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次の日、大学の授業は昼過ぎで終わりのため、霧島はバイト先に連絡し、とりあえず、週に4日入っていたバイトのシフトを減らした。
塾講師のバイトだが、シフトの融通がききやすいと思い始めたが、今から何かをやるのに週に4日も潰されるのは厳しいと思ったからだ。
教室長に事情をフェイクを交えて話すと、協力してくれるということで、とりあえず今週いっぱいは日にちが空いた。
その空いた時間で、まず霧島はネットバンクに口座を開設し、インターネットで株式の売買をすることにした。
この手続きが一番めんどくさかったようだが、なんとか口座を開設することができた。
よし、これからだな。
霧島は内心でそう思った。
霧島は80万円をそのネット口座に送金し、勝負ができる体制を整えた。
株のことは何にもわからなかったので、霧島は勘に任せて、80万円分一社の新興のインターネット会社の株を買った。
他にもたくさん良さそうな会社は見つけていたが、なんとなく勘が働かなかったため、株を買うことはしなかった。
霧島は、よくよく考えて見るともっと分散して買えばよかったかな…とも思ったが、勘がそうしろと言っていたのだからという、誰に対してなのかよくわからない言い訳をして、梅田まで買い物に行くことにした。
せっかく得たあぶく銭なんだからパーっと使うか
霧島は小心者なので、中途半端に大きな金を使うことに慣れていない。
なので、これから季節向けての、服を買って、充足感を得ようとしたのだ。