モンステラ④
「話は逸れたが、そいつの助けは必要不可欠だ。存在しない身分を一から作るのは骨が折れるが、元々ある身分に付け足すのは簡単だからな。」
「って言っても申請ってどうすればいいの?区役所的なところに行くの?」
「クヤクショ…?いや、国営のギルドへ行くんだ。」
(おお…!なんか異世界っぽい!)
「話を聞く限りだと、アイルってやつはきっと商人ギルドに登録してあるはずだ。お前もそこに行ってこい。」
「商人ギルド?それで町民になれるの?」
「ギルドの中にも階級があるからな。町人レベルは結構いい身分だぞ。試験に合格すれば魔法学校にだって入れる。」
「え!試験があるの!?」
「当たり前だろう。聖女様がいる魔法学校はこの国で一番の名門校だ。身分はもちろんだが、実力も重視されるからな。」
リオンはさらっと言うと、食べ終えた食器を持って立ち上がった。
「で、でも、試験っていっても何が出るのか知らないし…」
私も慌てて立ち上がると、リオンの後をついていった。
「万が一不合格にでもなったら―」
「町人階級の試験なら、魔力を見るだけのものだ。お前なら簡単だろう。」
リオンは少し皮肉めいて言うと、廊下をスタスタと進んだ。
「え~…」
「ただ一つ、気を付けるとするなら…」
ふと、リオンは立ち止まって言った。
「聖女様・王子一行と同じ最上級クラスにならないことだ。近くにいればそれだけお前の正体がばれやすくなる。一個下のクラスにしておけ。」
「え、でもそしたら潜入の意味が…。」
なら誰がモカちゃんの動向を見張るというのか。
「私が最上級クラスでないとでも?見張り役なら一人で十分だろう。」
少しイラついた口調でリオンが言った。
(そりゃそうだ。リオンの魔力で最上級クラスじゃないわけないか。)
「そっか。じゃあお願いね。」
私がそう言うと、リオンは「フン」と不満そうに前を向いて、再び歩き出した。
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