ハクサンチドリ
「え、ぇええぇえ!?ぼ、僕の家族に!?そ、それってつまり、け、結…」
「あ、違う違う!そうじゃなくて…」
「そ、そんな急に言われても!!いや、嬉しいよ!?嬉しいけども!」
「ア、アイル?聞いてる?」
呼びかけるも、アイルは全く聞いていないようだ。
「えぇでも僕たちまだ出会ったばっかりだしまだ子供だし!?もっとちゃんと色々話し合ってからの方が。いや、君が嫌いとかじゃなくてね?」
真っ赤になって騒ぐアイルのパニックぶりに気圧されてしまう。
そうしているうちにも、アイルの中でどんどん話が進んでいく。
「うわああどうしよう!どうすればいいんだ…!」
「うるさいぞ。」
耐えかねたリオンがスイと指を下げた。
その途端、アイルの頭に雪玉が落ちた。
「いてっ。え?雪?」
「それで頭を冷やせバカ。だれも結婚しろなんて言っていないだろう。」
「え、でもお義父様が…」
「誰がお義父様だ!!」
当たり前のように言うアイルの言葉に、思わず声を荒げるリオン。
「ふっ…」
普段の冷静な様子と打って変わって感情的なリオンに、思わず吹き出してしまう。
「…おい、何笑っているんだ。」
「いやごめっ…だってお義父様って、ふふふふ…ん?あー、ごめんごめん!」
般若の顔になりかけていたリオンの顔を見て、慌てて笑いを引っ込める。
「ごめん、紛らわしい言い方しちゃって。結婚じゃなくて、親戚ってことにしてほし
いの。」
改めてアイルの方を向き、きちんと説明し直す。
「あーなるほどね。それくらいなら全然。いくらでもあげるよ!」
「ひとつで十分だ。」
ツンとして言うリオンを「まあまあ」とたしなめながら、私はアイルに感謝を伝え
た。
「本当にありがとう、アイル。」
「いいんだ。ルリのおかげで店から物が盗まれることもなくなったし、ちょっとは商品が売れるようになったんだ。」
「え、そうなの!」
「うん。店に来てくれる人はいないけど、注文してくれる人は増えたんだ。」
「へへっ」と嬉しそうに笑うアイルを見て、私もうれしくなる。
「そっか…よかった。」
「うん!だから、僕も聖女様を止めるのを協力するよ!」
アイルは満面の笑みでそうい言った。
ハクサンチドリ:勘違い・間違い・素晴らしい
順番を間違えて投稿してました…




