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豪運 突然金持ちになったんですけど、お金の使い方がよくわかりません。  作者: ノニジュース


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78 お正月



今、慣れない紋付袴を着て、地元で1番古く大きな神社にいます。


なかなかに苦痛です。

神主さんが祝詞みたいなものを詠んだり、榊みたいな葉のついた枝でバサバサやったりして、全く訳がわかりません。

かれこれ2時間程度経過したでしょうか。

やっと終わりそうです。


最後に、それぞれの家の当主がお神酒的なものを飲み、やっと解放された。


「おうあきら、お疲れさん。」


「疲れたよ、父さん。」


「一応これがフルコースだな。

毎年正月はこれをやる。」


「キッツ。」


「葬式でもこれをやる。」


「うーわ。」


「結婚式はもっと長い」


「結婚願望消滅したわ。」


神社を後にした一族はそれぞれ相乗りで車に乗ってあきらの実家に帰る。

もちろん運転手は当主以外で、うちは母が運転した。



家に着くと、あきらが実家に暮らしていた時にはなかった、大広間にみんなが案内された。


各家の当主が勢ぞろいしている中、あきらと幸隆は上座の一段上がったところに正座する。


父の口上が始まった。


「本日は…」

あきらはこのあたりから記憶がない。

つまり寝ていた。


パチパチという拍手の音で目がさめる。

寝ていたことがバレないほどゆっくりと目を開けるが、どうやら終わったらしい。


父は、正座のままお辞儀をしたので、あきらもそれに習って軽めのお辞儀をする。

すると他の家の当主も深くお辞儀をする。


お披露目が終わって、みんながおせちを食べにリビングへと向かう時、後ろから頭をはたかれた。


「寝るな。」


父だった。


「いや、なんもせんでええって言ったやん。」


「とはいえ寝たらいかんやろ。」


「眠たくて眠たくて…。」


「あとで今後の計画伝えるから。」


「了解。」


記憶に残っているよりもだいぶ大きなリビングで、雄次兄さんが作ったおせちを食べていると、重弘おじさんが持ってきた酒の第二便が届いた。


持ってきた酒の中には四斗樽もあり、これからこの人たちはどれだけ飲むんだろうと、霧島は不安になった。

四斗樽は重弘おじさんと若い衆がテキパキと準備してくれ、10分ほどで鏡開きの用意が整った。


あきらと、幸隆、重弘おじさんなど、手隙の人で鏡を開くや否やあきらは、我先にと飛びつき、掃除機のような勢いで日本酒を飲み込んでいった。

回りも苦笑いである。



おせちもだいぶ行き届き、大人たちがいい感じに酔っ払ったところで、大ビンゴ大会が始まった。

正月といえばビンゴなのはあきらにも馴染み深い。

むしろ、正月は大ビンゴ大会が1番の目玉である。

商品は酔っ払った大人がその場のノリで決める。


去年の一等の商品は松坂牛5キロだった。

近くに住むいとこの由美子姉さんが誰かからもらったらしい。


今年の商品は何になるのか、子供達も目を輝かせて楽しみにしている。


「それでは商品の発表です!」

ビンゴカードが配られ終わったところで司会の母ひろみが発表する。

商品は出資者である酔っ払った大人が挙手で宣言し、それを司会が名前と商品名をあらかじめ貼ってある模造紙に書く。


「ニンテンドースイッチ!」

子供達からどよめきが上がる。出資者は新造おじさんだ。

「PS4!」

さらに大きなどよめきが上がる。出資者は重弘おじさんだ。

「amazonギフト券5万円分!」

明美おばさんも負けない。

明美おばさんの宣言は中高生からの絶大な支持を集めた。

「原付!」

雄次兄さんの出品には中高校生男子が食いついた。


「JCBギフト券100万円分。」


あきらの宣言に場が湧いた。

一瞬の静寂ののち、弾けるように歓声が沸き起こった。

このギフト券は、クレジットカード会社が用意してくれたものだ。年間で億単位の買い物もクレジットカードで済ませるあきらは、ポイントの溜まり方もえげつない。

そのポイントの一部をギフト券に変えて今回持って帰ってきていたのだ。


あきらの宣言に、子供はもとより、最初は温かい目で見守っていた大人たちの目までもが血走り始めた。



一等はギフト券

二等は原付

三等はアマゾンギフト券

四等はスイッチ

五等はPS4

と決まり、ビンゴ大会はスタートした。



結果的には雄次兄さんのところの小学5年生の女の子が一等のギフト券を手にした。

女の子からも、雄次兄さんからも奥さんの麗子さんからも大感謝を受けた。



大盛り上がりのビンゴ大会は幕を閉じ、騒ぎ疲れた子供達もウトウトし始め、お母さん方お父さん方が急いで風呂に入れ寝床に放り込んだ。



夜は大人たちの時間である。

参加者は増築された離れの麻雀ルームに集まった。


「それでは霧島家大麻雀大会を始めます。」


ちなみに今回の参加者は12人で、参加費は無し。

そのかわり、なんでも良いので昼のビンゴ大会に商品を出していることが条件だ。

優勝者は霧島本家のポケットマネーから50万円の賞金で、準優勝は10万円の賞金だ。

ちなみに、去年の優勝賞金は5万円だった。


手に汗握る大熱戦の末、あきらが優勝するかと思われたが、惜しくも準優勝。

決勝の卓で、バカヅキしているあきらに、新造おじさんは言った。

「あきらよぉ。麻雀は運じゃねえんだ。テクニックなんだよ。ツモ。

リーチ、一発、ツモ、ピンフ、タンヤオ、三色、イーペーコー、ドラドラ、、裏ドラ。トリプルだな。」

運で上がったような気もするが、優勝は手役派で鳴らす画家の新造おじさんだった。

麻雀ルームに飾られたトロフィーには新造おじさんの名前があらたには刻まれた。



同じ卓についた父からは今後の予定を聞かされた。

「今後は順次親戚には集まってもらって、この辺で開業できる人はするみたいだ。

鹿児島の岳大はこっちで開業するってよ。

札幌の新造も、アメリカの譲治も移住するつもりだって。」


「そうなんやね。」


「んで、資産管理会社も代表はお前で、各家の当主で役員は構成する。その資産管理会社を霧島家の最高議決機関として、議決権はそれぞれの当主に一票ずつ。お前には拒否権を持ってもらう。まぁ最終的にはお前のゴーサインがなけりゃビタ一文の資産も動かせないってことだな。」


「なるほどね。」


「ほんで、独立開業なんかには資産管理会社から融資をするっていう形にしようと思ってる。」


「うん、異論はないよ。」


「お前の株取引も、税金対策として会社としての運用って形にするから。」


「うん。」


「経費やらなんやらは後でこっちが書類作りやすいから、基本的にはカード使ってくれ。

カード会社にはこっちから連絡するから後で確認がくると思う。」


「了解。」


「じゃあそういうことで。」


「うい。」



これで少しは、親にも先祖にも孝行できているだろうか?と考えるあきらであった。


「父さんロン。国士。48000点。」


「あきら…。もっと手加減できんのか。」


……孝行できたのだろうか?




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