表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/109

フジ②

本に目を通しながら、私はリオンについて考えていた。


相手に有無を言わせないような、妙に大人びた話し口調。


(貴族の生まれ…?いやでも、それならすぐに私を捕らえてたはず。)


魔力もそこらへんとは段違いに強い。


それに、いくらでも私を捕まえるチャンスはあっただろう。


(う~ん何だろう…。わかんないな…。)


考えれば考えるほど合点がいかない。


直接本人に聞くわけにもいかないだろう。


(とりあえず今わかっていることは、城の魔法使いだってことだけか。あと、誰にも言っていない秘密があることも。)


今朝、リオンの姿が変わったことを思い出す。


確かに見た目で差別されるのは日本でも、この世界でも同じことのため、彼が見た目を変えている理由はわかる。


現に私もこうして黒髪を隠している。


今朝の出来事には、何か引き金があったのだろうか。


今回のようにいきなり魔力が弱まったことと、何か関係があるのだろうか。


頭の中でグルグルと仮説を回していたが、暖炉の火がパチンと跳ねた音で私はハッと意識を戻された。


(あ、お夕飯の準備しないと。)


結局大してページの進まなかった本を置き、私はキッチンへ夕飯を取りに行くことにした。






夕飯を持って書斎へと向かうと、リオンはまだ書斎で本を探しているようだった。


(随分長い時間探してるな…。)


しかし、足元に積まれた本を見て、すでに何冊か読んだ後なのだと気付く。


(えぇ~。この短時間で?)


私なんて一冊どころか数ページも読んでないのに、とその速さに驚きつつ、集中の邪魔をしないようにそっと夕ご飯を机に置こうとすると、リオンがこちらに気付いた。


「…何をこそこそしている。」


不審げな視線を投げかけてくるリオンに、


「ただの気遣いです~。」


と思わず憎まれ口をたたく。


(まったく、人がせっかく親切にしたのに。)


私はツンとして食事を机に置いた。


(あ、持ってきちゃったけど、ダイニングで食べる予定だったかな。…まいっか。)


「食べ終わったら水に浸けておいて。」


それだけ言うと、私は書斎の扉を閉めた。


お読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ