ニチニチソウ
町に着くと、賑やかな音が響き渡っていた。
(わ…なつかし~)
しばらくぶりに訪れた町は、前に訪ねたときのまま、活気に満ちていた。
違うところと言えば、町中に魚の形をした旗が飾られていることだ。
「え、あの旗かわい~!」
よく見ると、一枚一枚柄が違っている。
「ちょっとあれ、買おうかな…。」
「おい、ここへ来た目的を忘れたか?」
旗を売っている出店に近づこうとすると、リオンに制止された。
「わ、わかってるよ…。」
もちろん分かっている。
モカちゃんが聖女と認定されるのを防ぐため、魔法学校に潜入する。
入学のためにはそれ相応の身分、少なくとも町人レベルの身分になる必要がある。
それには、ギルドの町人クラスに登録しているアイルの助けが必要不可欠なのだ。
私は渋々諦め、リオンをアイルの店へと案内した。
途中、以前買い物をした店々を通り過ぎたが、シノビチョウの気配を消す魔法の効果で、誰にも気づかれなかった。
「ここだよ。」
アイルの店の前に着き、リオンを振り返ると、リオンはあっけに取られているようだった。
(まあ、無理もないよね…。)
派手な紫色のペイント、所々はがれかけた壁、黙々とのぼる黄色い煙、そしてうるさい金属音…
また何かを作っているようだ。
「よかった。店にいるみたい。」
久しぶりに会うと思うと、なんだかソワソワする。
「行こう。」
店の扉に手をかけるも、リオンは躊躇しているようで動こうとしない。
「リオン、なにしてるの。早く行こう。」
しかし、リオンは店の外観にドン引きしている。
「ほ、本当にここなのか…?」
まあ確かに、こんな変な外観の店には入りたいとは思わないだろう。
「リオンが行こうって急かしたんじゃん!どうせ誰も見てないんだから、ほら、早く行こう!」
私は扉を開けると、店に入って手招きした。
リオンはしばらく外観を凝視していたが、嫌々ながらも店に入った。
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ニチニチソウ:楽しい思い出




