (SP=0)
土魔法スキル : L0 (SP=0)
特殊スキル
ユニークスキル
【返品クレーマー】
(やっとレベル10かあ・・、ひとつあげるのに半年かかっちゃった。でもこのSPを水魔法に割り振れば、念願の<L4:ウォータアロー>が取れる。これさえあればもう少し強い魔物が倒せそうだし、さらなるアップも目指せそうね。そうなれば、この変なスキルは隠しておいて普通に冒険者できそう。うん、いやなこと早く忘れて前向きに考えましょう)
ルーシアはそう自分で納得させてステータスの割り振り作業を開始させた。作業といってもステータスボードとの会話形式でポチポチとタッチするだけだが。
(あ~、でもいまさらだけど火魔法のレベル1:ファイヤーもなんか強そうね。う~ん、雷魔法のショックというのも使えそう・・・。でもここは当初の目的どおりっと。
この設定内容でよろしいですか?
⇒ YES
⇒ NO
(ええ)ぽちっと。
(よしなんか強くなった気分ね。新しい魔法はどんなのだろう。明日が楽しみね)
そして確認のため再度ステータスボードを開いてみた。
【ルーシア、19歳】
LEVEL:10
・
・
・
一般スキル
火魔法スキル : L0 (SP=0)
水魔法スキル : L3 (SP=9)
風魔法スキル : L1 (SP=1)Result(L1:ウィンド取得」)
雷魔法スキル : L0 (SP=0)
土魔法スキル : L0 (SP=0)
(えええ~~~~~~?なにこれ、なんで風魔法が取れてるの???あっあっあっ!もしやいろいろと考えながら割り振ったんで手がすべったとか・・・・
・・・・・・・・はあ~~~~~、やっちゃったあああ。最後よく確認すればよかったああ・・・)
ルーシアはそのままベッドに倒れこみしばらくぴくりとも動かなかった。が、突然身体を起こし叫んだ。
(あっ、そうだわ!神殿にいけば、スキルの振り直しが出来るんだった。・・・ああ、でもだめだわ。振り直しはすごい高額って聞いたことがある。なんでも1ポイントにつき50万ゴールドだったと・・。そんなお金ないし貯めるのに何年もかかりそう・・)
その後ベッドの上で何度も転がりながら悔やむことを続け、最後には自分のふがいなさを呪い始めるようになった。
(あ~あ、この嫌われスキルがあるおかげで、いいことがあまりない気がする・・。私はこのまま嫌われ続けて一生を終えるのかな・・)
ルーシアはそうつぶやき、だんだんふさぎ込んでいき、なぜだか涙もでてきた。そのまま明け方まで、真っ赤な目のまま呆然と過ごし、気がつくとちょうど、朝日が上がってきた。
しばらく朝の清々しい光を浴びていたルーシアは、突然思い立ったように太陽に向かって手を合わせ祈り始めた。
(神様、いつも信心深く無い娘でごめんなさい。今回いろいろなことが重なり疲れきってしまいました。小さいころより思っていた偉大な魔法使いになりたいとか、大金持ちになるとかもうそんな贅沢は言いません。上級の冒険者になりたいとかの夢ももうあきらめます。せめて・・、せめてさっき間違って振ってしまったスキルポイントだけでも返していただけないでしょうか。
お願いします、神様・・。お願いします、お願い・・、うううう)
ルーシアはそのまま泣き崩れた状態で一心に祈り続けた。
やがて・・・、
突然頭の中で声が響き渡った。
<スキルポイントが1P返却されました。
「返品クレーマー」スキルによりさらに1P追加されました。合わせて2Pの返却となります>
「・・・・・・・・・えっ?」
読んで頂きありがとうございます。
始めは1日に2話、5話目から毎日20時投稿の予定です。