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ポピー

「準備しておいて。あ、武器は持って行かないでよ。」


そう言ってダイニングを後にした私は、少しうきうきした気持ちでキッチンへと向かった。


(久しぶりに蛇さんに会える!)


自然と足取りも軽やかになる。


(何かお土産を持って行こうかな?あ、でも、何食べるんだろう?)


そんなことをワクワクした気持ちで考えながら、なにかしら見繕おうと戸棚を覗く。


「う~ん…特にないな…。食べ物じゃない方がいいのかも。」


そう言えば、蛇は冬に冬眠するはずだ。


あの大蛇の巣は吹き抜けになっていたため冬は相当寒いのではないか。


決まりだ。


「あったかい毛布を持って行ってあげよう。」


早速、別室へと戻って一番大きな毛布を見つける。


しかし、それでも大蛇のあの大きさには足りない。


そこで、私は屋敷中を回って、質感の似た毛布を集めてきた。


一人どたばたと毛布を運ぶ私をリオンは怪訝そうに見ていたが、気にしている暇はない。


なんとか十枚くらいの毛布をかき集め、一枚一枚優しく洗濯していく。


干している時間もないため、仕方なく魔法で水分を飛ばす。


(時間が余ってたら、日の光にあてられるかも。)


そうして清潔になった毛布を客間へと運び、一枚ずつ縫い合わせていく。


(長く使えるように、しっかり縫わないと。)


魔獣は人間が使う魔法で作ったものをあまり好まないため、保護魔法をかけるわけにもいかない。


ここからは手作業で進めていく。


そうして黙々と作業を続けること数時間、ついに、あの白蛇でも覆えるような大きな毛布が完成した。


「で、できた~…!」


完成したものを広げてみて、私は疲れと達成感のこもったため息をついた。


「よいしょ…う、イタタタ…。」


長い時間集中していたせいで、目と肩が固まってしまった。


肩を叩きながら巨大毛布を少し持ち上げてみると、中々しっかりとした作りに仕上がった。


「よかった…間に合った…。」


そう言ってふと部屋を見渡すと、カーテンから薄っすら光がもれていた。


「え!」


開けてみると、外はすっかり日が昇っていた。


(うそでしょ!もう朝?)


毛布を干そうと持ち上げようとするも、さすがに重くて持ち運べない。


「えい!」


なるべく小さめに畳んだ巨大毛布を魔法で持ち上げ、外へと運び出す。


幸い、今日は晴天のようだ。


(洗濯日和だ。)


私は物干し竿やらなんやらをかき集め、巨大毛布を日干しした。


こうしてしばらく置いておけば、太陽の光をたっぷりと浴びて、ふんわりと肌触りもよくなるだろう。


(運ぶのは荷車を使えばいいか。かさばるけど畳めばなんとか運べそうだし。)


一仕事終えた私は、そのまま部屋に戻って少し寝ることにした。


「あぁ~!疲れた!」


陽光をたっぷり取り入れている窓にカーテンを引き、ボフリとベッドに飛び乗る。


(少し寝よう。お昼ごろに起きれば、まだ間に…会う…はず…。)


準備のことを考えながら、私はそのまま、夢の中へと落ちていった。




ポピー:いたわり・思いやり


お読みいただきありがとうございます。

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